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ホンダ、クラス最大のラゲッジと34.0km/Lの低燃費を両立する新型「シャトル」発表会

シャトルは「高い移動の喜びを実現し、確かな価値を備えた」と峯川日本本部長

2015年5月15日開催

 本田技研工業は5月15日、新型コンパクトワゴン「SHUTTLE(シャトル)」の発表会を東京・青山の本田技研工業本社で開催した。

 3代目「フィット」の派生モデルとなっているシャトルの価格は、ハイブリッドモデルが199万円~254万2000円、ガソリンモデルが169万円~188万4400円。このほかのバリエーションや装備などの詳細、写真解説などは関連記事を参照していただきたい。

ホンダ、5ナンバーサイズの新型コンパクトステーションワゴン「シャトル」、169万円から

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150515_701325.html

写真で見る ホンダ「シャトル」

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/20150515_702034.html

シャトル HYBRID Z
ボディーサイズは4400×1695×1545mm(2WD車の全長×全幅×全高。4WD車の全高は1570mm)、ホイールベースは2530mm
発表会の冒頭でアンベール
HYBRID Zのインパネ。HYBRID ZとHYBRID Xは本革巻きステアリングを標準装備
マルチインフォメーションディスプレイを備えるハイブリッド専用メーターパネル
HYBRID ZとHYBRID Xはパドルシフトも標準装備する
パーキングブレーキは足踏み式
フィットなどの「SPORT HYBRID i-DCD」車と共通するハイブリッド専用セレクトレバー
セレクトレバー後方の「S」ボタンはパワートレーンの制御を変更する「Sモードスイッチ」
セレクトレバーの下は収納スペースとなっている
HYBRID Zのインテリア。シート表皮はダブルステッチの「リゾーターブラウン/コンビシート」
ドアトリムにも木目調パネルやプライムスムース表皮などを設定
リアドアのガラスウインドーはこれが全開状態
HYBRID Xのインテリア。シート表皮はアイボリー色のプライムスムース×ファブリックのコンビシート
リアシートの座面はチップアップが可能。乗員空間がラゲッジスペースに変化する
助手席側のグローブボックス上側にインストルメントパネルガーニッシュを装着。HYBRID Z(左)は木目調、そのほかのグレードはメタリック塗装となる

 発表会で登壇した本田技研工業 専務執行役員 日本本部長の峯川尚氏は「ホンダは国内需要の中心であるスモールコンパクトクラスにおいて、2013年9月発売のフィットを皮切りに、新たなハイブリッドシステムによる優れた走りと環境性能を両立するモデルを、シリーズとして提案してきました。本日はこのクラスにおける新たな提案として、高い移動の喜びを実現する、確かな価値を備えたコンパクトステーションワゴン、新型シャトルを発表いたします」と語り、シャトルがフィットから続く一連のハイブリッドシステム搭載車のニューモデルであることを紹介。

 また、「デザイン、空間、乗り心地、走りと燃費という、クルマの基本要素を熟成し、それぞれの価値を確かなものにすることにこだわりました。上質で豊かな移動空間を、自信を持ってご提案いたします」と、シャトルが持つ魅力について表現した。

本田技研工業 専務執行役員 日本本部長 峯川尚氏

 ニューモデルの車両解説は、本田技術研究所 四輪R&Dセンター 開発責任者(LPL)の磯貝尚弘氏が担当。

 磯貝氏は「このコンパクトステーションワゴンのシャトルですが、“通常のコンパクトステーションワゴンとは違った価値を入れたい”“さまざまなライフスタイルのお客さまに人生を楽しんでいただきたい”そんな気持ちを一番大事にして開発を進めてきました」とシャトル開発に込めた思いを紹介。また、シャトルという車名については、「独自の価値をしっかりと織り込むということと、コンパクトステーションワゴンのなかでシャトルの価値を確固たるものにしたいとの思いを込めました」と解説した。

 商品特徴としては「フロントフェイスでは先進感のある顔つきをしっかりと表現しました。サイドではダイナミックで伸びやかなワゴンらしさ、リアでは質が高いデザインが実現できたと考えています。大きな特徴となるヘッドライトでは、薄くてシャープなLEDヘッドライトを採用しています」「ドライブで重要になるのは、やはりインテリア空間です。くつろぎと上質感の両面を達成したく開発を進めました。とくに『ハイデッキセンターコンソール』は、アームレストに腕を置いてゆったりドライブしていただきたいというものです。ユーティリティ価値と質感の高さを両立しています」「このクルマの大きな特徴であるラゲッジスペースについては、スマートなラゲッジを目指しました。広いという価値も重要ですが、ここになにか足せないかと考え、例えば大切なものを置いておける場所。また、ベビーカーのタイヤが汚れていてもさっとしまえるラゲッジがあれば、奥さんは少し助かるんじゃないかといった気持ちを込めました」と語り、車両の内外装、収納スペースなどの開発コンセプトなどを紹介している。

