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ホンダ、新型軽貨物車「N-VAN」が生まれた背景、魅力について開発責任者が語る発表会
N-VANの魅力をアップさせるホンダアクセス純正アクセサリー装着車も展示
2018年7月13日 15:48
- 2018年7月12日 開催
本田技研工業は、7月13日に発売する新型軽貨物車「N-VAN(エヌバン)」の発表会を都内で開催した。
この発表会は、プレゼンテーションスタイルで行なわれる一般的な新車発表会とは趣を変え、N-VANに関わる主要人物によるトークセッションスタイルとなっていた。登壇者は本田技研工業 執行役員の鈴木麻子氏と本田技術研究所 N-VAN開発責任者の古館茂氏の2人。なお、司会進行はフリーアナウンサーの進藤晶子さんが務めた。
まず、Nシリーズに貨物自動車をラインアップした理由を鈴木氏が語った。鈴木氏は「Nシリーズはつい先日、シリーズ合計で200万台を達成致しました。とくに第2世代の『N-BOX』は“N for Life”というものをスローガンにキャンペーンを展開してまいりました。そして今、ワークライフバランスという言葉がありますが、考えてみますとワークというのはライフの中で非常に重要な位置を占めています。それだけに、生活の中の大切な一部である仕事でもNシリーズのよさを実感いただける、安全で快適な商品を作っていけるのではないかということから、商用車として“N for Work”を目指して開発してきました」と、大ヒットしているNシリーズにN-VANを加えた理由を語った。
さらに「女性や高齢者の方も働く機会が増えています。そういった方がお仕事でクルマを使う際には、物がたくさん積めることも大事ですが、やはり疲れなくて安全で快適で、仕事の時間そのものが楽しめるような、そういったニーズが増えていると思っています。また、若い人たちも仕事を生活の一部として捉えて、クルマ選びにも妥協しないという方が増えています。それが今の時代ではないかなと考えています」と鈴木氏は付け加えた。
続いては開発責任者の古館氏がマイクを握った。古館氏は初代N-BOXの開発にも携わっていた人物だが「N-VANの開発責任者の指名をもらったときはプレッシャーを感じた」という。しかし、「使命の重さも感じましたが、新しいことができるのではないかという期待もあり、これはチャレンジしてみようという気持ちが浮かびました」とのこと。
N-VANの開発は、2017年9月に発売されたN-BOXと同時にスタートしていたが、開発陣の誰もが軽バンを使う仕事を経験したことがなかった。そのため、開発に必要なアイデアが不足していたので、実際にクルマを使って働く人の声を数多く聞いたという。このリサーチでは、やはり貨物車なので荷物がたくさん積めることを重視している人が多かったとのこと。
そのほかにも、商用車はシートがチープなので乗っていると疲れるなど、貴重な意見が聞けたという。そういった意見を取り込み、N-VANでは「できるだけ大きな四角い空間を作ろうと考えました。天井は高く、そして床は低くです。そして運転席を乗用タイプのシートとすることで、広い荷室の中に人がいるべきスペースをしっかりと加えた作りにしました」と古館氏は解説した。
次に走りについて。「荷物をたくさん積んだ状態でしっかり走れ、さらに運転がしやすいことを追求しました。また、走りのよさに加えて静粛性を持たせています。エンジンはN-BOX用のものをベースに開発し、トランスミッションは無段変速のCVTを採用したことで走りが非常にスムーズになり、低燃費にもなりました。MTの設定もあり、こちらは6速化することで、エンジン回転数の上昇を抑えつつ静粛性を高めることを行なっています。そして現代では商用車にも安全運転支援システムを標準装備するべきだということから“Honda SENSING”を搭載しています」と解説。
N-VANには、機能性を重視する「G」と「L」のグレードの他に、「+STYLE FUN」と「+STYLE COOL」があるが、これについて古館氏は「軽バンを使う仕事には、オシャレなライフスタイルを提供するお店もあります。そのようなところでは店内のレイアウトや看板などで特徴を表現していますが、N-VANはスタイルもいいクルマなので、こちらもお店を表すためのツールとして使ってほしいです。そこで、バンという道具であることに加えて『スタイル』や『クール』という要素をプラスする意味で、+STYLE FUNと+STYLE COOLというバリエーション展開にしました」と語った。
さらに鈴木氏からも「+STYLE FUNと+STYLE COOLは、個人ユーザーの方が“自分だけの1台”を作るのにも適してます。Webサイトでは事前にこの2車種を紹介させていただきましたが、それを見た方の反響としては、車中泊や釣りなどいろいろな趣味で使いたということをいただいています」と付け加えた。
トーク終了後は、別スペースに用意されていたN-VANの実車、およびホンダアクセス製の純正アクセサリー装着車の見学時間となった、記事の後半はそれらの車両を写真で紹介しよう。ただ、会場が暗く、照明がスポット的にあたっている状況で、明暗が激しく影も強く出てしまっているので見えにくい部分もあるが、そこはご了承いただきたい。
【お詫びと訂正】記事初出時、登壇者の氏名の表記などに誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。