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クルマの便利がこれ1つに!? 藤島知子がパイオニア「NP1」の実力を徹底チェック!
- 提供:
- パイオニア株式会社
2022年3月28日 00:00
このところ自動車の進化のスピードは目まぐるしく、電動化や自動化、ネットワーク化が進んでいる。しかし、安全運転が前提にあることを考えると、ドライバーがクルマの機能と向き合う形態はそう簡単に変化できないものもあるのではないかと思っていた。そうした中、これまでにない体験をもたらす画期的な商品を提案してきたパイオニアが、ドライブと向き合う世界を変えるほどの衝撃作をリリースした。その商品は会話するドライビングパートナー「NP1(エヌピーワン)」だ。
パイオニアが独自の技術力にユーザーニーズを結集して開発したNP1は大きく4つの機能を備えている。1つ目は声で運転を新しくするスマート音声ナビ。2つ目はクラウド型のドライブレコーダー。3つめは車内Wi-Fiとして、スマホやタブレットなど最大5つの端末を接続できること。4つ目は自車をとりまく地図やドラレコの映像を車外の人と共有して、これまでになかったコミュニケーションをもたらすというものだ。4つ目はOTA(Over The Air)により新サービスが追加されていく「もっとカーライフ++(プラスプラス)」と呼ばれるもので、時間や自車位置によって運転が楽しくなるさまざまな情報を届ける「ドライブトピック」機能も含まれる。
商品の概要については下記の記事を参考にしていただくとして、早速現物を見てみよう。手のひらサイズの本体は自車の進行方向と車内を撮影できる2つのカメラ、マイクとスピーカーが内蔵されているもので、フロントウィンドウの上部に設置する。その見た目はちょっと大きめのドライブレコーダーといった風貌だ。一方で、カーナビとして捉えてみると車載のモニタが存在しない。スマホの画面で地図や案内を確認することはできる仕組みだが、クルマのモニタに映し出すものではない。既存のカーナビの場合、モニタに表示される地図や音声案内を頼りにして走るのが当たり前となっているだけに、「NP1の場合、操作や案内を音声のみに頼って走ることで不安にならないのか?」という疑問も生まれる。
パイオニア、カーナビとドライブレコーダー機能が合体した新製品「NP1」ファーストインプレッション
新生パイオニアを象徴する新コネクテッドデバイス「NP1」発表会 2輪用も開発して2030年には1000億円のビジネスに
音声案内がもたらすありがたみ
百聞は一見にしかずということで、音声案内の部分は上の動画をご覧いただきながらお読みいただきたい。今回はNP1の実力を試すべく都内中心部を出発地点として、お台場方面に出かけてみることにした。カーナビの目的地設定の方法は簡単だ。
「NP1、(少し間をおいて)若洲海浜公園に行きたい」
「目的地まで16km。料金は1320円です。所要時間は約40分、首都高速5号池袋線を通ります」
「NP1、レインボーブリッジを経由して」
「レインボーブリッジを立ち寄り地に設定します」
言葉のやりとりは思いのほかスムーズだ。追加ワードとして立ち寄り地を設定できるほか、「距離優先で」「時間優先」「高速道路は使わないで」といった希望にも応えてくれる。ルートが変更されているかどうかを確認したいときは「NP1、目的地までのルートを教えて」と声をかけて現在の設定ルートを答えてもらうか、スマホアプリの地図表示を見て案内ルートを確認することもできる。一連の対話はまるで助手席でサポートしてくれるナビゲーターと会話をしているかのようだ。
NP1の道案内は基本的には音声で完結するものだが、手持ちのスマホアプリで出発前に目的地検索が行なえたりと、臨機応変に使いこなせるのも便利だ。ちなみに、目的地に駐車場が備わった施設の場合は駐車場の入口を案内するという。スマホのマップアプリの場合、目的地付近でさまようケースもあったりするので、クルマ移動に特化したカーナビならではの配慮は安心できる。
また、これまでのカーナビは地図更新に手間がかかって煩わしいものもあったが、NP1はSIMカードが内蔵されている。スマホアプリを通じて自動更新を行なってくれるから、施設や道路の最新情報を得やすい。購入後に商品価値が落ちていくのではなく、むしろ逆に進化していく仕組みは売り切り型の製品とは異なり、今後広がっていくサービスをウリにした商品であることが分かる。
さて、肝心の道案内はどうだろう。駐車場から一般道に出たところでNP1は音声による案内を開始した。
「左車線を進んでください。その後、すぐ右です」
ピコーン♪「この信号を右です」
「左側の車線がおすすめです」
「左から2車線目を進んでください」
「300m先、右です」
こうしたシチュエーションは地図を見ながら走っても慎重にならざるを得ないが、案内するタイミングは絶妙。そのあたりはサイバーナビで培ったノウハウが息づいていると感じさせる。また、いま走っている道をどれだけ進んだらいいのか不安になりそうな場面では「10分程度道なりです」や「突き当たりを右です」といった具合に、まるで助手席の人がフォローしてくれているかのように、ドライバーがイメージしやすい言葉で伝えてくれる。
それ以外にも、「およそ1.4km先で渋滞が始まっています」「10時になりました」など、リアルタイムの交通情報や時刻のお知らせも。時間軸の中で行動するドライバーの心理をうまく捉えている。最初は地図表示がなくて不安に思う場面があって、スマホアプリの画面に目を向けることもあったが、NP1が案内を行なうタイミングや表現を把握できるようになると、地図を見なくても音声案内を信頼して走れるようになってきた。そうなってくると、今度は逆にモニターに目を向けることのほうがロスだと思うようになってくる。運転操作はマルチタスクだ。車内で同乗者と会話をしながら運転することもあるし、周囲の安全を目視しながらカーナビの画面に目を向けて考えながら走らなければならない。
