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名ラリードライバーを父に持つ新井大輝選手、勝田貴元選手がトヨタの育成プログラムに

WRC参戦については「2人のこれから見せる結果次第」

2015年6月3日開催

ラリードライバーを育成する「TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラム」に選ばれた新井大輝選手(左)、勝田貴元選手(右)

 6月3日、トヨタ自動車 東京本社にて世界で活躍するラリードライバーを育成する「TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラム」に選ばれたドライバーが発表された。

 このプログラムは、カテゴリーを問わずJAF公認競技に参戦経験のある26歳以下の若手ドライバーを対象にしたもので、エントリーのあった71名の中から新井大輝(あらいひろき)選手、勝田貴元(かつたたかもと)選手の2名が選ばれた。

 選考は書類による1次選考で選ばれた7名のうち、4名が4月末~5月頭にかけてフィンランドで行われた2次選考に参加し、ラリークロストラックや林道でのドライビングテスト、体力テストや心理テストなどを行い、元WRCチャンピオン トミ・マキネン氏をはじめとする講師陣が総合的に判断したとのこと。今後のプログラムに関しては、講師としてトミ・マキネン氏に加えミッコ・ヒルボネン氏、ヤルモ・レーティネン氏、ヨウニ・アンプヤ氏の加入が予定されている。

写真右からトヨタ自動車 モータスポーツマーケティング部の堀川龍雄グループ長、新井大輝選手、勝田貴元選手
新井選手が目指すWRCドライバーは小学生のころに会ったマーカス・グロンホルム選手
勝田選手は「すべてのWRCドライバーが素晴らしいと思うが、特にセバスチャン・オジェが凄い」と語った
会見中、トミ・マキネン氏のビデオが紹介された
フィンランドで行われた2次選考では、ラリークロストラックや林道でのドライビングテストのほか体力テストや心理テストなどが行われた。試験車両はインプレッサだ

 記者会見中、新井選手は2次選考において欧州の選手に比べ筋肉量の違いを痛感。ラリーにおける、長いステージで体力不足による後半での集中力の低下を克服したいとのこと。また勝田選手はペースノート作りが課題だと語った。

会見中、終始緊張気味に見えた2人であったが、自身の両親について話が及ぶと笑顔がこぼれた。新井選手の父は2度のPWRC世界チャンピオンを獲得した新井敏弘選手。勝田選手の父は4年連続で全日本ラリーのチャンピオンを獲得している勝田範彦選手だ
トヨタ自動車モータスポーツマーケティング部の堀川龍雄グループ長

 今後のスケジュールは、6月下旬と8月上旬に欧州でのトレーニングを行い、8月~10月にフィンランドやポーランドの国内選手権を戦い経験を積む予定。また、全日本ラリー選手権では7月24日~25日に行われる第5戦(福島)に勝田選手が、10月30日~11月1日に行われる第9戦(新城)に新井選手・勝田選手の出場が予定されている。

 なお、支援プログラムの現時点で予定されているプログラム以外の展開は未定であり、会見に出席したトヨタ自動車 モータスポーツマーケティング部の堀川龍雄グループ長によると、すでに予定されているプログラム以降の支援はあくまで2人次第とのこと。また、2017年に計画されているトヨタのWRC参戦については「当然2人に乗って欲しいが、それもあくまで2人のこれから見せる結果次第」と語った。

 WRCへの復帰を2017年に予定しているトヨタ。ぜひこの若手2人にもWRCマシンに乗って欲しいものだ。また、今年の全日本ラリーでは第9戦(新城)で欧州でトレーニングを済ませた2人の直接対決もある。WRCはもちろん、全日本ラリーにおいてもライバルとして欧州で学んだことをいかんなく発揮し、日本のファンの前でその走りを披露してもらいたいものだ。

(高橋 学)