6月28日15時に開通した圏央道(首都圏中央連絡自動車道)相模原愛川IC(インターチェンジ)~高尾山IC間(延長14.8km)。開通距離は長くはないが、これにより東名高速道路、中央自動車道、関越自動車道が高速道路で接続されたため、首都圏の交通の流れを変えるほどのインパクトが発生している。
6月28日15時に圏央道 相模原愛川IC~高尾山IC間が開通。これにより東名高速、中央道、関越道が高速道路で接続される 本記事では、その圏央道を東名高速 海老名JCT(ジャンクション)~中央道 八王子JCTまで走行。主要なポイントを写真で紹介するとともに、多方向に分岐する海老名JCTと八王子JCTを方面別に紹介している。とくに海老名JCTをうまく使うと、圏央道から東名高速を経由せず小田原厚木道路へ抜けることができる。その逆も同様で、小田原厚木道路から東名高速を経由せず圏央道に入ることが可能だ。これをうまく利用すれば東名高速の渋滞を回避することができ、予想以上の時間短縮ができるだろう。
東名高速(上り)~海老名JCT~圏央道(外回り)~八王子JCT~中央道(上り)
最初は圏央道 外回りから紹介していく。東名高速を御殿場方面から都心へ向かうケースを想定している。休日の都心方面への帰路、東名高速では横浜町田ICやその近辺の大和トンネルを先頭に激しい渋滞が発生する。埼玉や神奈川北部、東京西部に住んでいる場合は圏央道経由で帰るというのもありだろう。この一連の写真では、御殿場方面から八王子方面へ向かうことを想定している。
東名高速を御殿場方面から都心へと向かう。厚木IC前で圏央道分岐の看板が見えてくる。圏央道経由で八王子方面に向かうことが可能だ 1.5kmで海老名JCTへ。埼玉方面への案内はないが、関越道もつながっているため埼玉方面へも便利に使える 海老名JCT途中から小田原厚木道路に分岐することもできる 圏央道方面へ向かう。しばらく東名高速(上り)と併走する。車線が増えたり減ったりと、やや煩雑な区間 1車線になった後、東名高速(下り)方面から来るクルマとの合流が行われ、圏央道 外回りに入る。取材は平日で、午前中は渋滞が発生していた。午後には解消。観光バスやトラックなど、すでに圏央道シフトが始まっている感じだ 圏央道 外回りに入って最初のICが海老名IC。海老名ICは利用者も多く、出口渋滞が午前中に発生していた 海老名ICを過ぎると快適な圏央道が始まる。この辺りは既開通区間ではあるものの利用者は非常に少なかった区間だ。八王子ICの案内が見て取れる さらに北へ。休憩施設の案内が現れる。中央道は名古屋方面、新宿方面で案内 圏央厚木IC。国道129号に接続するため便利に使える 相模原愛川ICの表示。取材帰りに確認したところ、一番下は高尾山ICだったが、中央は白いままだった。年度内開通予定の相模原ICなのだろうか? 上依知第一トンネルを越えると上依知第二トンネルが現れる 相模原愛川ICを越えたとこからが新規開通区間。左に加速車線が見えることで分かるように相模原愛川ICから圏央道 外回りに入るとすぐに2720mの愛川トンネルが始まる 愛川トンネル内。圏央道延伸区間のトンネルにはさまざま最新技術が投入されており、トンネル好きにお勧めの区間 さらに進むとトンネル内が上り坂となっている旨の注意看板が 圏央道に来たならぜひ使ってほしいのがこの小倉山トンネル。トンネル内の左側壁に約80km/hで進むように見えるLEDライトが用意されている。これによりトンネル内での速度低下を起こしにくいよう配慮している 小倉山トンネルを越えると、開通前にウォーキングイベントの行われた相模原IC付近が見えてくる。相模原ICは年度内に開通のため、現在工事中 城山トンネルを通過すると関越道と接続する鶴ヶ島JCTの案内看板が見えてきた。東名からこの地点まで、関越道の案内はなかったように思う 間もなく外回りの新規開通区間として最長のトンネルが見えてくる 大規模訓練が行われた相模原八王子トンネル。3570m 高尾山トンネル。左が高尾山ICからの合流加速車線。ここから既開通区間 高尾山トンネル内。八王子JCTの分岐が案内されている 右に圏央道 内回りからの車線が現れる。外回りが内回りに合流するようになっていた。東名→中央、関越→中央の交通量を考えると、将来的に主車線の変更を行ったほうがよいのではと思える部分 中央道(下り)~八王子JCT~圏央道(内回り)~海老名JCT~東名高速(上り)
次は圏央道内回りの紹介。東京でも有数の人口を誇る八王子方面から厚木・横浜方面への移動を想定している。このような場合、これまでは国道16号や国道129号が使われていたが、その交通量は大きく変わってくるだろう。
