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ホンダ、新型軽貨物車「N-VAN」が生まれた背景、魅力について開発責任者が語る発表会

N-VANの魅力をアップさせるホンダアクセス純正アクセサリー装着車も展示

2018年7月12日 開催

新型軽貨物車「N-VAN」の発表会で登壇した株式会社本田技術研究所 N-VAN開発責任者の古館茂氏(左)と本田技研工業株式会社 執行役員の鈴木麻子氏(右)

 本田技研工業は、7月13日に発売する新型軽貨物車「N-VAN(エヌバン)」の発表会を都内で開催した。

 この発表会は、プレゼンテーションスタイルで行なわれる一般的な新車発表会とは趣を変え、N-VANに関わる主要人物によるトークセッションスタイルとなっていた。登壇者は本田技研工業 執行役員の鈴木麻子氏と本田技術研究所 N-VAN開発責任者の古館茂氏の2人。なお、司会進行はフリーアナウンサーの進藤晶子さんが務めた。

発表会はトークセッション形式で実施
本田技研工業株式会社 執行役員 鈴木麻子氏(右)と株式会社本田技術研究所 N-VAN開発責任者の古館茂氏(中央)の両氏からN-VANについて語られた
司会進行を務めたフリーアナウンサーの進藤晶子さん
本田技研工業株式会社 執行役員 鈴木麻子氏

 まず、Nシリーズに貨物自動車をラインアップした理由を鈴木氏が語った。鈴木氏は「Nシリーズはつい先日、シリーズ合計で200万台を達成致しました。とくに第2世代の『N-BOX』は“N for Life”というものをスローガンにキャンペーンを展開してまいりました。そして今、ワークライフバランスという言葉がありますが、考えてみますとワークというのはライフの中で非常に重要な位置を占めています。それだけに、生活の中の大切な一部である仕事でもNシリーズのよさを実感いただける、安全で快適な商品を作っていけるのではないかということから、商用車として“N for Work”を目指して開発してきました」と、大ヒットしているNシリーズにN-VANを加えた理由を語った。

 さらに「女性や高齢者の方も働く機会が増えています。そういった方がお仕事でクルマを使う際には、物がたくさん積めることも大事ですが、やはり疲れなくて安全で快適で、仕事の時間そのものが楽しめるような、そういったニーズが増えていると思っています。また、若い人たちも仕事を生活の一部として捉えて、クルマ選びにも妥協しないという方が増えています。それが今の時代ではないかなと考えています」と鈴木氏は付け加えた。

仕事の中でN-VANのよさを実感してもらうことを目指して開発したとのこと
株式会社本田技術研究所 N-VAN開発責任者の古館茂氏

 続いては開発責任者の古館氏がマイクを握った。古館氏は初代N-BOXの開発にも携わっていた人物だが「N-VANの開発責任者の指名をもらったときはプレッシャーを感じた」という。しかし、「使命の重さも感じましたが、新しいことができるのではないかという期待もあり、これはチャレンジしてみようという気持ちが浮かびました」とのこと。

 N-VANの開発は、2017年9月に発売されたN-BOXと同時にスタートしていたが、開発陣の誰もが軽バンを使う仕事を経験したことがなかった。そのため、開発に必要なアイデアが不足していたので、実際にクルマを使って働く人の声を数多く聞いたという。このリサーチでは、やはり貨物車なので荷物がたくさん積めることを重視している人が多かったとのこと。

 そのほかにも、商用車はシートがチープなので乗っていると疲れるなど、貴重な意見が聞けたという。そういった意見を取り込み、N-VANでは「できるだけ大きな四角い空間を作ろうと考えました。天井は高く、そして床は低くです。そして運転席を乗用タイプのシートとすることで、広い荷室の中に人がいるべきスペースをしっかりと加えた作りにしました」と古館氏は解説した。

助手席をダイブダウンさせて荷室化させることができるので、そこへのアクセスを容易にするためピラーレス構造を採用。ボディ側にピラーはないが、構造自体はドア内部にピラーが入っているので安全性は十分に確保している
室内空間に関する古館氏のトーク資料

 次に走りについて。「荷物をたくさん積んだ状態でしっかり走れ、さらに運転がしやすいことを追求しました。また、走りのよさに加えて静粛性を持たせています。エンジンはN-BOX用のものをベースに開発し、トランスミッションは無段変速のCVTを採用したことで走りが非常にスムーズになり、低燃費にもなりました。MTの設定もあり、こちらは6速化することで、エンジン回転数の上昇を抑えつつ静粛性を高めることを行なっています。そして現代では商用車にも安全運転支援システムを標準装備するべきだということから“Honda SENSING”を搭載しています」と解説。

