トピック

オウルテックの最新3カメラドライブレコーダーを自分で装着して使ってみた

クルマの前後に加えて車内も同時に撮影できる……だけじゃない

オープンプライス

※店頭予想価格3万6080円

今回試したドライブレコーダー「OWL-DR803FG-3C」は、3つのカメラでクルマの前後と車内を同時に録画ができる。また、車内は赤外線録画により夜間でもしっかり録画できるのが特徴

 ここ数年、あおり運転が原因による事故や事件がニュースなどで報道される機会も増え、また厳罰化されるようになって、ドライブレコーダーもかなり普及してきた感もあるけれど、実際のところはどうなのか? 国土交通省が令和元年11月8日~22日にインターネットを使ってアンケート調査を行なったところ、全体では約46%が「搭載している」と回答している。一方、今では高速道路を使うときの必需品となっているETCは、同じく国土交通省の調査によると利用率92.8%。やはりドラレコも増えた感じはするものの、まだまだ半数以上が未装着、ETCと同レベルまで普及するにはまだまだというのが現状のようだ。

ドライブレコーダー普及率(資料:国土交通省)
ETC利用率(資料:国土交通省)

 ドラレコはいわば“転ばぬ先の杖”だけれど、こういったアイテムはだいたい災難にあってから「あ~ぁ、だから付けておけばよかったのに……」と後悔するパターンが多いモノ。そうと分かっているんだから、早めに装着しておきたいところ。

 しかし、これから装着しようとした場合、または古くなったから新しいのに買い換えようという場合、カー用品店やネット通販店を覗いてみると、それはもう星の数ほどあるドラレコの種類に圧倒され、いったいどれを選べばいいのかとても悩まされる。

クルマの前後と車内をまとめて撮影できるタイプを選択

パッケージにはこのドラレコをプロデュースしているレーシングドライバー兼レース監督も務める脇阪寿一選手
裏面には製品の特長がぎっしりと記載されている
主要部品構成は、メインカメラ、リアカメラ、電源コード、リアカメラコード、microSDカードなど

 今回試したのはオウルテックの3カメラタイプのドラレコ。カー用品メーカーとしては新しいが、実はコンピュータのパーツや周辺機器から始まり、今ではスマホやタブレット関連のアクセサリー商品の製造・販売、電子機器の開発・設計など幅広く事業を手掛けている企業で、いわば電装パーツに関しては生粋のプロ集団。小型化、高性能、高品質は日本のお家芸ともいえるが、まさにこのドラレコもコンパクトでありながらも、充実した多機能が特徴と言える。

本体となるフロントカメラ。底面に明るさセンサーを内蔵する。約107gと軽量
室内側には表示部と車内カメラ。車内カメラの周囲に4つのLEDライトを搭載。ソニー製イメージセンサーを採用
上面には操作ボタンを配置。動作温度範囲は-10℃~+55℃
横面にはリアカメラコード挿し込み口、microSDカードスロット、映像出力端子、リセットボタン
フロントカメラ取付ブラケットはGPS(準天頂衛星システムみちびき対応)を内蔵。電源口も搭載
取り付けブラケットは本体にスライドさせてはめ込む
同梱されるmicroSDカードは16GBで録画時間は約60分。128GBなら約400分録画可能。静止画ファイルは約600MB分保存できる
リアカメラ。約28gと超軽量
リアカメラ背面
リアカメラ接続コード挿し込み口
シガープラグコード(主電源)は約4m
リアカメラ接続コードは8mあるのでハイエースなどのロングボディタイプでも安心
取扱説明書フルカラー44ページ。トラブルシューティングも掲載。保証書も兼ねている

自分で取り付けにチャレンジ

 カー用品店などに取り付けを頼めば、配線を見えないように通してきれいに取り付けてくれるが、シガーソケットから電源を取れることと、リアカメラも室内の取り付けなので今回は自分で取り付けに挑戦してみた。

取り付けたのは「プリウスα(2018年式)」トヨタセーフティセンス搭載
プリウスαの運転席からの視界。どこに取り付けるかをイメージ
プリウスαのルームミラー付近には取り付けるスペースがあまりない

