長期レビュー
伊達淳一のスバル「XV」と過ごすクロスオーバーな日常
第6回「冬タイヤから夏タイヤに交換。そして、まさかの雪!」
(2013/5/31 00:00)
今年の冬は、東京でもそこそこ積雪し、スタッドレスタイヤを履いて大正解。本当は、地獄谷野猿公苑のスノーモンキーを撮影しにいったり、富山・氷見の寒ブリを食べに行ったりと考えていたのだが、予定していた時期がちょうど“今世紀最強クラスの寒波がやってくる”というタイミングだったので、スバルといえどもさすがに無謀と遠征を断念。とはいえ、雪が残る山中湖のパノラマ台くらいまでは安心して撮影に出かけられた。
問題は、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに戻すタイミングだ。3月ともなれば東京で積雪する可能性はほとんどなくなるが、長野北部(北信)あたりはまだまだ雪が残る。しかも、タイヤを履き替えるには、預けてあるタイヤをディーラーまで戻してもらう必要があるので、履き替えようと思ってから少なくとも5日から1週間はタイムラグがある。そのあたりを見極め、タイヤを履き替える時期を決める必要がある。
2月までは非常に寒さが厳しかったが、3月上旬になると急に暖かくなり、最高気温が20℃を超える日も出てきた。さすがに、この暖かさではスタッドレスタイヤのままでは厳しいものがあると思い、春分の日にタイヤを履き替えることにした。久々のXVオリジナルのホイールとのご対面だ。
ちなみに、XVが納車されたのは昨年の11月15日。そして、信州への慣らし運転の旅を終え、11月27日はスタッドレスタイヤに履き替えてしまったので、XV標準のホイールよりも、スタッドレス用に購入したレアマイスターのガロファノのほうが、自分にとって愛着が感じられる存在になってしまったほど。とはいえ、XV標準のホイールに戻すと、やっぱりXVはこの個性的なホイールじゃなきゃ、などと思ってしまう。我ながら、実に勝手なものだ(笑)。
XV標準のホイールに戻すついでに、購入時から考えていた「ホイールロックセット」も購入。タイヤを固定している5本のナットのうち1本をこのセキュリティロックに変えることで、専用キーがないとタイヤを外せなくなる。これで、ホイールが盗難される心配もほとんどなくなるので安心だ。この「ホイールロックセット」以外にも、さまざまなディラーオプションを追加したり、使い勝手をよくするための工夫を行っている。今回は、その一部をご紹介しよう。
まず、XVを購入してすぐに追加したのが、カーナビ用のデータ通信専用通信モジュール「ND-DC1」と、ETCとカーナビを連動させるための接続ケーブルだ。前者は、サイバーナビのスマートループを利用するために必要なもので、スマートフォンにBluetooth Dial Up Network (BT-DUN)を実現するアプリをインストールすることで代用も可能だが、あいにくボクが使っているスマートフォンではうまく作動しなかった。
実はスマートフォンのBuletoothに不具合があったらしく、その後のファームウェアアップデートで解消したのだが、そのときは3年間で2万円弱の通信料で済むのなら、ということで購入を決めた。これで、リアルタイムの渋滞情報やオンライン検索、パソコンで設定したポイントの共有、マップの更新などが行えるようになる。また、ETCユニットとカーナビを連動させることで、ETCカードの期限や料金などがカーナビの音声で聞けるほか、利用履歴もカーナビ画面で一覧表示できる。まあ、必須という機能ではないのだが、せっかくナビに対応したETCユニットを購入したのだから連動させておこう、くらいの動機だ。
また、立体駐車場に入れる際、XVはエンジンを切ってしまうとドアミラーを格納できなくなる仕様。また、スバル XVの2.0i-Lと2.0i-L EyeSightは、キーレスアクセス&プッシュスタートが標準装備で、キーを携帯していればドアのノブに触れるだけでドアロックや解除が行えるのだが、ドアロックされているのかどうか不安になって、もう一度、リモコンキーでドアロックをかけてしまうことがある。そこで、外からドアロックすると自動的にミラーが格納される「ドアミラーオートシステム」も追加。これで、ドアロックしたかどうかが一目瞭然で分かるし、エンジンを止めてからでもドアミラーを格納できる。最初から付けておけばよかったと思ったオプションだ。