走りについてのトーク資料
乗用車ではスペアタイヤを標準装備しない車両も増えているが、商用車はニーズが高いということで搭載。ただ、N-BOXをベースとしているのでスペアタイヤを積むスペースはない。そこでリアフロア下にスペースを作り、タイヤの取り出しのためにバンパーに分割機能を持たせている

 N-VANには、機能性を重視する「G」と「L」のグレードの他に、「+STYLE FUN」と「+STYLE COOL」があるが、これについて古館氏は「軽バンを使う仕事には、オシャレなライフスタイルを提供するお店もあります。そのようなところでは店内のレイアウトや看板などで特徴を表現していますが、N-VANはスタイルもいいクルマなので、こちらもお店を表すためのツールとして使ってほしいです。そこで、バンという道具であることに加えて『スタイル』や『クール』という要素をプラスする意味で、+STYLE FUNと+STYLE COOLというバリエーション展開にしました」と語った。

 さらに鈴木氏からも「+STYLE FUNと+STYLE COOLは、個人ユーザーの方が“自分だけの1台”を作るのにも適してます。Webサイトでは事前にこの2車種を紹介させていただきましたが、それを見た方の反響としては、車中泊や釣りなどいろいろな趣味で使いたということをいただいています」と付け加えた。

仕事や趣味でも使えるN-VANは、乗る人ごとにさまざまなアイデアが生かせるクルマ。そこでホンダでは、N-VANを活用するアイデアを募集する「アイデア募集企画」を開催。詳細は専用Webサイト「あなたの夢を叶えよう #NVAN_Dream」を参照

 トーク終了後は、別スペースに用意されていたN-VANの実車、およびホンダアクセス製の純正アクセサリー装着車の見学時間となった、記事の後半はそれらの車両を写真で紹介しよう。ただ、会場が暗く、照明がスポット的にあたっている状況で、明暗が激しく影も強く出てしまっているので見えにくい部分もあるが、そこはご了承いただきたい。

N-VAN +STYLE FUN・Honda SENSING。ボディカラーはガーデングリーンメタリック
N-VANの特徴であるシートアレンジ。助手席まで倒すと助手席側の室内長は2560~2635mmとなる
助手席は背もたれのみを前倒しすることもでき、休憩時にはテーブルとしても使える
リアシートに座れる状態でも広い荷室スペースがある。白い袋はA4資料が入る39cm長の手提げ袋
ホンダアクセス製の純正アクセサリー装着車。車中泊をイメージした装備でラゲッジボードを装備。フロアから1段高いところにベッドが作れて、ボードの下は収納スペースになる。天井やリアピラーにも収納を設けている
N-VANの特徴的なオプションが外部電源入力キット。ケーブルは専用品が付属。車内には1500Wのコンセントが1つ用意される。価格は3万6720円
本革製のステアリングホイールカバー。本革製シフトノブもあり、これらを装着すると運転席まわりの質感が向上する。ステアリングホイールカバーが9720円。シフトノブが6480円
ルーフコンソール。中央部にはポケットが付く。価格は1万7820円
スチールインテリアパネル。マグネットが付くのでメモや伝票をまとめるのに便利。ステンレス製だ。価格は5400円
純正アクセサリーのETC車載器はステアリングコラム下にレイアウト。ベーシックなETC音声ガイドタイプからETC2.0ナビ連動タイプまで揃う
N-VANの車名ロゴをボンネットに追加するフードエンブレムは6480円。ホワイトのフロントグリルは1万9440円。バンパーコーナーガーニッシュは1万9440円。バンパーセンター下部に貼ってあるのはデカール・メタル調で価格は1万800円
ドアハンドルプロテクションカバー。クロームメッキ仕上げ。価格は5400円。
フォグライト装着車。LEDとハロゲンの2種類があり、LEDはクリアが4万9680円。イエローが5万1840円。ハロゲンはクリア、イエローとも3万6720円
2m超えの脚立を積んだ例。ルーフキャリアは3万2400円
フロアに敷いてあるのはラゲッジマット(TPOタイプ)。助手席までカバーして、装着したままのシートアレンジが可能。価格は1万260円
ラゲッジアシストポール。ポールは着脱可能。価格は4万1040円
有孔ボード。運転席側用と助手席側用があり、各1万1340円
標準で空いているユーティリティナットに付けるユーティリティフック。ノブタイプは1620円
同じくユーティリティフック。Dリングタイプは3780円。許容荷重はともに1.5kg
車内側に取り付けるタイプのリアアンダーミラー。価格は6480円
ハンガーなどが掛けられるテールゲートバー。長さは約74cm、許容荷重は4kg。価格は9720円
助手席前の簡易テーブル。使用しないときはシートバックポケットなどに収納できる。価格は1万4040円
移動販売車のサンプル車も展示。小物の中にホンダジェットの模型と、ホンダの耕運機「F90」とオリジナルキャラクター「みのり」の模型もあった

【お詫びと訂正】記事初出時、登壇者の氏名の表記などに誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。