 まずは取り付け場所を検討。プリウスαのルームミラーの根本部分には、トヨタセーフティセンスの単眼カメラユニットが搭載されているため、運転席側か助手席側にオフセットするしかない。また、フロントガラスへの取り付けは道路運送車両法により「上部から20%以内または下から15cm以内」もしくは「運転者席の運転者が、前方を視認する際、車室内後写鏡により遮へいされる前面ガラスの範囲」、要するにルームミラーの後方で運転席の視界から隠れる範囲。このどちらかの条件を満たす必要がある。

 そこで、本体の右側ある車内カメラをなるべく車体の中央寄りにするために助手席側の方がいいかなと思ったけれど、説明書に「地デジ等のTVのアンテナ付近に設置しないで下さい。TVの受信感度が低下する場合があります」とのことなので、運転席側に設置することに決定。電源となるシガープラグコードを接続して、フロントカメラの映像を表示させながら、取り付け場所を探す。場所が決まったら脱脂してから、両面テープで貼り付けるだけ。

中央だと下過ぎて上部から20%の範囲を逸脱してしまうのでNG
フロントカメラと車内カメラの映り具合を確認し、最終的にこの位置に決定
車内カメラの向きも調整。円柱部分は回転して角度調整が可能だ

 取り付ける位置を決めたら配線の取り回し。できる限り配線を見えないように仕上げたいけれど、素人が無理するとろくなことにならないので、配線止め具を利用。フロントガラスの上部分はETCの配線と同じように屋根の内張の隙間に押し込めたのでスッキリ。そこからAピラーをはわせて下におろします。プリウスαのグローブボックスは手前に引っ張るだけで簡単に外れるので、Aピラーからシガーソケットまでは、グローブボックスの裏側を通し、この部分も見えないようにスッキリできたのは嬉しい限り。

Aピラーをはわせてエアコンの吹き出し口の隙間へ
グローブボックスとエアコンの吹き出し口を外したところ
余った配線はグローブボックスの奥で束ねておく
プリウスαのシガーソケットはセンターコンソールのこの位置
シガーソケットに差し込むと青いランプが点灯するので通電状態を確認できる

 続いてリアカメラの取り付け。説明書によると、雨の時でもしっかり撮影できる位置(ワイパーの可動範囲内など)で、電熱線を避けるとある。プリウスαのリアワイパーは短くて可動範囲内に取り付けるとかなり下になってしまうが、プリウスαは純正リアスポイラーを装着しているので、上側部分は雨水がつかずほとんど汚れないので、上寄りに取り付けることに決定。

 リアカメラ用の配線は約8mあるので、Aピラーから床まで下してフロアマットの下を通しながらリアゲートまで通すことも可能だけど、配線はいずれは屋根の内張の中を通したいと思いつつ、配線止め具を活用して屋根側で後方まで通した。注意点はリアゲートを開けたときにコードがつっぱらないようにすることくらい。リアカメラのアングルも、フロントカメラ同様にモニターに映した状態で調整。この調整は1人より2人で作業すれば直ぐに完了するだろう。

電熱線を避けられる場所に貼り付ける
プリウスαは上まで電熱線があるけれど、ぎりぎり避けられた
配線は屋根をはわせて後方に送る(いつか屋根の内張の中に入れる予定)
リアゲートを開けた状態で配線を止める位置を決定
リアゲートを閉じたときの状態
ルームミラーで見たところ。後窓の一番上に付けたので、視界の邪魔にならない
キットにはリアカメラのアングル固定用ネジが付属(1個は予備)
ネジの取り付けは任意だけど、振動で角度がズレたら意味がないので装着
両面テープも前後ともに予備が入っているので安心

 取り付けは撮影を行ないながらでも3時間程度。撮影なしで取り付けていたら1時間半~2時間くらいで完了したと思う。配線がすべて車内で完結するし、シガーソケット電源なので特に専門的な工具も不要。使用したのは窓の貼り付け部分を脱脂するスプレーとタオル。リアカメラのネジを締める精密ドライバーぐらい。

フロントカメラを外から見たところ
リアカメラは外からほとんど見えない

 装着が完了したら撮影状態の最終確認を忘れずに。フロントカメラ、車内カメラ、リアカメラ、3カメラと、表示方法の切り替えはボタンひとつで可能。あくまで有事の際のドライブレコーダーなので、普段の運転中に見るものではないですが、アングルだけはきちんと正しい向きかを確認。