スバルお客様感謝デイで、リアハッチライトとスバルホーンを購入
納車から約3カ月後に追加したのが「リアハッチライト」。夜に街灯の少ない場所でトランクから三脚など荷物を取り出す際、標準装備のトランク内照明だけでは暗くて見づらかったからだ。リアゲートトリムを白色のLEDライト付きのパーツに丸ごと交換するので、後付け感が一切なく、開いたリアゲートの両側からトランク内を照らしてくれるので、懐中電灯を用意しなくてもカバンの中に入れているものも非常に見やすく、しかも、後方車両に対しても停車車両の存在を強くアピールしてくれる。トランク内の荷物を出し入れしている際に、後方から追突される心配も少なくなる。ちょっと割高に感じるオプションではあるが、スバルお客様感謝デイで“純正オプション20%OFF”だったので、それに吊られて思い切って購入した。夜景撮影で夜間トランクから荷物を出し入れする機会が多いボクにとって、実にありがたいオプションだ。
もう1つ、20%OFFにつられて購入したのが「スバルホーン」(笑)。以前、乗っていたウイングロードは「ビービー」というクラクションというよりブザーのような安っぽい音だったので、納車されてからすぐにカー用品店に行き、ヨーロピアンホーンに交換したのだが、XV標準のホーンは一応ダブルホーンでそれほど安っぽくもなかったので、「まあこのままでもいいかな」とそのままにしていた。でも、お客様感謝デイでちょっとお安く買えるのなら、と、スバルホーンに交換することにしたのだ。ただ、スバルホーンがどんな音なのかを確認しなかったのはちょっと失敗。ボクが期待していたのは「ファーン」という柔らかい音色だったのだが、スバルホーンはそれよりも少し甲高い音。2つのホーンの周波数ももう少し離れていたほうがボク好みだったりする。XV標準のホーンよりも柔らかい感じがする音ではあるが、あえて交換する必要はなかったかな、と思っている。でも、いじりたくなるんだよね~(笑)。
いじりたくなるといえば、一部で流行っている(?)のが、新フォレスター用のサブミラーの流用。フォレスターの助手席側のドアミラーは、福耳のように2つのサブミラーが垂れ下がっていて、左側下部の死角をカバーしてくれる。このサブミラーのパーツを無改造でXVのドアミラーにも装着でき、しかも、部品代は600円弱。取り付けてもらっても1600円ちょっとで済む。もっともサブミラーの効果が期待できるのは明るい場所限定で、縁石の位置を確認できる程度なので、車幅感覚のある人には無用の長物だ。とはいえ、道幅が狭く、左側にほとんど余裕のないような場合に、サブミラーで確認できると一応安心かな、と自分を納得させている(笑)。
以上が、ボクがXV購入後に追加した主なディーラーオプションだが、それ以外にも細々とアイテムを追加している。
ドライブレコーダーもその1つ。ボクが使っているのは、韓国ITRONICS製のITB-100HDという製品。1920×1080/24P、1280×960/30Pのハイビジョン画質で常時映像を記録でき、GPSも内蔵していて日時や走行速度、走行場所まで記録できる優れモノだ(走行速度も記録されてしまうので、自ずとスピードの出し過ぎに注意するようになる)。ボクがITB-100HDを購入したときは、国内に代理店がなく、Amazonや楽天の輸入業者から2万円ちょっとで購入したのだが、2013年2月1日からアルファパックがITRONICS製のドライブレコーダーの日本の独占販売権を取得。販売価格は8Gメモリ付きで2万9400円(期間限定特別価格)と少し高くなるが、付属ソフトは最初から日本語化されており(輸入品は基本的に自力でパッチを当てる必要がある)、購入後の保証・サポートについては1年間、修理にも対応してくれるのは安心。夜間でもそれなりに鮮明な映像が記録でき、専用ソフトで再生すれば走行場所をGoogleマップ上に連動表示することもできるので、万が一に備えるだけでなく、旅の記録映像としても十分楽しめる。
もちろん、EyeSight搭載車なので、ドライブレコーダーの設置は自己責任。本当はバックミラーの後ろに設置するのが理想で、EyeSightの動作にも問題はないはずだが、ディーラーのメカニックにそこはNG、と指摘され、EyeSightユニットの右側(運転席側)に設置している。これでもITB-100HDはかなりの広角レンズなので、運転席から見える前方範囲は十分にカバーできている。
