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【オートモビル カウンシル】「MX-5 RF」を中心に過去から現在、未来への流れを展示するマツダブース
「ロードスターRF」は今秋に予約を受け付け、年内に発売予定
2016年8月5日 20:49
- 2016年8月5日~7日 開催
クラシックカーから今後発売予定のクルマ両まで幅広く展示し、日本の自動車文化やヘリテージについて伝える「オートモビル カウンシル2016」が、8月5日~7日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されている。
マツダブースでは「MAZDA DESIGN ELEGANSE」をテーマに、1960年代発表の「R360クーペ」「コスモスポーツ」など歴代のマツダデザインを象徴するクルマから、デザインコンセプトモデル「RX-Vision」までのデザイン変遷を展示。
ブースは白と黒を使ったモダンなデザインで、過去から未来を博物館のように回遊しながら解説付きで見学できる。実車展示だけでなく、コスモスポーツの線図などデザインに関連した展示物も配置され、マツダにおけるデザイン開発の歴史を垣間見ることができる凝った展示となっている。また、別にレポートするが、資生堂がマツダの「魂動(こどう)」デザインを象徴するフレグランスとして開発した「Soul of MOTION」も展示されていて、実際に香りを試すこともできる。
実車展示は「R360クーペ」「コスモスポーツ」「ルーチェ ロータリークーペ」、「サバンナ GT」「ユーノス ロードスター」「RX-Vision」などに加え、初日の8月5日に行なわれたプレス向けセッションでは、2016年ニューヨーク自動車ショーで展示したマツダ「MX-5 RF(日本名:ロードスターRF)」がアンベールされ、これも展示に加わり7台になる。
プレスセッション冒頭では、マツダ 常務執行役員の前田育男氏が挨拶に立ち、「オートモビル カウンシルの開催はとても楽しみにしていました。初めてこのイベントの趣旨を聞いたとき、とても強い共感を覚えました。日本の自動車文化の創生という、文化という視点を忘れがちな自動車企業に対する問題提起であり、クラシックミーツモダンはカーデザイナーとして意識して取り組むべき課題です。クルマ作りにおいては、100年の歴史を持つアジア唯一の自動車立国である日本に、文化の香りが漂うイベントがスタートし、大人のクルマ文化創生に繋がり、グローバルに存在感を示せることを望んでいます」。
「ブースではデザインの歴史を紹介し、それがどう現在に繋がっているのかを表現しています。マツダのデザインの歴史は1960年にデビューしたR360クーペから始まります。日本ではじめて『クーペ』と名乗ったのがこのクルマです。その後、『コスモスポーツ』『ルーチェ ロータリークーペ』など時代をリードする先鋭的なデザインのクルマを登場させました。『サバンナ RX-3』などロータリーエンジンのパフォーマンスを象徴するような力強いパワフルなデザインの時代、初代『ロードスター』、3代の『RX-7』などフォルム、リフレクションの美しさにこだわった時代など、いくつかの大きなデザインチャレンジを経て現在に至っています」。
「クルマに命を与える『魂動』デザインというテーマを持ち、生命感を感じるデザインを作ってきました。現在、『魂動』デザインを昇華させるため『CAR as ART』のスローガンのもと、よりアーティスティックなフォルム作りに挑戦しています。そのビジョンモデルとして『RX-Vision』を昨年のモーターショーでデビューさせました。また、アートの表現を広げるという意味で、インハウスでのパーツ作品作り、工芸の匠とのコラボなど多彩な創作活動も行なっています」。
「その一環として、資生堂とのコラボで新たに製作したフレグランスも展示しています。このステージも建築家の窪田建築都市研究所 窪田茂さんと、アート画像はデザインスタジオのWOWさんとのコラボで実現しました。クルマのアートミュージアムがテーマになっています。いろいろな挑戦があって今のデザインがあり、今のデザインが歴史を輝かせる。クラシックミーツモダンを感じ取っていただければと思います」と、コンセプトやデザインの歴史などを紹介した。
このあと、ステージ上でMX-5 RF(日本名:ロードスターRF)をアンベール。「このクルマはデザイナーとエンジニアとの競作です。この流れるようなファストバック クーペルックは、マツダの優れた『からくり』エンジニアリングがなければ実現しなかったものだと言えます」と前田氏はコメントした。
「MX-5 RF(ロードスターRF)は今年の秋から予約を受け付け、年内には発売する予定」と山本氏
続けて、MX-5 RFを含めたNDロードスターの開発責任者を務めてきたマツダ 商品本部 ロードスターアンバサダーの山本修弘氏からスピーチが行なわれ「クルマはどこまで人を幸せにできるのだろうか。意のままにクルマを走らせる喜びをあらゆる人に感じてもらいたい。そうした思いでロードスターをずっと作り続けてきました。初代の誕生から27年経った今でも、このロードスターに対する思いはなに1つ変わっていません。MX-5 RFはクローズ時の美しいファストバックスタイルと、オープン時の爽快なフィーリングが味わえるクルマです。自分の身体の一部のようにクルマを運転する感覚。究極の人馬一体感と走る喜びの追求は、マツダのクルマに共通する志です。常識にとらわれることなく挑戦した形がこのMX-5 RFです。このクルマの登場によって、心の中に眠っている高ぶりを呼び起こしたいと思っています。気になる発売ですが、今年の秋から予約を受け付け、年内には発売する予定です。ロードスターは、4月22日に累積生産台数100万台を達成しました。この先もファンへの感謝を胸に、“守るために変えていく”挑戦をしていきます。ファンのみなさま安心してください。新たな開発責任者が守っていってくれます」と思いを伝えた。
山本氏はこの7月でロードスターの開発責任者を退任しており、後任として主査になるマツダ 商品本部 主査 兼 デザイン本部チーフデザイナーの中山雅氏が、このプレスセッションでもバトンタッチされる形で挨拶に立った。
中山氏は「私はNDロードスターのチーフデザイナーをしてきました。『デザイナーが主査!?』と思われるかも知れませんが、これも挑戦の1つじゃないかと思っています。歴代エンジニアが主査になるという流れを変えてでもロードスターの志を守るというのが、山本さんからのメッセージだったのではないかと思います。デザイナーですのでエンジニアリングのことは詳しくありません。しかし、私はロードスターを最も愛している人間だと自負しています。私のガレージには初代NAとNDロードスターが仲良く並んでいます。この26年間、ロードスターとともに過ごした時間や経験を糧にして、“守るために変えていく”挑戦を続けていくことをみなさまと約束します。クルマ文化を日本のなかに育んでいくことにも挑戦していきたいと思います。今日ここで、初代NAロードスターのレストアサービスとサービスパーツの維持供給について、マツダとして正式に検討を開始したことを発表します。今後トライアル期間を経て、2017年度後半のサービス開始を目指します。期待してください」と語り、開発責任者としての意気込みと、ロードスターファンには嬉しい発表を行なった。
ブース内には実車以外にも、通常は見ることのできないデザインに関連した展示物も数多く用意されていた。最後にまとめて紹介する。