本田技術研究所 四輪R&Dセンター 開発責任者(LPL)磯貝尚弘氏
商品コンセプトは「ライフスタイルを広げ、人生を愉しむためのコンパクト・ステーションワゴン」
シャトルは1983年に発売された「シビックシャトル」の系譜を受け継ぐモデルとなっている
「存在感」「寛げる」「愉しみ」「賢く」の4つのキーワードを開発に採用
存在感のあるフロントマスクやワゴンらしい伸びやかさを外観デザインに与えている
新色の「ミッドナイトブルービーム・メタリック」「ミスティックガーネット・パール」を含む全8色のカラーバリエーション
高い位置に設定するアームレストや各種収納スペースで使い勝手を確立
5ナンバーサイズで立体駐車場も利用できるボディーサイズと室内空間のゆとりを両立
ラゲッジスペースのコンセプトは「クロークルームラゲッジ」
ステーションワゴンらしい広大な収納スペースが与えられている

 このほかに発表会では質疑応答を実施。グレード展開がハイブリッドモデル中心となっており、ガソリンモデルは1グレードのみとなっている理由について、峯川氏は「事前受注の動向や最近発売したモデルの傾向を考えると、このシャトルではハイブリッド9対ガソリン1という割合になると受け止めています。価格差をガソリン代の差額ではペイしないのではないかとのご指摘でしたが、近年、なぜハイブリッド車が支持されるかの理由の背景に、経済性もありますが、環境に優しいという点も選ばれる理由になっているかと思います。ガソリン車の充実については、市場の動向を見極めながら考えていきたい」と回答している。

 また、車名がこれまでの「シビックシャトル」「フィットシャトル」といった名称から、シャトルという独立したネーミングに改められた理由については、「これまで我々は、シャトルという名称を派生モデルとしての位置づけで使ってきました。しかし、実車をご確認いただくと分かるかと思いますが、今回のモデルはステーションワゴンとしての商品価値をかなり高めており、走りについても中身についても充実度を高めていて、独自の道を進ませていくことが正しいと考えて『シャトル』単独で車名に採用しました」と峯川氏が回答。また、車名については「フィットが繰り返しリコールを出したことが“フィット”を外した理由なのではないか」との問いかけもあったが、峯川氏は「車名は開発のかなり初期の段階から方向性が考えられており、結果として残念ながらフィットで複数回の品質問題を出しましたが、これとはまったく関係のないことです」とこれを否定している。

峯川氏と磯貝氏の2人が質疑応答に対応
「車名を含め、機種の開発では初期段階で基本骨格を決めることは非常に大事なことです。途中でネーミングが変わるということはまずないとご理解いただきたいと思います」と語る峯川氏
3月まで販売されていた「フィット シャトル」と比較して53L容量を拡大し、570Lを実現したシャトルのラゲッジスペース。リアシートを前方に格納したフルラゲッジ状態では1070Lまで収納容量が増える
リアシートは助手席側が広い6:4分割可倒式
ラゲッジフロア下のアンダーボックスは樹脂製となっており、濡れたり汚れたりしている荷物も気軽に置けるようになっている
リアシートのシートバック後方に設置された「マルチユースバスケット」。耐荷重能力は3kgに設定されている
深さもそれなりに用意されており、ユーザーごとにさまざまな用途に利用できそうだ
HYBRID Zは16インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは185/55 R16 83V
HYBRID Xは15インチスチールホイール+フルホイールキャップを標準装備。タイヤサイズは185/60 R15 84H。HYBRID Xのみ同サイズでアルミホイールをオプション設定する
直列4気筒DOHC 1.5リッターとモーター内蔵の7速DCTを組み合わせる「L15B」ハイブリッドシステム。JC08モード燃費は25.8km/L~34.0km/L
ガソリンモデルに搭載する「L15B」直列4気筒DOHC 1.5リッターエンジン。JC08モード燃費は19.4km/L~21.8km/L
ハイブリッドモデルに搭載する「SPORT HYBRID i-DCD」のカットモデル。デュアルクラッチトランスミッションにモーターを内蔵している
ボディーカラーの見本パネル。「ミッドナイトブルービーム・メタリック」「ミスティックガーネット・パール」「ゴールドブラウン・メタリック」の3色はHYBRID ZとHYBRID Xだけに設定
インテリアカラーは黒系を基本に、HYBRID Zでは「リゾーターブラウン」、HYBRID Xでは「アイボリー」をラインアップ
発表会の会場では、ホンダアクセスから同時発売されたシャトル用アクセサリーの装着車両も展示。写真は「Modulo エアロスタイル」
ボディー同色の「フロントグリル(3万7800円)」「ロアスカート(2万7000円)」などを装着
エアアウトレット風の「フロントフェンダーガーニッシュ」は左右セットで1万9440円
カーボン調の「ロアスカート」は2万7000円
2万4840円/1本の「アルミホイール MS-033」(写真)のほか、シャトル用に6種類のアルミホイールを設定
ダブルステッチで高級感を演出する「ラゲッジボード」(プレミアムタイプ)は3万2400円。純正しているラゲッジボードの上に貼り付けるタイプ

(編集部:佐久間 秀)