それと、デジタルカメラやスマートフォンのバッテリーを車内で充電できるよう、車両購入時にディーラーオプションの「パワーコンセント」を装備してもらったが、コンセント差し込み口は1つしかないので、一つのコンセントを2つに分岐する電源ケーブルを車内に常備。コンセントに直接差し込むタイプのチャージャーも、これを使えば物理的に干渉せずに済む。また、XVはセンターコンソール内にも、アクセサリーソケット(シガーライターソケット)が装備されていて、ここに「シガーライターソケット用USB電源」を差し込んで、スマートフォンなどの充電を行っている。
脚立の固定方法について
課題だったトランク内の脚立の固定方法もなんとか見つけた。リアのヘッドレストからベルクロ(マジックテープ)の紐を垂らし、リアシート裏側で止めるのだ。ただ、何度もベルクロを貼ったり剥がしたりしていると、リアシート裏側が毛羽立ってきてしまうので、ちょうどベルクロを固定する部分にシート状のベルクロを貼って、シートの傷みを回避している。これで、かなりガッチリと脚立が固定されるので、走行中にガタガタと揺れて、トノカバーに当たって傷をつけたり音を立てることもなくなったし、あまり広くないラゲッジスペースを最大限に活用することができるようになった。
また、三脚を立てて置けない問題については、縮長の短い三脚を追加することで解決。普段は、布製のツールボックスに複数の三脚を入れてトランクルーム内に横置きしているが、荷物が多いときには縦置きできる三脚のみにすればより多くの荷物を積める。
トランクから機材を積み卸しする際に、リアバンパーを傷つけてしまう心配があるので、カーゴステップパネル(樹脂)もいずれ装備したいと思っているが、樹脂の部分に砂や埃などの汚れが溜まって目立ちそうな気も…。これは実際にバンパーに傷が入ってからでも遅くはないかな、と思って保留中の案件だ。
トランクルームのカーゴマットの下には、パンク修理キット(XVには応急用のテンパータイヤが装備されていないのだ)やジャッキなどの標準装備品が収納されているが、その手前にわずかではあるが収納スペースがあり、ここの非常停止板(三角板)やブースターケーブル、牽引ロープのほか(これらは前車からの引き継いだものだ)、雪かき用のスコップ、預けているタイヤのナットなどを入れている。
雪といえば、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤの戻してからなんと1か月後の4月21日に、北日本を中心に季節外れの雪となった。その日、ちょうど信州にいて、冬でもそれほど積雪しないと聞いていた佐久~上田も、高速が一時通行止めになるほど。すでにノーマルタイヤなのでAWDとはいえちょっと焦ったものの、まあ春の雪なので、雪が止めば道路の雪はほとんど溶け、幹線道路は除雪もしっかりされているので、東京の雪のような阿鼻叫喚な事態には陥らず済んだ。むしろ、怖いのは凍結なので、雪と桜のコラボを堪能しつつ、日が暮れないうちに野辺山~清里~須玉方面へ脱出。野辺山付近は道路以外は結構雪が積もっていたが、清里まで来ると雪はほとんどなく、後は中央道をEyeSightのクルーズコントロールを利用してのんびりと帰京。日曜にもかかわらず、午前中の天候が悪すぎたせいか、渋滞もなく、なかなかのよい燃費で戻ることができた。
スタッドレスタイヤを履いたので、チェーンは買っていなかったのだが、春タイヤに履き替えてからの突然の雪に備え、次シーズンはやっぱりチェーンも一応用意しておくべきかな、とも思いつつ、チェーンを買ってもよほどのことがない限り、使わずじまいなんだろうな。だって、面倒なんだもの(笑)。
伊達淳一
1962年生まれ。作例写真家。学研「CAPA」、Impress Watch「デジカメWatch」等でデジタルカメラ評価記事を執筆。レビューする機材の自腹購入が多いヒトバシラーだ。これまで乗ってきたクルマはトヨタコルサ、三菱ランサー、日産ウイングロードと、すべて1.5リッターの2WD。都内を走ることが多く、どちらかといえば小回りが効き、できるだけたくさん荷物を積めるというのがクルマ選びのポイント。今回、自身初となる2.0リッタークラスAWD(4WD)の「スバルXV」を新しい相棒として選んだことで、果たして行動範囲はどう広がるのか? クロスオーバーな日常がスタートした。