レビュー

【ナビレビュー】大画面、ストレスフリー、高精度と、三拍子揃ったパナソニックの新型カーナビ「ストラーダ CN-F1X10BHD」

2021年12月 発売予定

オープンプライス

フルモデルチェンジを果たしたストラーダの新モデルCN-F1X10BHD

フルモデルチェンジを果たしたストラーダ Fシリーズ

 パナソニックのカーナビブランド「ストラーダ」。その上級ラインとして誕生したのが2016年に登場した「Fシリーズ」だ。その目玉はフローティング構造により9V型ディスプレイの搭載を可能にした「CN-F1D」だった。その後、2018年にはディスプレイ解像度をこれまでのワイドVGA(800×480ピクセル)からHD(1280×720ピクセル)にアップ。2020年にはディスプレイを10V型に大型化するとともに有機ELパネルを採用と、年々着実な進化を遂げてきた。

 そして、この2021年モデルでは、ついに中身をイチから刷新するフルモデルチェンジを行ったのだ。要は、ハードウェアはもちろんソフトウェアまで一新したってコト。だが、しかし。詳細については「非公開」となっている。このあたりの詳しい内容については過去記事の「パナソニックの新型ストラーダ2021年モデル、HD美次元マップの採用や処理速度の大幅向上など性能進化について開発者に聞く」で詳しく解説されているので、興味がある向きは参照して頂きたい。ただ、記事内ではボカされていたものの、使われているOSは実機をチェックすることで判明。とはいうものの、ハッキリ書いてしまうのはヤボな気がしないでもないので、画像を掲載するだけにとどめておきたい。まぁ、予想通りという感じではあるけれど。

OSも変わった!

 ラインアップは10V型有機EL&Blu-ray対応のフラグシップモデル「CN-F1X10BHD」、10V型有機EL&DVD対応の「CN-F1X10HD」、9V型HD液晶&DVD対応の「CN-F1D9HD」、7V型HD液晶&DVD対応の「CN-HE01D」とワイド2DIN向けの「CN-HE01WD」と全7モデル。有機EL、液晶の違いはあるものの、すべてHD解像度となっている。

大画面ナビを多くのクルマに装着可能!

 今回のレビューで採り上げるのは、フラグシップモデルの「CN-F1X10BHD」だ。ただ、今回の機材は製品版ではないとのこと。今後、若干の変更が加えられるかもしれない。

 ウリの1つとなっているフローティング構造「DYNABIGスイングディスプレイ」は先代モデル譲り。ガッチリとしたシャシーユニットに装着されるのは、HD解像度を持つ10V型有機ELディスプレイだ。一般的にAV機器の装着スペースとしてクルマに用意されているのは、2DIN(180×100mm)と呼ばれるサイズで、そこに収まるのは7V型まで。最近ではより大きなサイズに対応した車種も発売されつつあるものの、汎用性に欠けてしまうのは否めない。そこで、ナビ本体からディスプレイを分離する構造とすることで、約470車種以上と多くのクルマに大画面の10V型を装着可能としたのが、このDYNABIGスイングディスプレイなのだ。

 この機構がスグレモノなのは大画面を実現しただけでなく、ディスプレイの向きを前後は-20°~60°、左右は-15°~15°に調節可能としていること。普通の2DIN一体型ナビだとディスプレイはほぼ正面固定になってしまうけれど、こちらは必要に応じてドライバーや助手席から見やすい位置にセットすることが自由自在。有機ELディスプレイなのでそれほど視野角を気にする必要はないものの、できるだけ正面に近い位置で見た方が自然に見えるのは当然。実際に車内で使って見ると一層そのよさが分かるハズだ。

左右にスイングした時の見え方の違い。数字以上に角度が付く印象だが有機ELディスプレイならではの視野角の広さで見栄えはそのまま
背面のロックレバーを解除することで高さも変更可能
ディスプレイを手前に倒すことでBlu-rayドライブやSDカードスロットにアクセスできる
ディスプレイ上部にハードキーを用意

