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写真で見る マツダ「アテンザ」(2018年大幅商品改良)
“今まででもっとも大きな改良”の細部を写真で紹介
2018年5月24日 12:30
2002年に登場したマツダ「アテンザ」。発売当初はセダン、ハッチバック、ステーションワゴンと3タイプの車型をラインアップするミドルクラスモデルだったが、2012年に登場した3代目からはその立ち位置をガラッと変更。「SKYACTIV」技術と「魂動(こどう)」デザインを採り入れるとともに、同社のフラグシップモデルへと生まれ変わった。
その後、マツダが推進している「一括企画」(ボディサイズの垣根を越えてあらゆる領域の開発を一括して行なう)に沿って、随時新しい機能や装備を追加する商品改良モデルがリリースされている。具体的には、2013年秋の先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の標準装備化にはじまり、2014年秋(発売は2015年1月)の商品改良では走行性能や4WDモデルの追加のほか、内外装デザインを一部変更する比較的大きな変更が、そして2016年秋の改良では「G-ベクタリング コントロール(GVC)」が採用されている。
この5月、3代目アテンザとしては4回目となる商品改良が行なわれた。開発主査いわく「今まででもっとも大きな改良」となり、「クルマを愛するお客様の毎日を、もっと活力と充実感に満ちたものにする」をテーマにデザイン、質感、走行性能と幅広い領域にメスが入れられた。
中でも分かりやすいのはエクステリアだ。2014年の改良でもグリルまわりを中心に水平基調を強める変更が行なわれているが、今回はそれをさらに一歩進め、シグネチャーウイングやグリル形状、さらにヘッドライトにまで手を入れることで、立体感を際立たせるとともに低重心なフォルムを実現している。
2014年に大きな変更が加えられたインテリアについても再度リファイン。エアコンの操作パネルや吹き出し口を見直すとともに、アッパーとボトムを明確に色分けすることで、エクステリア同様に水平基調を強めたデザインとなった。同時に、パネルの合わせ目を目立たなくしたり、グローブボックスやエアコン吹き出し口のルーバーの操作性を向上したりと、随所に上質感を高める作り込みが行なわれている。
走りの面でも進化を遂げている。まず、エンジンはガソリンが2.0リッターの「SKYACTIV-G 2.0」と2.5リッターの「SKYACTIV-G 2.5」、ディーゼルが2.2リッターの「SKYACTIV-D 2.2」とラインアップには変更なし。ただし、SKYACTIV-G 2.5には気筒休止技術が、SKYACTIV-D 2.2には急速多段燃焼技術が投入されるなど、他モデルで採用済みの最新技術を採り入れたユニットとなった。
スペックはSKYACTIV-G 2.0が最高出力115kW(156PS)/6000rpm、最大トルク199N・m(20.3kgf・m)/4000rpm。SKYACTIV-G 2.5が最高出力140kW(190PS)/6000rpm、最大トルク252N・m(25.7kgf・m)/4000rpm。SKYACTIV-D 2.2が最高出力140kW(190PS)/4500rpm、最大トルク450N・m(45.9kgf・m)/2000rpmとなっている。
また、操縦性の向上を目指し、ダンパーやコイルといったサスペンションの変更に加え、ボディ側も板厚アップや形状変更などを各所に施すことで剛性を向上。タイヤも専用開発品となった。これらの改良に伴い、GVCや電動パワーステアリング制御の最適化も実施されている。
こうした走りの質感向上に留まらず、一方ではフラグシップモデルならではのポイントとなる静音性にも注力。吸音材や防振材といったモノに頼るだけでなく、フロントウィンドウの板厚アップ(60~70%程度)をはじめフロアパネルの板厚アップ、フロアパネルやホイールハウス内インナーパネルの板厚アップなど、商品改良レベルではあまり手を入れることがない部分まで変更が加えられている。これらにより「車両重量は60~70kg程度増加している」(開発エンジニア)とのことで、燃費面では不利な施策をあえて実施したことになる。見かけの数字で競争するのではなく、実際に乗った際の快適性を重視したワケだ。
安全装備面では「マツダ・レーザー・クルーズ・コントロール(MRCC)」が全車速対応となったほか、「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」のLEDユニットの20分割化、さらに「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」では夜間における歩行者検知機能を強化するといったバージョンアップが行なわれている。
ラインアップはセダン、ワゴンともに6グレード。SKYACTIV-G 2.0搭載車が「20S」「20S PROACTIVE」、SKYACTIV-G 2.5搭載車が「25S L Package」、SKYACTIV-D 2.2搭載車が「XD」「XD PROACTIVE」「XD L Package」となる。ガソリンエンジン車は2WD(FF)&6速ATの組み合わせのみ、ディーゼルエンジン車は全グレードで2WD(FF)または4WD、6速MTまたは6速ATとそれぞれ選択することが可能。価格はSKYACTIV-G 2.0搭載車がそれぞれ282万9600円、295万9200円。SKYACTIV-G 2.5搭載車は354万2400円。SKYACTIV-D 2.2搭載車は324万円~419万400円。