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トヨタ、「もっといいクルマづくり」に向けての「TNGA」取り組み状況

商品力の飛躍的向上と原価低減を同時に達成

TNGAのベースとなるトヨタグローバルビジョンについて発表する豊田章男社長(2011年3月9日撮影)
2013年3月27日発表

 トヨタ自動車は3月27日、「もっといいクルマづくり」に向けて、商品力の飛躍的向上と原価低減を同時に達成するトヨタの新しいクルマづくりの方針「Toyota New Global Architecture」(以下、TNGA)の具体的な取り組み状況を公表した。公表内容は、以下の5点について。

1.商品力の向上
 クルマを骨格から変え、低フード化、低重心化を実現し、かっこいいデザイン、良好な視界確保、運動性能の向上など、お客様の感性に訴えるクルマとなるよう、次期プラットフォームを開発し、2015年に発売する新型車より順次導入する。まずは「走る」・「曲がる」・「止まる」に関わる基本部位(プラットフォームやユニットなど)の性能をレベルアップし、「もっといいクルマ」の実現をめざす。また、クルマの中核となるパワートレーンユニットについても、低重心・高性能なユニットを新開発し、順次搭載していく。

2.グルーピング開発による「もっといいクルマづくり」と開発効率化
 TNGAの開発プロセスでは、まず中長期の商品ラインアップを確定し、それらに搭載するユニットやその配置、ドライビングポジションなどをトヨタの「アーキテクチャー」(クルマづくりの設計思想)として定める。そして、定められた「アーキテクチャー」に基づき、複数車種の同時開発を行う「グルーピング開発」により、部品・ユニットの共用化を進め、「もっといいクルマづくり」と開発の効率化を推進する。なお、部品・ユニットにより異なるが、TNGAの導入により、20~30%の開発効率向上をめざし、その結果として得られたリソーセスを、さらに「もっといいクルマづくり」に投入していく。

3.ものづくり改革
 仕入先と調達(部品・ユニットの調達を担当する部門)・生産技術(生産技術を担当する部門)・技術(研究・開発を担当する部門)の各部門が四位一体の活動により、よりつくりやすく、よりシンプルな、部品・ユニットの構造を実現する。

 これにより、シンプルでコンパクトな製造工程づくりができ、これまで以上に一つひとつの部品をつくりこみ、より高い品質を確保する。

4.グローバル標準への取り組み
 従来はトヨタ専用規格に準じた部品開発であったが、今後は多数の自動車メーカーがグローバルに採用している標準部品も採用できるよう、グローバル標準規格に対応する。

5.TNGAと連動した調達戦略
 調達部門では、「グルーピング開発」による部品・ユニットの共用化に対応し、複数の車種をまとめて、グローバルに、車種・地域・時間をまたいだ「まとめ発注」を実施し、さらなる競争力確保を進めていく。

 トヨタは、トヨタグローバルビジョンに基づき、「もっといいクルマづくりを通じて、豊かな地域社会づくりに貢献し、『いい町・いい社会』の一員として受け入れられる企業市民を目指す」ことを念頭に、これからもお客様の期待を超えるクルマづくりに取り組んでいく。

 同社は、トヨタグローバルビジョンに基づき、「もっといいクルマづくりを通じて、豊かな地域社会づくりに貢献し、『いい町・いい社会』の一員として受け入れられる企業市民を目指す」ことを念頭に、これからもお客様の期待を超えるクルマづくりに取り組んでいくと言う。

(編集部:谷川 潔)