深田昌之のホンダ「N-VAN」で幸せになろう
第19回:プライバシーシェードを張って自宅前車中泊でキャンプ気分
2020年5月1日 08:50
N-VANオーナーにはオートキャンプや車中泊を楽しむ人も多いが、車内で就寝する際には外からの視線は遮りたいもの。また、決めた時間までぐっすりと眠りたい人(筆者も)にとっては窓から入ってくる夜明けの光が気になるところだ。そこで窓に目張りをするわけだが、N-VANには「プライバシーシェード」(3万1900円)という商品名の純正アクセサリーが用意されているので、今回はプライバシーシェードの使用感を紹介していこう。
さて、そうはいっても原稿を書いているこの時期は、新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言の真っ最中なので、どこかのキャンプ場に行って試すというのは無理。そこで自宅駐車場で撮影を行なって、せっかくなので夜はN-VANで寝てみることにした。
ホンダアクセスが発売するプライバシーシェードは遮光性の高い薄手の生地を使ったもので、色は車外に向く面は黒、室内向きの面は白だ。構成はフロントウィンドウと運転席窓・助手席ウィンドウまでが繋がった「フロントプライバシーシェード」、左右スライドドア用の「セカンドプライバシーシェード」×2点、左右クォーターウィンドウ用の「クォータープライバシーシェード」×2点、そしてリアウィンドウ用の「リアプライバシーシェード」の6点となっている。
ウィンドウへの装着は主に付属の吸盤で行なうのだけど、運転席と助手席のシェードはウィンドウガラスへの貼り付けではなく、窓上の内張りに面ファスナーを使用して吊り下げるようになっているので、他と比べて装着が若干面倒でもあった。そのため、最初はここの造りに「?」が付いていたが、取り付け確認のために開いた純正アクセサリーカタログを見て納得した。
N-VANの純正アクセサリーには、運転席と助手席のガラスを開けた状態で駐車している時に虫などが入ってこないようにするための「フロントウィンドウメッシュ」という便利なアイテムがあるのだが、これをプライバシーシェードと併用できるよう、開ける可能性のある運転席と助手席のことを考慮し、ウィンドウ部分のみ面ファスナーで内張りに貼り付ける仕組みになっているということだ。装着に関しては吸盤式の方が楽な印象だけど、これからの季節の使用を考えると、シェードを付けた状態でもウィンドウガラスを開けられるメリットは大きいのではないだろうか。
プライバシーシェードの装着は慣れれば10分程度で完了する。そして肝心の遮光性も十分。シェードとウィンドウの隙間から漏れる光は多少あるが、筆者の印象では気になるものではなく、すべてのウィンドウを遮光した車内はちゃんと暗い。それにリアウィンドウやクオーターウィンドウ、スライドドアのウィンドウについては「ウィンドウの下側」から光が漏れないよう、多少下側にシェードを取り付けることで寝転んだ視線での暗さをよりしっかり確保できるのだ。
また、晴天の日でもシェードを付けた状態だと日差しが入らない分、室内温度が上がりにくく、日陰側のドアを開けておけば室内はかなり涼しい感じをキープできる。それだけに、日差しを遮る場所がないキャンプ場などでは日中のシェルターにもなり、日光を当てたくない食材の保管場所としても使えるだろう。
夜が更けて自宅からN-VANに移動。マットと寝袋、さらに毛布も運び込んで車中泊の準備をする。この時期は夜でも厚手の上着さえ羽織っていれば外にいても寒さは感じない。そこでせっかくなので、テーブルとイスを出してコーヒーを飲んでみた。筆者の自宅付近は商店や工場がない住宅地なので、もともと夜は静かだが、この状況でいつもより走るクルマの台数が少ないので深夜帯はなおさら静か。音の環境だけなら郊外でのアウトドアシーンと変わらない感じだ。
ただ、ご近所さんにはもう就寝してるところもあるため、多少でも音が出てしまう調理はNG。お湯を沸かす程度に控えておいたが、自宅待機が続いていたので、夜に屋外に出てクルマの脇でコーヒーを飲むということだけでもリフレッシュになった。
そしてゴソゴソとN-VANの中に移動して寝袋に入る。プライバシーシェードは太陽光もしっかり遮光していただけに、すぐそばに街灯があっても室内は真っ暗。これならよく寝られそうだと思っているうちに寝落ちしていた。
ハッと目が覚めると、シェードの隙間からは光が差し込んでいた。日差しの強さから夜明けごろではないだろうと思いつつ、スマートフォンで時刻を確認するとすでに9時を過ぎていた。実はこの日、朝の8時過ぎごろには可燃ごみの収集車が来ていたはずなので、それなりに騒々しい時間はあったはずだけど、それにも気付かず寝ていたのだった。
これには正直驚いた。夜が明ければシェードと窓の隙間から入る光で多少なりとも眠りが浅くなり、収集車や作業する人の声で起きるだろうと予測していた。しかし、どれもスルーして熟睡できたぐらい、プライバシーシェードの遮光性は十分な効果があった。
今回、車中泊の目線からプライバシーシェードを紹介してみたが、デイキャンプの時でも室内に日陰を作っておけば何かと便利だし、駐車した室内で何か作業をする時も日陰の方が都合がいいことも多いので、車中泊をしない人でもシェードを持っておくのはアリだろう。
トランクネットで作る空間のネット棚
室内に関する話になったので、ついでにもう1つ筆者が使って便利だと思っているアイテムを紹介させてもらおう。それはラゲッジスペースに置いた荷物がずれないようにするトランクネットだが、筆者はこれをテールゲートとルーフインナーパイプの間に張ることで、テールゲートを開けた時に荷物を置いておける「ネットの棚」として使っている。
使用したトランクネットはインターネット通販で購入したノーブランド品で、サイズは115×60cm。これを写真で載せたような方法でセットすると、テールゲートを開けた状態では「棚」のように使えるので、リア側から荷物の出し入れをする時に手に持った荷物などを一時的に置く場所に使える。そしてテールゲートを閉めるとネットに適度な弛みが生まれて袋状になるので、閉めた状態でも物入れとして機能する。また、今回紹介したような車中泊においては着替えなどを置く場所としてもちょうどいいのだ。
というネット棚、考案者としては縦の空間が広いN-VANの特徴を生かした積載性向上のナイスアイデアだと思っているのだけど……、どうでしょう。