 そのほか、拡張性の面にも触れておきたい。まずは最近、据え置き型ナビでのトレンドになりつつあるドライブレコーダー(ドラレコ)連携機能。ドラレコそのものの認知度が高くなり装着率もうなぎ登りとあれば、これはごく自然な流れ。スタンドアローンタイプのドラレコでは本体内蔵の小さなディスプレイで設定や映像の確認をしなければならないのに対し、こちらはナビの大画面で同じことができるのだから操作性の違いは歴然。従来からこの機能はあったのだけれども、2021モデルではドラレコ本体が前後同時録画の2カメラタイプ「CA-DR03HTD」に進化。フルHD(1920×1080ピクセル)で撮影し、ナビではHD画質で再生することが可能だ。加えて、設定次第ではリアカメラを走行中に画面に表示することができる。つまり、デジタルインナーミラーのような使い方もできちゃうワケ。これもナビ連動型ならではのメリットだ。

 ナビ連動型といえばETC2.0車載器も要チェック。特に高度化光ビーコン対応の「CY-ET2500VD」「CY-ET2505VD」は、新世代感あふれる連携機能が楽しめるのでオススメ。今回は接続されていなかったため画面は掲載していないけれど、連動ならではのメリットが受けられるイチオシの機能。どんな機能かは2018年モデルの記事「文句なしに美しい液晶と使いやすいナビ機能、パナソニック「ストラーダ CN-F1XVD」高度化光ビーコン対応ETC2.0車載器で信号待ちストレスが大幅軽減」を参照して頂きたい。

ナビ連動型ドライブレコーダーをオプション設定。2カメラタイプのCA-DR03HTDでも本体はコンパクトだ
設定をナビの大きな画面で行なえるため操作がスムーズ
録画データはもちろんリアルタイムの映像も確認可能。リアカメラはデジタルルームミラー的な使い方もできる
前後カメラ映像を同時に表示することも可能
ナビ連動型ETC車載器も用意

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https://car.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1361409.html

ゼロからはじめるカーナビ刷新

 HOMEボタンで表示されるメニューは、同社がコダワリ続けている「ツートップメニュー」を採用。ナビとAVの機能から4つずつ選択できるため、よく使う項目をセットすることでより使いやすくカスタマイズできる。新たにドラッグ&ドロップで項目の入れ替えも可能となった。

ホームボタンで表示できるメニュー。左右にフリックすることでナビとAVの項目を切り換えられる

 新型ではそこに表示される内容も大きく変わった。というのも、描画データがディスプレイにあわせてHD化されたのだ。前述したように2018年からディスプレイ自体はHD解像度だったものの、地図データは従来から使われていたワイドVGA対応のモノを使用していた。せっかくのHDディスプレイが性能を発揮できないとあって、ちょっと残念感が漂っていたのだけれど、フルモデルチェンジに伴ってここにもメスが入れられたのだ。その違いはといえば、実際に見比べてみれば一目瞭然! 分かりやすいように2018年モデルのマップを掲載しておくので確認して欲しい。ただ、2018年版はキャプチャ、2021年版は撮影という違いがあるため若干分かりづらくなってしまっている。とはいうもののそのあたりを差し引いても、どちらがより地図として分かりやすく、そして見やすいのかはいうまでもない。

2021年モデル(左)と2018年モデルの比較。若干縮尺が異なるものの表現力の違いは大きい

 具体的には道路や鉄道といった部分が主張しすぎず、それでいてとても分かりやすい。道路関連や地名などの文字も視認性が上がっており、全体的に目に優しくなった印象だ。3Dは多くの建物が立体的に表示されるとともに、ランドマーク的な建物は形状はもちろんテクスチャも貼って再現。見ているだけで楽しい地図となった。2画面表示も引き続き搭載されており、必要に応じてメニューからカンタンに呼び出すことができる。

 地図表示は、50m以下のスケールは道幅や建物の形状を再現した市街地図表示になる。また、一方通行は25mスケール以下で地図上に表示。画面左にある「+」(詳細)、「ー」(広域)ボタンで表示されるスケール一覧も掲載するが、指操作によるピンチイン、ピンチアウトを使えばもっと細かく調節可能だ。