そのとき、パイオニアの担当者の言葉が頭に浮かんだ。「NP1は私たちが想像していた以上に、運転に不慣れな女性ドライバーの皆さんに高い評価をいただきました。カーナビの地図を見ながら運転するのが苦手というドライバーが意外に多いようです」。
なるほど、確かに地図に目を向けるというタスクが1つ減れば、そのぶん周囲の確認や運転操作に集中できる。不安を1つ減らせることが安全ドライブに結びつくのは音声案内がもたらすありがたみだ。
また、走行中は現在地付近の観光スポットや史跡を紹介する場面も。知らなければ素通りしてしまう土地の情報を知ることができるのは嬉しい。でもその半面、毎回案内されたら煩わしく感じるのではないかと思ったが、基本的には初めて通る道で案内するようになっているそうだ。
便利なクラウド型ドライブレコーダー、ドライブがもっと楽しくなるドライブコール機能
交通量が多く、分岐や交差点が多い都心部の一般道を経由して、首都高速の入口までスムーズに誘ってくれたNP1。立ち寄り地に設定したレインボーブリッジが迫ってきた。晴れた日もあいまって、橋の上の景観は抜群。ドライブレコーダーのカメラで動画撮影をしてみることにした。
「NP1、動画を録画して」
私の呼びかけで撮影が始まり、少し経つとクラウドに保存したことを報告してくれる。記録しておきたい動画や静止画を好きなタイミングでハンドルから手を離さずに撮影できるし、保存したデータを後でスマホなどの端末で確認できるため、ドライブ中の情報収集はもちろん、いざという時の安心に役立てられる。
さらにユニークな機能が、走行中にドライブレコーダーが撮影しているリアルタイムの映像と自車位置を表示する地図を車外の人と共有してコミュニケーションを図る「ドライブコール」。例えば、出先で友達と待ち合わせをしているとき、初めて訪れる場所を走りながら特定するのは難しい。そんな時、通話相手に自車が走っている景色を共有し、通話しながら友人がいる位置に導いてもらうことも可能だ。
「NP1、●●さんにドライブコール」
「●●に招待メールを送ります。応答をお待ちください」
「●●がドライブコールの招待に応答しました。始めますか?」
「はい」と答えると、ドライバーが運転席から見ている景色やカーナビの地図を通話相手と共有できる。「その先の青いゲートをくぐったら右手に駐車場が見えるから、そこで待ってるよ」と誘導してもらえたり、インカメラを使って車内の乗員の映像を共有しながら対話できる。リアルタイムのカメラ映像と自車位置を示す地図を重ね合わせたコミュニケーションは、新鮮なだけでなく、これまでのカーナビや通話だけでは得られなかった新しい移動体験をもたらしてくれるものだった。
今回のドライブを通して、NP1はこれまでになかった画期的な商品であることは分かったが、対応できないこともあった。例えば「今日の天気は?」と聞いてみると、「天気についてはまだ対応していません。できるようになったらお知らせします」という具合に、対応できないことに対して真摯に回答してくれる。普通は「聞き取れません」など、素っ気ない返答が返ってきたりするが、できないことも放置しないあたりにパイオニアの開発者たちの人間味を感じる。使い始めは音声のみの案内にいつもと違う不安を覚えたが、音声を頼りにドライブできることが、知らず知らずのうちに感じていた運転のストレスを減らしてくれていたことに気づかされた。
NP1の料金形態について
最後に、こうした新しいドライブ体験をもたらしてくれるNP1の料金形態についても触れておきたい。上記で述べたとおり、NP1ではOTA(Over The Air)による地図や機能のアップデートが用意されているため、本体代と通信+サービス利用料に分かれている。そのためパイオニアでは分かりやすく2つのプランを用意しており、1つは本体および通信とサービス利用料1年分が付く「ベーシックプラン」(6万5780円)、もう1つは本体および通信とサービス利用料3年分が付く「バリュープラン」(9万3500円)。いずれのプランも初期費用は本体代と通信+サービス利用料を含めた料金体系となっていて、プラン終了後は更新料として1万5840円/年を支払えば引き続き使用できる。
NP1料金体系
①ベーシックプラン:本体価格、通信+サービス利用料1年分付
②バリュープラン:本体価格、通信+サービス利用料3年分付
③プラン終了後は更新料1万5840円/年のみ
これとは別に、車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」(550円/日、1650円/月、1万3200円/年)を別途契約するとLTEデータ通信を定額で制限なく利用可能になる。
文字にすると長々となってしまうけれど、まずは1年使ってみるか、長期的に3年使ってみるかを考えたうえでWi-Fi機能を利用するかしないかを考えればよい。個人的にはベーシックプランで毎年更新するよりも3年間で3960円安く利用できるバリュープランがおススメだ(バリュープランはパイオニアの公式オンラインショップ限定プラン)。
もう1つ加えておくと、NP1ではプロの業者がマイカーに取り付けてくれる出張サービスも用意されているので、スッキリとした裏どり配線を好む人、取り付けが不安な人はぜひこのサービスを利用してみてほしい。価格は出張費込みで国産車1万3750円、輸入車1万9800円と固定料金なのも分かりやすい。
2022年の春以降、AmazonのAlexa(アレクサ)との連携機能が利用できるようになるなど、さらに進化していくそうだ。パイオニアの熱き開発者たちが生み出した「未来の移動体験」。実際に毎日のドライブで使いこなしたら、思いがけない局面でフォローしてくれるありがたみを感じられそうだ。
Photo:安田 剛