深田昌之のホンダ「N-VAN」で幸せになろう
第5回:ジョルカブ積んで檜原村へ行く
2019年3月1日 00:00
「N-VAN」を買う気になった理由はいくつもあるけど、その1つに「バイクを積みたい」というのがあった。
高校生時代はバイクブームのまっただ中だったので、自分も400ccのバイクを所有していた。クルマに乗るようになってから1度バイクは手放したが、人が乗っているのを見ると欲しくなる。それにバイクは直したり手を入れたりするのも好きだったので、買っては手放し、また買ってということを繰り返し、飛び飛びではあるがバイクが手元にある環境だった。
でも、あるときから気軽に乗れて荷物も運べ、走ってもそれなりに楽しいスクーターに興味を持ち、以降、国産から輸入スクーターなど何台か乗り継いだ。そしてスクーターの便利さに加えて「機動性のよさ」も求めるようになって原付き2種のスクーターが好みになり、現在は2台を所有している。
都内への移動に使ったり、日帰りで飛行機移動の時などは羽田空港までの足としても乗る。週末、クルマ用の駐車場に列ができていても2輪用スペースはたいてい余裕があるのでかなり重宝している。また、たまに自宅から100kmちょっとの距離感でツーリングに行くこともあるのだけど、小まわりの効くスクーターなら大きなバイクでは入る気がしない細い道にもドンドン行ける。それにちょっと立ち寄りたいところを見つけたときに止める場所に苦労しないなど、原付きスクーターならではの魅力にハマっている。
でも、そんな原付きスクーターにも弱点がある。それは高速道路に乗れないこと。高速道路が使えないと行動範囲は限定されるし、丸1日、下道を走るのは正直疲れる。
そこで以前から考えていたのがクルマとの組み合わせだ。クルマに積んで現地まで行き、現地で降ろしてスクーターでまわりたいところだけ走るというもの。これなら行動範囲も大幅に伸びるし、スクーターの利点である機動性のよさも生きる。それに2輪と4輪では事故に遭う確率も違うので、身を守る意味でも有利になる。
ということで、原付きスクーターを積むのに具合がいいクルマを探していたところ、登場したのがN-VAN。見た瞬間「あ、これ買うヤツだ」となったわけだ。
今回は「N-VAN+スクーター」の話を紹介させてもらう。目的地にしたのは都内から2時間あれば行ける東京都檜原村。以前からスクーターツーリングで何度か来ているところで、撮影した時期(2月上旬)は村にある「払沢の滝」という滝が氷瀑することでも有名だ。
最初からバイクを積むつもりだったので、N-VANには純正アクセサリーの「ラゲッジマット TPOタイプ」を付けておいた。このマットは助手席の背面もカバーするので、助手席までダイブダウンさせた状態で荷物を積む人向け。価格は1万260円だ。
ただ、TPOタイプと言うくらいなので、使用にはひと手間必要。購入したままの状態ではリアシートをカバーする面が左右でつながっているので、片側だけシートをダイブダウンさせると、倒した方のシートからカバーが外れてしまう。
そこで2分割して使いたいときは、カバーにカッターなどで切れ込みを入れる必要がある。カバーには切れ込みのスタート地点とゴール地点に目印になる穴が開いているので、長い定規などを穴と穴を結ぶように置いたあと、カッターで切っていけば真っ直ぐに切れる。
このカバーを敷いておくと、荷物を積んだり土足で乗り込んだりする時もシート背面やラゲッジスペースの床材の保護になるので、物を積むことが多いN-VANオーナー向きだ。
N-VANは低床だが、それでもスクーターを積むとなると高さを感じる。積み込みが上手い人ならまるで問題ないのだろうが、不慣れな自分は少しでも負担を減らしたい。また、N-VANは助手席側にバイクを寄せて積むので、搭載時に車体を支える立ち位置が日ごろ押し歩きするときと逆の右側になる。そのためちょっと押しにくい気もするので余計にサポートがほしい。
そこでホームセンターに行き、具合のよさそうなものを探したところ、見つけたのが耐荷重80kgの樹脂ボックス。踏み台としてもちょうどいい大きさで耐荷重も問題ない。
また、普段はバイク固定用のタイダウンベルトなどをしまっておけるので使い道も広い。これしかないということで購入。そして使ってみると完璧。積むとき、降ろすとき、どちらも踏み台があると安心感が高く、なにより楽だ。
なお、積み込み用のラダーレールはDRCというメーカーのもの使っている。これはフレームがアルミ製で軽く、ラダー部が樹脂なので車体に掛かる部分で内装パーツを傷めずに済む。それに買ったものは2つ折りタイプなので、折りたたむと比較的コンパクトになるのも利点。N-VANにはいろいろ条件が合うので、N-VAN用ラダーを買うならこれを勧める。
N-VANの助手席側は、シートをダイブダウンすると2.5mほどの室内長さが取れるので、載せようと思えば助手席側いっぱいになるくらいのカウル付き大型バイクまで積むことができる。
でも、視界に関する車検時の基準では「直前側方視界基準」というのがあって、「クルマの前面及び左側面に接する高さ1m、直径0.3mの円柱(6歳児を模したもの)を直接、もしくはミラーなどで視認できること」というのがある。これをクリアできていないと真横に小さい子供がいても見えないということなのでかなり怖い。バイクに限らず、助手席をダイブダウンして荷物を積む際はこの視界の基準も気にしてほしい。
さて、檜原村に話を戻そう。今回はとくに予定していたわけではなく、突発的に「行こう」と思って出かけた。まわる先もとくに決めていなかったが、檜原村には有名なおそば屋さんや、お豆腐屋さんが作る「うの花ドーナッツ」などがあるので、それは食べたいと思っていた。
また、2018年の同じころは東京に大雪が降って、そのとき冬期の寒さで滝が凍る「氷瀑」で有名な払沢の滝が“完全氷瀑+雪が積もる”という滅多にない状態だったので、それを見に行っていた。今年は暖冬で氷瀑しなかったが、払沢の滝は好きなのでそこもまわることにした。
ただ、檜原村にはコインパーキングの類がなく、空き地があってもほとんどが私有地なので、意外とクルマを駐める場所がない。そこで檜原村役場の観光商工係に檜原村観光時に駐めておける駐車場を訪ねたところ、村営駐車場を紹介してくれたので、そこにN-VANを停めさせてもらうことにした。
行ったのが平日だったので、村営駐車場は空いていた。N-VANを駐めてリアゲートを開け、ジョルカブを降ろす。これがやりたかったので、この時点でにやける。そして準備をして「N-VANはお留守番~」なんてヘルメットの中で言いながら、ご機嫌で走り出す……。が、戻ってきた時は「くそぅ、また来るぜ」となっていた。その理由は写真で紹介するが、まぁ、それでも檜原村のプチツーリングは楽しかった。東京近郊の方で檜原村に行ったことないという人は、1度行かれてはいかがでしょう。