5m
12m
25m
100m
200m
500m
1km
2.5km
5km
10km
25km
100km
250km

 便利な機能として忘れちゃいけないのがカスタマイズ機能「ストラーダチューン」。「ルート」「ガイダンス」「マップ」「VICS」の4つのメニューから、それぞれのコマゴマとした設定を視覚的に変更することができる。状況に応じてルート探索の条件を変えたり、同乗者の有無で案内をオン/オフしたりと、ナビのヘビーユーザーほど実用的に感じられるハズだ。

画面左の4つ並んだ■はランチャーボタン。ストラーダチューンのようなよく使う機能をセットしておくと便利
選択できるのはルート、ガイダンス、マップ、VICSの4つ。各項目とも細かくカスタマイズできるのが嬉しい
左から道路強調、クラシック、ハイコントラストの地図画面。
左から文字サイズ小、中、大
3D表示。ランドマークタワーや観覧車、奥には横浜ハンマーヘッドとリッチな表示を実現
2D視点でも建物を見事に再現
2画面表示はウインドウタイプ。サブ画面には地図だけではなく映像も表示可能
画面上部のソフトキーはナビボタンのほか時刻や曲名などの表示に切り替えが可能

 地図のブラッシュアップとともに操作方法にも手が加えられている。今までもフリックによるスクロール、2点タッチでの拡大、縮小が可能だったけれど、新たに2点ドラッグで2Dと3Dの変更、そして地図の回転がシームレスにできるようになった。これらの操作レスポンスについてもフルモデルチェンジの恩恵を大きく受けた部分で、地図のHD化によって1画面に表示されるデータ量は大幅に増えているのに、先代モデルを遙かに凌ぐスムーズさ。文章で表すのは難しいのだけれども、あえて書くならサクサクってよりはグリグリって感じ。まさにスマホ感覚でカーナビが操作できるのだ。

ストレスフリーな目的地検索&ルート探索

 目的地検索は名称のほか電話番号、住所、周辺施設、ジャンルなど一般的な方法が網羅されている。絞り込んでいく項目も分かりやすく整理されており、はじめてカーナビを使うなんてビギナーでもそれほど迷うことなく探せるハズ。嬉しいのは駅や大型の施設などに「出入口」や「駐車場」という項目が用意されていること。また、コンビニなどでは駐車場やATMの有無、酒・たばこの取り扱いなどもチェックできる。ピンポイントで待ち合わせ場所だったり目的地だったりに向かうことができるのは便利。

名称検索は50音キーボードを利用
結果表示。候補が多いときはエリアなどで絞り込みが可能
情報表示。電話を接続していれば直接発信できる
出入口や駐車場入口も目的地として用意
多くの出入口がある地下鉄駅もこの通り
駐車場が複数ある飛行場のような施設でも便利だ
周辺施設検索。コンビニの場合は取扱商品などもひと目でチェックできる
ジャンル検索は豊富な施設を網羅している
住所検索はリストから選択していく。右側に頭出し用のタブがあり便利だ

 また、スマホをWi-FiやBluetoothで接続することで、さらなる探索方法もプラスすることが可能になる。まず、Wi-Fi接続で可能になるのが「ボイスサーチ」。文字通り声で検索する方法で、名称や住所のほか、「みそラーメン」など曖昧なジャンル指定でも検索できる。また、目的地検索の定番スマホアプリ「NaviCon」との連携も可能。ナビに収録されていない新らしいスポットを探すなら、こうした方法もあることを覚えておきたい。

スマホを接続すれば音声入力が可能。入力が面倒な長い施設の場合はとくに重宝する

 ルート探索はこれまでは推奨するルートをはじめに探索、複数のルートを探索するときはメニューから選択して実行と2ステップ必要だった。だが、このモデルでは高速化の恩恵で、最初から「標準」「有料優先」「一般優先」「eco」「距離優先」の5ルートを同時に探索。それをもってしても十分に「速い!」と思えるスピードなのだから驚いてしまう。

