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ダイハツ、首相夫人の安倍昭恵氏と“農業女子”が出席した「ハイゼット トラック」発表会
農林水産省の「農業女子プロジェクト」に参加し女性ならではのデザインや装備を盛り込む
(2014/9/3 00:00)
ダイハツ工業は9月2日、軽トラックの「ハイゼット トラック」を15年ぶりにフルモデルチェンジして同日から全国で発売した。UVカットガラスなどを装備した「農業女子パック」も用意されるハイゼット トラックの発表会には、“農業女子”と首相夫人の安倍昭恵氏、農林水産大臣なども出席した。
ニーズの変化に合わせたフルモデルチェンジ
今回のモデルチェンジについては、ダイハツ工業 取締役社長の三井正則氏が「ニーズが大きく変化していることが分かり、多様なお客様のご要望に応えるように商品力を大幅に向上させた」と述べ、時代に求められる安全性や経済性のほか、ユーザー比率における農業利用者、高齢者、女性ユーザーの割合増加に合わせたものになったとした。
また、農林水産省の「農業女子プロジェクト」にダイハツ工業は自動車メーカーで唯一参加。このプロジェクトで開発された女性ならではのデザインや装備も新型ハイゼット トラックに盛り込まれているとした。
このプロジェクトは、ダイハツをはじめとするプロジェクトに賛同した企業と女性農業者が協同して、新たな商品やサービス、情報などの開発を行うもの。農業女子の定着だけでなく、企業とのビジネス化、生産物の付加価値化を行っていくというものとなる。
新型の開発では全国各地の軽トラックユーザーを訪問し、徹底的にヒアリングを行って進められた。その結果、新型のポイントは4つで、「仕事がしやすい」「経済的」「頼れる」「選べる」となっている。全体的な改良点はこちらの関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140902_664731.html)のとおり。
この4つのうち、「選べる」という点では全8色のボディーカラーと用途別のオプション「ぴったり ぴっく!」を用意した。また、業務によっては必須となる防錆装備を充実させた「ストロング防錆パック」といったものから、フロントと運転席側のウインドーにスーパーUV&IRカットガラスを採用し、バニティミラーやスーパークリーンエアーフィルターなどを装備する「ビューティーパック」といったセットオプションまで用意される。さらに「農業女子パック」ではビューティーパックの内容に加えて、ボディー同色のカーオーディオベゼルなどをまとめた「選べるカラーパック」もセットにしたものとなる。
なお、ダイハツ工業の技術副本部長で執行役員の上田亨氏によれば、UV&IRカットガラス、バニティミラー付きサンバイザー、豊富なボディーカラーなども農業女子プロジェクトから生まれた装備の1つだと紹介している。
さまざまな場所で展示イベントを開催
今回は農業に焦点を当てた発表会となったが、これは、ハイゼット トラックを農業に利用する比率の増加によるもの。2005年は全体の37%が農業利用だったのに対して、2012年は47%と増加している。これは、ダイハツ工業 営業本部長 専務執行役員の堀井仁氏によれば、小売業や建設業の分野で利用が減っているためで、結果的に農業利用の割合が増えているという。
発売の9月2日から、すでに業販店を含めたダイハツの看板を掲げる販売店に試乗車や展示車を配備。特にハイゼット トラックの7割以上を販売している業販店での展開を重要視する考えも示した。
販売店以外では、軽トラックユーザーが身近に感じられる場所での展示も推進していく。具体的に決まっている内容では、ホームセンターの「コメリ」とタイアップ。コメリの店舗で常設展示やイベントなどを開催し、ニューモデルの認知を促進する。さらに、農業に従事する人の日々の生活動線に近い「道の駅」などでも軽トラックの荷台を活用した「軽トラ市」を開催。JA(農協グループ)や漁協での展示も積極的に推進していくという。
また、農業女子プロジェクトの参画企業である東急ハンズでは、札幌店で9月22日~23日に展示を実施。北海道の農業女子プロジェクトメンバーがハイゼット トラックの荷台を活用したマルシェを行い、農業女子の生産品、あるいはグッズを販売する予定という。
安倍昭恵夫人や農業女子も参加した発表会
今回の発表会では、“農業女子”5名に加え、農業女子プロジェクトに関わる多彩なゲストが登壇。総理大臣夫人の安倍昭恵氏、農林水産大臣の林芳正氏をはじめ、農林水産省や参画企業からも担当者が参加して、それぞれがプロジェクトに対する思い入れを語っている。
以前、ダイハツの「アトレー」に乗っていたという安倍昭恵氏は、安部首相の地盤でもある山口県下関市で無農薬の米を作っている。下関市で開催される「軽トラ市」に米を出品したいと考え、軽トラの購入を検討したことがあるというエピソードも披露。その際は購入には至らなかったものの、ボディーカラーが豊富なハイゼット トラックを見て「もし、次に買うことがあるなら欲しいなあ」と口にした。また、農業女子プロジェクトの盛り上がりに対し「農業というのは“もっとかっこよい仕事なのではないか”と世間にアピールできるのではないか。大企業勤めではなく農家を目指す、そういう世の中になればなと思っている」と期待を寄せた。