3カメラ表示
フロントカメラのみ表示
リアカメラのみ表示
車内カメラのみ表示(通常モード)
車内カメラのみ表示(赤外線モード)
本体が衝撃を検知した場合は緊急録画となり「!」マークが表示されて20秒間録画して、そのファイルは上書きされないように自動的に保護されるようになっている

搭載されている機能と初期設定値を確認しておく

 取り付けが終わったら、そのまま直ぐに使い始められるのだけど、何かあったときに「録画したデータはどうやって見るんだっけ?」という状況に陥っては意味がないし、家電と同様に電子製品は、搭載されている機能や各初期設定値を確認しておくことが重要だ。

電源が入ると脇阪寿一の名前“じゅいち”をもじった“11”ロゴが表示されて録画を開始
microSDカードを挿入し忘れていると、定期的にモニターの文字と警告音の両方で知らせてくれる
最初に使うときはmicroSDカードをフォーマットしてから使う。また、約1か月ごとに定期フォーマットや動作確認などメンテナンスを促すメッセージが表示される

 メインとなるメニューは「録画設定」「システム設定」「再生モード」3つがある。項目選択して中に入り、その中の項目を選択するだけと、基本操作はいたってシンプル。

録画設定

 録画設定は「解像度」「ビデオ圧縮形式」「ループ録画」「音声録音」「Gセンサー」「WDR(Wide Dynamic Range)」「露出」「ドライバー情報」「駐車監視」「スタンプ」「リアカメラ設定」の項目があり、機能のON/OFFや数値の変更など細かく設定できる。駐車監視機能については、シガーソケットから電源を取っている状態で使用すると、バッテリーが上がってしまう可能性があるため、別売の専用ケーブル(店頭予想価格5478円)が必要となる。

解像度の設定はフロントカメラのみ「WQHD」か「FHD」かを選択可能。リアカメラと車内カメラは「FHD」のみ。ビデオ圧縮形式は一般的な「H264」と高圧縮でより長時間録画できる「H265」が選択可能。ループ録画は「1分」「3分」「5分」から選べる。音声録音は「常時録音」「録音しない」「衝撃があったときだけ録音」の3つのモードから選択可能。Gセンサーは録画を開始するときの衝撃の強さの設定で「小」「中」「大」がある。WDRは逆行やトンネル出入口などの明暗が強い場合の画像補正なので基本的にONのままでOK。露出は「-2.0~+2.0まで0.5刻みで設定が可能。ドライバー情報は数字とアルファベットを最大9文字登録可能。録画データへ記録もできる。駐車監視は駐車中に衝撃があると録画を開始するモード。スタンプは録画データに「ロゴ」「日付/時刻」「ドライバー情報」「速度」「GPS」といった情報を記録させるか、それぞれ選択できる。リアカメラ設定は後方の映像をモニターに表示させる際に「正像」「鏡像」かを選択できる。ただし録画は正像となる。
システム設定

 システム設定では「言語」「SD初期化」「日付/時刻」「画面オフ」「操作音」「設定の初期化」「FWバーション」「SDカードメンテナンスのお知らせ」などの設定を行なう。ちなみに日付/時刻に関してはGPSを受信できるエリアであれば、自動的に設定されるので設定の必要はない。システム設定に関しては、1度設定したらあまり変更することのない項目がほとんど。

言語は「日本語」か「英語」を選択可能。SD初期化は挿し込んでいるmicroSDカードを初期化できる。「画面オフ」は「1分」「3分」「5分」を選択し、その時間操作が行なわれないとモニターが消える機能で、録画はそのまま続けられる。モニターが目障りな場合に有効な機能。操作音ではボタン操作音の「オン」「オフ」を選択可能。設定初期化を選ぶと出荷状態に設定が戻る。もちろん録画データは消去されない。SDカードのメンテナンスのお知らせをオンにしておけば、約1か月ごとにお知らせが表示される。
再生モード

 録画されるデータは全部で3種類に分けられる。「イベント」は緊急録画=衝撃を検知して録画したもの。「ノーマル」は常時録画していたデータ。「写真」は録画中に電源ボタンを押すとスナップショットが撮影でき、そのデータが収められている。事故など衝撃があったときは「イベント」に収められ上書きされることがなく自動的に保護されるのも安心できる機能のひとつだ。

