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写真で見る 「S660 Modulo仕様」「N-ONE Modulo X」
2016年8月29日 00:00
本田技研工業の純正アクセサリーを「Modulo(モデューロ)」ブランドとして展開するホンダアクセス。Moduloでは「誰もが、いつでも、どんな道でも気持ちよく走りを楽しめる」をキーワードに純正アクセサリーの開発を行なっており、今回紹介するホンダ「S660」にもエアロパーツやサスペンション、アルミホイール、ブレーキパッドといった走りに直結するものからロールトップ、フューエルリッド、シフトノブといったドレスアップパーツまで多数のパーツが設定されている。
一方で、N-ONEのコンプリートカー「N-ONE Modulo X」の開発を行なったのもホンダアクセスで、この車両では専用のサスペンション、ブレーキパッド、15インチアルミホイール、マフラーなどとともに、高剛性バンパービームも与えられており、さらにEPSやCVTにも専用セッティングが施された本格的なモデルになる。
本稿では純正アクセサリーを装着したModulo仕様のS660と、コンプリートカーのN-ONE Modulo Xを紹介したい。
S660 Modulo仕様
最初に紹介するのはS660 Modulo仕様。このクルマに装着されている主なModulo製パーツはフロントフェイスキット、リアロアバンパー、サスペンションキット、ブレーキローター&パッド、そしてアルミホイールである。
まずフロントフェイスキットだが、これはノーマルバンパーと付け替えるタイプで、特徴はバンパー中央面にあたる圧力の高い空気を整流し、車体下部に流す形状になっていること。これによって車体下部の空気の流速を確保し、高速走行時の安定性を向上させるのだ。
そしてリアロアバンパーでは、バンパーのセンター部をディフューザー形状にすることで、フロントフェイスキットで作った車体下部の空気の流れを車体後方からきれいに抜く効果を持っている。
続いては、軽自動車で初採用された電動アクティブスポイラーについて。このスポイラーは普段エンジンフードと同じ高さに収納されているが、約70km/hで自動的にせり上がり、約35km/hになると収納される仕組みだ。スポイラーがせり上がる70km/hも出ていれば、リアの安定性に違いが表れるというもの。ドライ路面はもちろん、雨天時の高速走行ではとくに頼もしさを感じるかもしれない。
次に外観で目に付くパーツと言えばアルミホイールの「MR-R01」。細めのスポークをリムまで伸ばしつつ、剛性の高さを感じさせるリブも入れたスタイリッシュな8本スポーク形状ホイールだが、これはS660にあわせたホイール剛性に設定されていることが最大の特徴。
開発時は同デザインで剛性の異なる8種類のホイールを用意。それを順番にテスト車に装着し、アドバイザーの土屋圭市氏が丸1日掛けて乗り比べを行ない、S660のボディ剛性やサスペンションにあった剛性感を持つホイールを選び出したというもの。土屋氏曰く「ホイール剛性の違いでこれほど乗り味が変わったのは驚きだったが、その試みを行なったことでS660の走りはさらに上質で気持ちいいものになった」とのことだった。
S660ではModuloパーツ初となるドリルドローターも用意されていた。このドリルドローターはパッドクリーニング効果や、部分的に熱が溜まることで起こるホットジャダーを軽減するという性能を持つものだが、通常のローターに比べて耐久性が低い。
それだけに、ホンダアクセスではこれまで効果は認めつつも製品化をしてこなかったが、スピードレンジが高くなりすぎることもなく、車重も軽いS660ならば十分な耐久性が確保できるとのことで採用されたもの。それに加えて「S660はカッコいいクルマなので、ブレーキまわりのルックスもカッコよくしたかった」という開発陣の思いもあったという。
このほかにもホンダアクセスはこだわりの製品をS660に用意していた。その例としてはインテリアパーツがある。ドリンクホルダーやチタンシフトノブ&シフトブーツ、ドアのライニングパネル(内張り)などが交換されているが、これらは部位ごとに企画されたものではなく、デザイナーが理想とするインテリアのイラストを描いた中にあったものを具体化したものなのだ。それだけに、すべてのアイテムが同じベクトルでデザインされていて、形状や色もコーディネート済み。質にこだわりたいS660オーナーならここもセットで揃えたい部分と言えるだろう。
N-ONE Modulo X
N-ONE Modulo Xは、N-ONE ローダウンパッケージをベースにホンダアクセスが独自の作り込みを施したコンプリートカー。全国のホンダディーラーで購入できるクルマである。
外観上の特徴は、S660同様に専用のModulo製エアロパーツが装着されているところだが、標準バンパーよりフロントの開口面積が広いので、ラジエターやエアコンコンデンサーをより効果的に冷やすことが可能。また、バンパー下部はリップスポイラー形状になっていて、ここには前から受けた風を効率よく車体下部へ流す効果もある。それにバンパー左右には黒いパーツが追加されているが、これは正面から左右に抜ける風を整流するためのコーナーデフレクターになる。旋回時の応答性を高める効果を生み出すためのものだ。
このコーナーデフレクターはリアバンパーサイドにも付いていて、車体後方に抜ける風も整流。それに加えバンパーのセンター部はディフューザー形状になっているので、ボディ下面の空気をきれいに抜くことも可能。このような作りによって高速走行時の走安性を高めているのだ。今後、高速道路の制限速度を引き上げることが検討されているだけに、それが実現されたときS660 Modulo仕様とN-ONE Modulo Xの空力性能がより生きてくるだろう。
N-ONE Modulo Xはサスペンションに専用品が使われていて、車高はローダウンパッケージの全高1545mmに対してN-ONE Modulo Xは1535mm。最低地上高も140mmのところ130mmになっている。
このサスペンションキットはハイペースで走れるスポーツ性を持ちながら、荒れた路面や段差で受けるショックをスムーズにいなしてくれる設定だ。ただ、この乗り味はサスキットの交換だけで実現できるものではなく、N-ONE Modulo Xでは高剛性のバンパービームを追加してボディ剛性の強化も実施している。同時にサスペンションの特性に対して剛性が強すぎる部分の補強バーが取り外されるなど、コンプリートカーならではのセッティングが行なわれているのだ。
そんな走りのよさをさらに引き出すのが、N-ONE Modulo X専用にセッティングされたCVTの変速プログラムだ。これはSレンジのときの変速データのマッピングに手を加えるという本格的な変更で、アクセル開度に対してダイレクトな加速感が得られ、パドルシフトの操作に対する応答性も向上しているという。
そんなスポーティな走りのイメージに合わせ、インテリアは専用のブラック仕様とした。メーターもレッド照明の自発光式3眼メーターになっていて、ステアリングやシフトレバーにもスポーティなレッドステッチが与えられている。
協力:株式会社ホンダアクセス