ニュース
【オートモビル カウンシル】スバルブースで今秋発売予定の新型「インプレッサ」展示中
中島飛行機製の2列星形14気筒「栄21型」エンジンも
2016年8月5日 15:14
- 2016年8月5日~7日 開催
スバル(富士重工業)は、8月5日~7日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催している「オートモビル カウンシル2016」に出展。今秋に発売予定の新型「インプレッサ」のほか、今年で発売から50周年を迎えるスバル ボクサーエンジンの歴史を振り返るとともに、スバルのルーツとなる中島飛行機が開発し、零戦などに搭載された「栄エンジン」の実物などを展示している。
一般公開に先立って行なわれたプレスカンファレンスでは、スバルブースのテーマについて「懐かしさ憧れ、未来もみんなここにある」というメッセージが込められていると説明された。
スピーチを行なった富士重工業 国内営業本部 マーケティング推進部の中村亜人担当部長は、まずスバルのルーツとなる中島飛行機について語った。
中村氏は「我々の富士重工業は、中島知久平が飛行機研究所を設けた1917年5月を創業としているので、来年で100周年を迎えることになります。中島飛行機は1945年まで存在し、エンジンや機体を独自開発して生産する高い技術力を持ち、従業員数は25万人を誇る世界有数の航空機メーカーでした。富士重工業になっても航空機メーカーとしてエアロスバルや自衛隊練習機、ヘリコプターを開発し、旅客機ではボーイング 787や777の中央翼を製造しています。航空機メーカーがルーツだからこそ、スバルとして変わらぬ物作りの思想があります。それが『乗り物としての機能の本質を追求する』ということ。これこそがスバルのDNAです」と語り、航空機メーカーがルーツとなるスバルのDNAについて説明した。
スバルは来年で中島飛行機としての創業から100周年を迎えるとともに、今年はスバル ボクサーエンジンが発売されてから50周年の節目となっている。
1966年に登場した初の水平対向エンジンを搭載した「スバル1000」について、中村氏は「スバル1000によってスバル ボクサーの歴史は始まりました。当時、普通乗用車に求められたのは広い室内空間を実現することでした。そのため、レイアウトはFFを採用。搭載するエンジンについては、目標としていた広い室内空間の実現と運動性能の両立するエンジンは何か、技術的な目線と性能面から水平対向エンジンの採用にいたりました。諸説ありますが、ピストンが対向して稼動している航空機用の星形エンジンの技術を持っていたからこそ、スバル ボクサーエンジンが開発されたのは事実です。スバル1000に搭載された第1世代のEA型は、1994年のレオーネの生産終了までのあいだ、長きに渡って生産されスバルのクルマ作りの源となりました」とコメント。
現在では3世代目となったスバル ボクサーエンジンには、このように中島飛行機時代の技術が受け継がれているそうだ。
これらのヘリテージをもとに、現在では第3世代となった水平対向エンジンやシンメトリカルAWD、アイサイトといった技術をラインアップモデルに採用し、スバルでは創業当初から変わらないクルマの本質を追求し続けている。また、今秋に登場する予定になっている新型インプレッサや、中期経営計画の「際立とう2020」についても説明された。
「スバルは際立とう2020のなかで、明確に約束する価値を『安心と愉しさ』と定義しています。これまでの安全ではなく安心、走りではなく楽しさへと定義をし直したのです。先日、新型のプラットフォームとなるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の発表を行ないました。これは新次元の安心と愉しさを届ける挑戦であり、グローバルレベルで広めることになります。そのSGPを採用した第1弾モデルが新型インプレッサになります。新開発した水平対向2.0リッター直噴自然吸気エンジンを搭載し、歩行者エアバッグやアイサイトを全車に標準装備しています」と、中期経営計画で新たに定義を行なった安心と愉しさについて触れるとともに、新世代となるSGPを採用した新型インプレッサの優位性を解説した。
オートモビル カウンシルのスバルブースでは、このように過去のヘリテージから最新モデルまでの変遷が一挙に見られるようになっている。