再生モードは3種類
鍵マークが付いているのが衝撃を検知して緊急録画したデータ
何もマークがないのが常時録画したデータとひと目で分かる
スナップショットの画像も確認できる
ファイルを誤って消去してしまわないように保護する機能も搭載

実走して録画データを確認

 録画されたデータは本体でも再生して見ることは可能だが、録画データをパソコンに取り込むことで、よりたくさんの情報を同時に見ることができるようになる。録画データは一般的なmp4形式のファイルとして保存されているので、パソコンにデフォルトで入っているような再生ソフトで見ることが可能。

パソコン内蔵の動画ソフトなどで再生可能。かなりの高画質だと分かる。スタンプ機能でオンになっている情報が画面の下のほうに表示されている

 各ファイルの名前の最後にABCと書いてあり、Aがフロントカメラ、Bが車内カメラ、Cがリアカメラのデータとなる。1分ループで録画した場合、1つのファイルはフロントカメラが約60MB、車内カメラとリアカメラが約40MBだった。フロントカメラのデータが大きいのは解像度を「WQHD」にしてあるからで、これを設定で「FHD」に変更すれば同じく約40MB程度となる。

3つ並びにすると分かりやすい
各ファイルのデータ容量
箱の側面に録画時間の目安が記載されているので参考にしていただきたい

 さらに、無料でダウンロードできるドライブレコーダー用ビューワーソフト「Cardvr Player A」をインストールすれば、カメラで撮影したデータ以外にも、速度、Gセンサー値。加えてインターネットが接続されていれば地図データも連携して表示される。地図には移動した軌跡が動画と合わせて表示される。これで、いつ、どこを、どのくらいの速度で、どのように走っていたかが明確に分かる。ただしトンネルなどGPSが届かない場所では速度や位置情報は記憶されない。

設定で、速度表示を「Km/h」か「MPH」の選択が可能。また再生モードは1~3カメラモードを選択できる。下の波線はGセンサーの情報で、X(左右)、Y(上下)、Z(前後)方向のGの値を示している
1カメラモード
2カメラモード
3カメラモード

 他にも映像を5倍まで拡大することも可能。ナンバープレートなどを読み取る必要があるときに重宝する機能だ。また、ボタンひとつでスクリーンショットしてくれる機能も搭載。動画の一部を印刷したり、データを他に渡す際に便利な機能となっている。

通常
2倍
3倍
4倍
5倍
トンネル内 通常
トンネル内 3倍
トンネル内 5倍
明暗のコントラストが大きい場合もWDRで補正されきれいに映している
高架下くらいの明るさでも車内カメラは素早く赤外線カメラに切り替わり撮影を続行する
白丸の箇所が表示倍率の変更操作バーと、その下に速度が表示される
ドラレコの撮影周波数と信号が使っているLEDの周波数が一致してしまうと信号があたかも消灯しているように映ってしまう問題も解決済み

 本体録画中に電源ボタンを押すことで撮影できるスナップショットのデータもmicroSDカードからパソコンに移せる。トンネル内でもナンバープレートがはっきり読めるレベルで撮影できている。スナップショット機能は遠出したさいの記録にも使えるが、初めて通る道などで、後でどこを通ったのかを確認するための目印を保存しておくといった使い方もできそうだ。

 オウルテックの3カメラ搭載ドライブレコーダー「OWL-DR803FG-3C」は、車両の前後や車内の映像を昼夜を問わず綺麗に録画してくれるのはもちろんだけど、内蔵するGPSにより速度や位置情報も記録され、万が一もらい事故でも起きようものなら、身の潔白を証明してくれることに役立つことは間違いない。また、周囲で事故などが起きた場合も、上書きしないように直ぐにデータを保護しておけば、その後の原因調査などにも役立てられる。自分の安全・安心はもちろんだけど、他のドライバーを助けるシチュエーションなどもあるかもしれない。

 最近、自動車メーカーも徐々に新車にドライブレコーダーに近いものを装着し始めていることも、それだけドライブレコーダーが安全・安心に寄与するという証。しかし、いざというときに「肝心なところが映っていない」「情報が映像だけで判断が難しい」なんてことがない製品を、きちんと選んでおくことが重要になってくる。

オウルテックの最新3カメラ搭載ドラレコ録画データ「OWL-DR803FG-3C」(5分7秒)