深田昌之のホンダ「N-VAN」で幸せになろう
第22回:N-VAN、初めての車検を受けてきた
2020年7月31日 00:00
軽貨物の車検有効期限は2年なので、2020年はN-VANを早期に購入した人にとって初めての継続検査(以下、車検)が来る年である。そして筆者のN-VANも、2018年の発売早々に納車されているので8月半ばに車検満了日を迎える。
いまどきだと業者に出さず、自ら軽自動車検査協会にクルマを持ち込むユーザー車検を行なう人も多いだろうし、整備工場やガソリンスタンドなどでも受け付けているので、車検を通すための選択肢は多いのだが、筆者は普段の整備もお願いしているホンダカーズに出すことにした。でも8月の半ばといえば世間的に夏休みで、記憶では納車の際も盆休みが影響していた気がするので、事実上、8月初旬がリミットと言える。ただ、車検は満了日のひと月前から受けられるので、少し早めの7月後半に検査の予約を入れておいた。
N-VANの車検費用は以前も取り上げたことがあるけど、今回は本番ということで改めて紹介しておこう。
まずは法定費用(諸費用とも呼ぶ)は重量税が5000円、自賠責保険が2万1140円、印紙代が1100円の合計2万7240円。法定費用は検査に入る前に現金で支払うことになっているので、検査当日、クルマを持ち込んだときに支払うのが一般的である。そして法定費用と一緒に用意しておくのが今年分の納税証明書、それに有効期限が残っている車検証と自賠責保険証も必要なので、忘れずにクルマに積んでおくこと。
次に車検に出す際のクルマの状態だけど、不正改造はさておき、例えばフロントガラスの運転席側に飛び石傷があったり、バルブ類の球切れやLEDの劣化などがあっても車検では不備とされる。
とはいえ、そういった部分は普段の点検でチェックできることなので、直前になって慌てることにはなりにくいのだが、ホンダカーズのサービスフロントの方によると、軽貨物車の車検時には独特の「うっかりミス」があるという。それが助手席ヘッドレストの付け忘れだ。
保安基準には運転席と助手席のヘッドレストは必ず装着してあることが定めてあるけど、軽貨物車は助手席を前倒してテーブル的に使えるような機能が付いていることが多いし、N-VANでは助手席を完全に倒した車中泊仕様やトランポ仕様にしていることもある。そしてこの機能を使うときは構造的にヘッドレストを抜くのだけど、普段からそういう使い方をしていると、車検に出す際にヘッドレストを付け忘れてしまうというミスが起きるのだ。
だけど前記したように助手席のヘッドレストがない状態では車検に通らない。販売店の工場なら取りに戻ってくるまで検査を待つことも可能だろうけど、ユーザー車検でやってしまうと予約時間に間に合わなくなって、1日を棒に振ることにもなりかねない。こういったうっかりミスを防ぐためにも、車検を受ける前はシートアレンジなど、変更できる部分を標準状態に戻しておくことをお勧めする。
なお、2列目シートにも着脱できるヘッドレスト的なパーツがついているが、これは「リアピロー」と呼ぶ背もたれの延長パーツという扱いであって、ヘッドレストではない。そのため、「+STYLE」を含め、2列目シートはリアピローを外していたり、シートを倒した状態のままでも車検には問題がない。
筆者のN-VANは2年で約3万3000kmと走行距離はそこそこ伸びているが、無料点検を含めて車検までの間に5回の点検を受けているし、短いサイクルでオイル交換も行なうなどサービス工場への入庫回数は多め。その甲斐あってか車検前の点検でとくに問題になる点はなかったし、消耗品であるブレーキの摩材もフロントパッドの残量が7mm(新品は約10mm厚)、リアシューは残量4mm(新品は約4.5mm厚)というまだまだ交換の必要がない状態だった。
そんなわけで今回の点検で車検合格を目的にしたパーツ交換はなかったが、2年乗っていることからブレーキフルード、エアフィルター、エアコンフィルターの交換、それとブレーキキャリパーの分解清掃はお願いした。ほかにCVTフルードなど駆動系の油脂類の交換も考えたが、サービスフロントの方の説明ではこれらの交換は走行4万kmあたりが目安ということだったので、今回は見送った。
さて、それでは気になる費用だけど、ホンダカーズでの24か月定期点検代は2万350円で、これに保安確認検査料金の9350円と継続手続き料の9350円がプラスされた3万9050円が基本の支払い額となる。この金額に最初に払った諸費用を足すと、N-VANの初回車検にかかる費用は6万6290円となる。
ただ、筆者は今回の車検の際にホンダが設定する有料の定期点検パック(加入コースSS)に入ったので、今回からさっそく割引が効き、24か月点検代や検査料金などを含めた諸費用以外の総額が3万3220円と多少安くなった。これに諸費用を足すと6万460円で、そこに別途作業分の1万3282円も加えると合計金額は7万3742円。これが筆者のN-VANの支払い額である。
ご時世にあわせた装備を追加した
新型コロナウイルス感染症の影響でマスクをするのが当たり前の状況だけど、いまの時期は汗もかくのでマスクは不快さを感じた時点で交換したい。そんなことから筆者は使い捨てできる紙マスクを使用しているが、クルマで移動しているときに困るのが外したマスクを捨てるところがないことで、仕方ないのでドアポケットなどに入れていたが、これはあまりいいものでもない。
また、レジ袋ゴミを減らす目的で袋の有料化が始まったため、出先での昼食として買うことの多い、おむすび、惣菜、そしてドリンク程度の量で「袋いります」と言わないようにしているのだけど、その結果、車内で食べたあとのゴミの捨て場がなくなりこれもドアポケット行き……というように、筆者のN-VANではこれまでになかった“車内ゴミ問題”が発生していた。
そこで用意したのが車内用のゴミ箱だ。これまでこういったものは車内がごちゃつくような印象から置いたことがなかったのだが、いまはそうも言っていられない。だけどやっぱり「あとから置きました」感はできるだけ出したくないので、まずはどこに置くかを考えてみた。
その結果、目立たず使いやすいところとして運転席と助手席の間にあるフロアガーニッシュ部しかないと言うことになったのだけど、ここには助手席の足下に置いたものが運転席足下に転がってくることを防ぐセパレーターが付いているのでゴミ箱を置くスペースがない。まあ、セパレーターは着脱式なので外してしまえばいいのだが、付いている意味があるものを外すと言うことは個人的に納得できないものがあった。
こういうときは付けたい場所を眺めて対策を練る。するといくつかの案が湧いたが、最初ということでとりあえず簡単な工作でスッキリまとまりそうな案をやってみることにした。それが写真で紹介しているように市販のゴミ箱にフックを追加してセパレーターに引っかけるというものだ。
使用したゴミ箱はセイワ製の「おもり付きスリムダストボックス」というものでサイズはぴったり。また、表面の材質はN-VANの内装に使っている樹脂パーツに近い質感なので、あとから置いたとしても、見た目的に「浮く」ことがなさそうと言う部分も選んだ理由だ。
次に引っかけるための道具だが、これはホームセンターを歩き回って探した結果、壁掛け用のフックを購入。写真のとおりフック部に滑り止め用の黒いスポンジが巻いてあるため、セパレーターに引っかけたときにもフックが目立たないはず。
このようなものを買い揃えてチョイチョイと工作した結果、あまり違和感なく、それでいて使いやすいようにゴミ箱が置けたと思っている。これなら簡単に作れるので筆者と同じように、N-VANの車内にゴミ箱を置きたいと考えている方は参考にしていただきたい。
【お詫びと訂正】記事初出時、一部表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。