中央道 八王子料金所から西へ向かうと八王子JCTの案内が見えてくる。厚木の文字がこれまでとは異なる部分 八王子JCTを圏央道方面へ。関越道は従来からあったが、東名が加わった 八王子JCT内の分岐。感覚的には、左が東名、右が関越なのだが、JCTの構造のため、左が関越、右が東名となっている。ここをスマートに通過できる否かで道路のスキルが問われる 圏央道 内回りに合流。間もなく高尾山トンネルが見えてくる 内回りの新規開通区間は相模原八王子トンネルから。外回りが3570m、内回りが3580mなので、内回りが新規開通区間を通じての最長トンネル 城山トンネルを通過すると、少しだけ外の景色が楽しめる個所がある。ただ、ドライバーはこの景色を見るのは難しいだろう。見えているのは新小倉橋 中央部が凹む、渋滞の起きやすいトンネルを注意する看板。看板が取り付けられているのは、将来は相模原ICになる部分 小倉山トンネル内部。トンネル内で下りから上りへと変化しているのが分かるだろうか。左の緑のLEDが速度低下を防ぐためのもの 相模原愛川IC以南は既開通区間。しかしながら、相模原愛川ICを越えた個所にある休憩所の案内看板は新規設置看板に見えた 上依知第一トンネルを越えると厚木PAが近づく。その手前にあるのがこの看板。もう1枚くらいICの案内を付ける余裕が用意されている 厚木PA、圏央厚木ICと過ぎ、海老名JCTの看板が見えてきた 海老名ICを過ぎると圏央道 内回りは2車線から1車線になって海老名JCTへ。ここは交通容量が低下するため渋滞しやすい構造 海老名JCT通過中。東京方面と名古屋方面が案内されている。小田原厚木道路の案内は分かりにくい部分 海老名JCTを東京方面へ。土休日などは、ここから先は渋滞が予想される部分。慎重に走ろう NEXCO中日本は海老名JCTの東名高速 上り合流区間に付加車線を追加。このまま左の車線にいれば海老名SAに入っていきやすい 小田原厚木道路関連
圏央道利用の上で覚えておきたいのが、海老名JCTには小田原厚木道路も接続しているということ。埼玉方面と小田原方面の行き来が、東名高速を使わずとも可能になる。ここでは、小田原厚木道路にこだわって、写真で紹介する。以前から開通している区間のため、すでに活用している人もいるだろう。
●圏央道(内回り)~海老名JCT~小田原厚木道路
圏央道 内回りから小田原厚木道路へ行く場合は、海老名JCT内で名古屋方面へと向かう。小田原厚木道路の案内は小さく、見落としやすい 海老名JCT内で名古屋方面へ進路を取ると、進路を180度変えながら東名高速をまたぐ道路を走ることになる。この道路は途中で2車線へ 東名高速 下りと併走する部分。小田原厚木道路は左車線へ 厚木IC出口。奥が小田原厚木道路。右から東名高速 厚木ICを降りたクルマが加わる ●小田原厚木道路~海老名JCT~圏央道(外回り)
小田原厚木道路から東名高速を経由せずに圏央道 外回りへと向かうプラン。東名の渋滞を避け東京西部や埼玉へ向かうことができる 東京方面へ向かう。よく見ると中央道の案内が付加されている 東名高速、圏央道への進入路。圏央道へ行くためには、左側の車線に位置する必要がある 東名高速 上りから圏央道へ向かう車線と合流するので、以降は「東名高速(上り)~海老名JCT~圏央道(外回り)~八王子JCT~中央道(上り)」を参考に おまけ
当初の企画では、海老名JCT全方向と八王子JCT全方向を紹介しようと考えていたが、実際に始めてみると海老名JCTの渋滞が激しく、時間的にとても1日で終わらないことが判明。急遽企画を切り替え(短縮し)、主要なものを紹介するにとどめた。
圏央道の利便性が飛躍的に高まったため、海老名JCT~海老名IC間を利用するクルマが平日にもかかわらず激しく増えているように見えた。とくに海老名IC近辺には物流基地が作られているためか、海老名ICの出口渋滞も何度か見かけた。海老名JCT~海老名IC間の渋滞状況が、圏央道利用のポイントなるのは間違いないだろう。改めてこの区間を何度も通ったが、東名と圏央道の接続路はフルに2車線必要だったのはないだろうかと感じた。最後に「東名高速(下り)~海老名JCT~圏央道(外回り)」を簡単に紹介しておく。車線の分岐の具合など事前に見ていただき、安全運転に役立てていただければ幸いだ。
東名高速 下りを走る。海老名SAを過ぎると海老名JCTの案内看板が現れる 海老名JCTの分岐案内。圏央道に八王子などが加わっている 午前中はこのように渋滞が発生していた。上り坂の後の下り坂での渋滞のため追突事故には気をつけてほしい 左から東名高速 上り、小田原厚木道路、厚木ICからの流入車両が加わる。1車線に合流させるため渋滞の先頭になっていた 先ほどの合流部を過ぎると2車線へと広がるので渋滞は解消。快適な圏央道ドライブが始まる ついに高速道路でつながった東名高速と中央道。6月18日圏央道延伸のキャッチフレーズは「つながる。東名と中央、関越」