ニュース
スバル、2013年3月期通期決算は販売台数、売上高ともに過去最高
2016年度に北米市場で38万台の販売計画は、2年前倒しで達成可能な見込み
(2013/5/8 20:32)
スバル(富士重工業)は5月8日、2013年3月期通期決算を発表した。
スバルの2013年3月期世界連結販売台数は72万4000台(前年同期比13.2%増)、同売上高は1兆9130億円(同26.1%増)となった。営業利益は1204億円(同173.9%増)、経常利益は1006億円(同169.9%増)、当期純利益は1196億円(同211.0%増)となり、販売台数、売上高、各利益段階ともに過去最高を記録した。為替レートは1ドルあたり82円。
富士重工業 代表取締役社長の吉永泰之氏はこの要因ついて「スバルらしい商品の投入」「米国市場中心の販売台数拡大」「工場の高操業」「原価低減活動」「年度後半からの円高是正効果」の5つを挙げた。特にインプレッサが全ての市場で販売数を伸ばしたほか、BRZの投入なども販売台数が増えた原因としている。
円高是正効果については「元々商品が好評であったところに円高が是正され、さらに利益が押し上げられた形となった。大元での取り組みが評価されていたからこその結果と考えている」と説明した。
2011年度から2015年度までの5年間を対象に推進している中期経営計画“Motion-V(モーションファイブ)についても触れた。同計画では2016年3月期に85万台を販売する計画だが、特に米国での販売台数が伸び続けており、2013年度の販売台数72万4000台のうち、最も多くを占める39万台が北米市場、16万3000台が日本市場。残り17万2000台を欧州・ロシア、中国などの国が占める。
米国での2014年度販売台数は38万5000台を見込んでおり、中期経営計画で計画されている2016年度に北米市場で38万台を販売する計画は、2年前倒しで達成可能な見込みとなった。
4月に入ってからも米国市場は好調で、フォレスターが月間9000台の販売を記録。新型車両が投入されると他のモデルは販売台数が落ち込むのが通例だが、アウトバックなどの車種の販売数は低下せず、フォレスターや、昨年10月から米国で販売を開始しているXVなども合わせ、既存車両の販売数に新規車両がそのまま乗っている形となっていると言う。
また、米国での販売が好調なことをうけ、米国内の生産工場であるSIAの生産能力を増強する。既存ラインの拡張やブリッジ生産、塗装工場新設などに4億ドルを投じ、現地で900名の従業員も新たに採用する。
SIAの生産能力はトヨタの受注車両10万台を含めると現在は年間30万台の生産能力がある。このうち20万台がスバル車のラインだが、これをさらに10万台増強する計画で、2016年にはスバル車だけで30万台の生産体制を確立する。車種は現在のレガシィ、アウトバックに加え、インプレッサの現地生産も開始する。
スバルは2013年の初夏に同社初のハイブリッド車の販売を予定しているが、これについて吉永氏は「将来の電動化社会にむけた製品。電動化時代のスバルのあり方、スバルはどう生きるかを示す」と説明。
同氏は中期経営計画について「集中・差別化・付加価値戦略の3つを軸にやっている。スバルは自動車メーカーとしては規模の大きな会社ではない。経営資源を得意分野に集中し、差別化することでスバルならではのクルマを作ることができた」と2011年からの取り組みが順調に推移している点を強調した。
2014年3月期の計画では、さらに連結販売台数を伸ばし、75万2000台を目指す。為替レートは2013年度よりも8円円安となる1ドルあたり90円を見込んでおり、売上高2兆500億円、営業利益1800億円を計画。台数、売上高、営業利益等で2年連続の過去最高を見込んでいる。