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トヨタ、新型「GRヤリス」全ラインアップを公表。1.5リッターCVTモデル「RS」や競技ベース用「RC」など

先行予約は日本と欧州で約6000台

2020年6月2日 発表

RS(プロトタイプ)

 トヨタ自動車は6月2日、9月ごろ発売予定の新型車「GRヤリス」の全ラインアップを発表。日本国内では高出力モデルの「RZ」に加えて、CVTモデルの「RS」、競技ベース用の「RC」を設定し、ユーザーのニーズに合わせて3つのモデルをラインアップした。

高出力モデル「RZ」

 高出力モデル「RZ」は、走行安定性や圧倒的な加速と気持ちのよいエンジン回転数の伸びを体感できるモデルとして設定。

 最高出力200kW(272PS)、最大トルク370Nmを発生する新開発の直列3気筒1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載。トランスミッションは6速MTの「iMT」を採用。駆動方式に多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用の新開発スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を採用した。

 RZのHigh performanceには「BBS製 鍛造アルミホイール」「ミシュラン製 Pilot Sport 4S ラジアルタイヤ」「前後トルセンLSD」が設定される。

CVT採用の「RS」

RS(プロトタイプ)

 GRの走りを気軽に楽しめるモデルとして設定された「RS」は、最高出力88kW(120PS)、最大トルク145Nmを発生する直列3気筒1.5リッターエンジンを搭載。トランスミッションはCVTの「Direct Shift-CVT」を採用。駆動方式は2WD(FF)となる。

 Direct Shift-CVTは発進用ギヤを追加し、低速から高速域まで力強くダイレクトな走りを実現。マニュアル感覚の操作が楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックのパドルシフトを備える。

RSのインテリア
RSのスポーツシート

競技ベース用モデル「RC」

 競技ベース用モデルとして設定された「RC」は、「RZ」と同様の直列3気筒1.6リッター直噴ターボエンジン、スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」、6速MT「iMT」を採用。ディスプレイオーディオレスなど、走りに必要なモノ以外を極力排除した軽量モデルとしている。

 GRヤリスは、TOYOTA GAZOO Racing WRT(World Rally Team)に学んだ「WRCで競争力あるクルマづくり」や開発初期からの社外プロドライバーによる評価によって、世界のあらゆる道でも思い通りに操れ、「誰もが安心して意のままに運転できる」クルマとして誕生。

 具体的には、アッパーボディにアルミ素材のエンジンフード、バックドア、ドアパネルに加え、形状自由度の高いSMC工法で成形されたCFRP素材のルーフパネルを採用。軽量化を図りながら優れた空力性能を示す強固な3ドアタイプのキャビンとした。さらに、前後のサスペンションセッティングの最適化を行なうなど、WRCを通じてユーザーが普段走っている世界のさまざまな道を知り、人とクルマを鍛える「もっといいクルマづくり」で蓄積してきた知見やノウハウを注いだオリジナルモデルと位置付けている。

 なお、生産については、数々のスポーツモデルを造り込んできた元町工場に専用ラインの“GR FACTORY”を新設して、「匠」の技能を有する従業員が組み立て準備を進めている。

先行予約は日本と欧州で約6000台に

 すでにWeb予約の受付を開始したGRヤリスは、現在、日本と欧州で約6000台の先行予約があるという。

 日本国内で先行Web予約を開始している限定モデルの特別仕様車 RZ“High-performance・First Edition”と特別仕様車 RZ“First Edition”の受付期間は6月30日まで。

RZ“First Edition”の「マーブル柄カーボンルーフ」
RZフィルム調カーボンルーフ

 先行予約限定モデルでは、マットブラック塗装の仕様を用意。さらに今回「マーブル柄カーボンルーフ」「エモーショナルカラー プレミアムスポーツシート」をメーカーオプションとして設定。また、「モリゾウサイン」が入ったウインドシールドガラスが特別装備されるという。

「モリゾウサイン」が入ったウインドシールドガラス

 今後、先行予約者は指定の販売店で7月中に商談を行ない、成約後は予約順に優先的な生産を予定。先行予約者にはGRヤリスの魅力が詰まったスペシャルコンテンツムービーを配信するとともに、成約者にはWRCラリージャパンチケットとGRヤリスのオリジナルミニカーの成約特典が用意される。