ルート探索は5ルートを同時に行なう。しかも爆速
【パナソニック】新型ストラーダ(2021年モデル)は標準で5ルート同時探索を行なう

 ルート案内は一般道と高速で表現方法が異なっている。一般道では案内ポイントで交差点拡大図を表示するのが基本。加えて直進する交差点でもレーンガイドがあったり、方面案内看板やイラストによる案内がプラス。従来モデルとは若干表現が変わっているものの、道路が入り組んだ場所でも分かりやすく案内してくれる。一方の高速では右画面にICなどの施設を表示しつつ、JCT(ジャンクション)やIC(インターチェンジ)では大きなイラストで案内を行なう。こちらも分かりやすく、高速道路を走り慣れていない人でも安心だ。

リアルなイラストを使った交差点拡大図。HD化にともなって実写感が高まったように思える
通常の交差点拡大図。細街路を含む場所でも案内してくれる
レーンガイド。緑色で示された交差点のように直進でも表示されるのは安心感が高い
方面案内看板も用意
高速道路では右側にICやJCT、SAなどを文字表示。距離や予想到着時間も表示
分岐では事前にレーンガイドを表示
近づくと大きなイラストを表示する

 クルマで出かける際にはできるだけ避けたいのが渋滞。本機ではナビ単体でもFMアンテナを接続することでVICS WIDEによる渋滞情報が利用できる。混雑や渋滞を矢印で地図上に表示するほか、渋滞を回避するルートを自動的に探索してくれる機能も。さらに関東1都6県では実際に走行しているクルマのデータを利用した「プローブ情報」も活用。従来のVICSでは対応していなかった道路にも渋滞情報が表示されるようになった。また、同社独自の機能として、交差点でレーン別に渋滞状況を表示する機能も搭載。上手に活用すればドライブ時のストレスを軽減できそうだ。

実線矢印がVICS、白抜き矢印がプローブ、点線が統計情報による渋滞表示
レーンガイド下に表示されているのは進行方向別の渋滞状況。
ナビ本体のみでも渋滞回避ルートの案内が可能

 そのほか、表示関連では道路標識をベースにした一時停止や合流、指定方向外進行禁止などの情報を収録。該当の場所を通過する際に大きくポップアップして注意喚起してくれる。もうちょっと控えめでもいいんじゃないかな? という気がしなくはないけれど、地図をずっと見ているわけではないし、数秒で消えてしまうので目立つぐらいの表示でOKなのかもしれない。

注意喚起の標識情報。不必要な場合はストラーダチューンのガイダンス項目で拡大表示をオフにすることができる

ステップアップを果たした自車位置精度

 精度の向上も2021年モデルの特長としてうたわれている部分。衛星に関してはGPSに加えて準天頂衛星「みちびき」の複数基受信に対応したほか、一般道の標高データを採用するなどロケーションシステムの精度を向上することで自車位置のズレを低減しているという。

QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)が「みちびき」。取材時もしっかりと活用されていた

 まずは高さの判別がキチンとできるかどうかをチェックしてみた。テストポイントは地面レベルの一般道と高架の都市高速が上下に併走している部分で、都市高速の入口と出口を利用して移動を判断できるか否かを確かめた。これは自車位置測位をGPSに頼っているスマホやポータブルナビ(いわゆるPND)が苦手とするシチュエーションだ。結果はといえば、どちらも問題なく走行している道路を判別してくれた。もう1パターンは一般道のアンダーパスやオーバーパスの認識だ。テストポイントに選んだのはいくつもの交差点をスルーする長いアンダーパス。途中の交差点で曲がるルートを引き、あえてアンダーパスに入ってみると……、少し走ったところでリルートを開始。見事に交差点をスルーして目的地へと導いた。

一般道から高速へ。合流付近で高速を認識してリルート
高速から一般道へ。こちらも地上の合流部で認識
アンダーパスのテスト。これか当初のルート
アンダーパスを認識してリルート
しっかりアンダーパスを越えた先の交差点を使って目的地に向かっている

