独BMW、プラグイン・ハイブリッド・スポーツカー「i8 コンセプト」
モーター+3気筒ガソリンターボでシステム出力260kW

2011年7月29日発表



 独BMWは29日、次世代モビリティのためのサブブランド「BMW i」から発売される車両「i8 コンセプト」を正式発表した。BMW iブランドについては別記事を参照されたい。

 i8 コンセプトはプラグイン・ハイブリッド・システムを採用したスポーツカーで、2009年のフランクフルト・モーターショーで発表されたコンセプトカー「ビジョン・エフィシエント・ダイナミクス」をベースとする。

 基本的な構造やルックスはビジョン・エフィシエント・ダイナミクスとほぼ同様だが、エンジンはディーゼルからガソリンターボに改められた。

 

i8のライフ・ドライブ・アーキテクチャー

 パワートレーンはリアアクスルに置かれた3気筒ガソリンターボエンジンと、フロントアクスルに置かれたモーター。バッテリーはリチウムイオンで、前後アクスル部をつなぐ「エネルギー・トンネル」と呼ばれる部分に搭載される。モーターのみで最大35km走行することができるほか、バッテリー容量が低下した場合は、走行しながらエンジンでジェネレーターを駆動して充電することもできる。

 BMW iの車両に共通するボディー構造「ライフ・ドライブ・アーキテクチャー」を採用しており、パワートレーンを収めたアルミ製の前後アクスル「ドライブ・モジュール」を、CFRPのパッセンジャールーム「ライフ・モジュール」がつなぐ。

 アルミ、CFRPといった軽量素材を使用することでモーターやバッテリーによる重量増を相殺し、航続距離の伸長やドライバビリティの改善につなげる。また各モジュールのレイアウトを最適化することで、50:50の前後重量配分と低重心化を図った。

 2枚のドアはAピラーに固定され、上方に旋回して開く。2+2シーターの室内には、ドライバーの前とセンターコンソールに8インチのディスプレイを装備。モーターとエンジンの状態が2つの楕円形で表示されるほか、3Dカーナビなども表示できる。

 ナビゲーションシステムは、目的地を入力するとモーターとガソリンのエネルギー消費を最適化するよう、ドライブトレーンを管理する。

 ドライビングモードには通常モードのほか、スポーツ・モードとECO PROモードを備える。ECO PROモードではアクセルペダルの踏み込みに対する出力が弱くなり、エアコンによるエネルギー消費を下げる。よりエネルギー消費を抑えたい場合のためにECO PRO+モードが用意されている。ECO PRO+では、エアコンなどはできる限り停止し、シート・ヒーター、ミラー・ヒーター、デイ・ランニング・ライトなどを停止し、最高速度が90km/hに制限される。

 このほか車外からリモートで車両の状態を把握し、バッテリーの充電や、乗車前に室温を調整しておく「プレコンディショング」などを行うことができる。

 

i8 コンセプト
全長×全幅×全高[mm]4632×1280×1955
ホイールベース[mm]2800
重量[kg]1480
システム出力[kW/Nm]260/550
エンジン出力[kW/Nm]164/300
モーター出力[kW/Nm]96/250
最高速度250km/h
0-100km/h加速[秒]4.6
EUサイクル燃費(L/100km)2.7
充電時間100%まで1.45時間

 

(編集部:田中真一郎)
2011年 7月 30日