 そして最後は地下駐車場。これは場内での自車位置というよりは、出口で正確な位置が示されることが重要になる。というのも、例えば目的地へルートを設定していても出口位置が違っていると、実際は右折しなければいけないのに左折の案内をしてしまい大きく迂回するハメに……、なんてことが起こってしまう。複数の出口がある駐車場でも、ここは重要なポイントになる。ただ、地下では衛星からの電波を受信することができないため、ジャイロセンサーなどを用いた自律航法の正確さが要求される。この性能が悪いと場内を進む際に周囲の道路にマッチングしてしまうなどにより自車位置が正確な位置から外れ、それを繰り返すことでどんどんズレが増幅されていく。そして最終的にはまったく別の場所を示してしまうことになるワケだ。ちょっと前置きが長くなってしまったけれど、結果は文句ナシにハイレベル。従来モデルではブレが見られたものの、今回はキレイに走行位置をトレース。出口では正確な位置を示してくれた。また、テストルートには入っていないものの、トンネルも同様のシチュエーション。別の取材時に長いトンネルやトンネル内の分岐を走ってみたところ、まったく問題なく正確な自車位置を示してくれた。

周囲の道路にマッチングすることなく自車位置を表示。出口もピッタリ

 従来モデルも据え置き型ナビらしい精度を持っていたけれど、新型はそこから一段ランクアップした印象を受けた。特に一般道のアンダーパスなどは都市部だけでなく、郊外のバイパスなど郊外でも多いシチュエーションだけに、初めての場所でも安心してドライブすることができそうだ。

 そんな精度の高さも正確な地図がなければ宝の持ち腐れになってしまう。そのため、地図の「鮮度」が重要になる。F1系モデル(CN-F1X10BHD、CN-F1X10HD、CN-F1D9HD)では地図の無料更新が利用できるため、購入したならぜひ利用したい。市街地図まで含めた全地図更新が発売から3年間に1回、部分地図更新は最大3年間(6回/年)可能となっている。パソコンを使ってデータをダウンロードする必要はあるけれど、タダでできるのだから活用しないテはない。

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AV機能もさらに充実

 フラグシップモデルだけにAV関連の機能も充実している。なかでも一番のポイントはやはり有機ELディスプレイ。コントラスト比や色再現性の高さ、視野角の広さなど車載用のディスプレイとしては特上モノ。直射日光が当たるようなシチュエーションでも白浮きすることなく、美しい映像を提供してくれる。対応ソースの幅広さも嬉しい部分で、ざっくり羅列していくとBlu-ray/CD再生、フルセグ地デジ、Bluetoothオーディオ、ハイレゾ(FLAC/WAV)再生、USB/SDカードからの動画や音楽、画像再生などなど。もちろんiPhone/iPodを接続しての音楽や動画再生にも対応している。さらにHDMI入出力端子も装備しているので、スマホから映像再生したり、動画を外部モニターで再生したりなんてこともOKだ。

 サウンド面では音のプロがチューニングしたセッティングが楽しめる「音の匠」がパワーアップ。新たに「サラウンド」が追加され、臨場感溢れるサウンドが楽しめるようになっている。高音質オペアンプの採用などハードウェア面でも進化しており、クオリティの高いサウンドが楽しめる。

Blu-rayを再生中。HD解像度の有機ELディスプレイはさすがの美しさ
HDMI入出力端子とUSB端子を装備
USBメモリなどに記録した音楽が再生できる。FLACファイルを再生してみたが見た目には分からない
音の匠は新たにサラウンドを加えた3タイプからチョイスが可能に。効果もLOW、MID、HIGHの3段切り替え
イコライザーやフェーダーを用意
出力レベルやディレイも細かく調整することができる

まとめ

 DYNABIGスイングディスプレイと有機ELディスプレイの採用などにより、ひと足先にハイレベルな映像再生環境を実現していたストラーダ。2021年モデルは少し置き去りにされていた感のあるナビゲーション面を大幅に進化させた。正直、そのパフォーマンスには驚くばかりで、地図操作はもちろん目的地検索やルート探索でも、まったくストレスを感じることなく操作することが可能となっている。「速さこそ正義」を改めて思い知らされた感じだ。なかなか伝えにくい部分ではあるものの自車位置精度の面でも進化を遂げているなど、これまで気になっていた部分を着実に底上げしているように感じられた。

 大画面ならではの迫力、ストレスフリーなナビまわり、そして据え置き型ナビならではの精度と、まさに三拍子揃った新ストラーダ。この冬イチオシのカーナビであるのは間違いない。

安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。