日産とNEXCO西日本、高速道路の逆走を知らせるカーナビを共同開発
10月26日発表の「フーガ ハイブリッド」に世界初搭載

高速道路で逆走するとカーナビの画面と音声によって注意喚起する

2010年10月25日発表



 日産自動車とNECXO西日本(西日本高速道路)は10月25日、GPSを活用した「逆走報知ナビゲーション」を開発したと発表した。高速道路を逆走すると、カーナビの画面と音声で逆走をドライバーに知らせる仕組みで、10月26日発表予定の「フーガ ハイブリッド」に世界初搭載すると言う。

 逆走の検知は、GPS、地図、車速などを元にして判断する新た逆走判定ロジックによって行われる。地図から車両前方にある分岐・合流に逆走判定エリアをリアルタイム生成し、その判定エリアを一度通過し、再度エリアに進入することによって逆走を判断する。

 これによってIC(インターチェンジ)、JCT(ジャンクション)、SA(サービスエリア)付近の分岐および合流点を逆走すると、カーナビの画面と音声によって注意喚起が行われる。

 この逆走判定ロジックは、既存の地図データベース部分に変更を加えず実現でき、カーナビのプログラム処理の追加のみで実現可能。このため、新しい高速道路の情報が追加された場合でも、すぐに逆走の検知が可能。また、今回開発された技術は、市販のカーナビにも実装可能な技術となっている。

 なお、今回の開発は、日産自動車とNECXO西日本が高速道路の安全・快適な利用のために、ITなどを活用した道路情報提供システムに関する共同研究の成果の1つ。

 作動状況確認のため、NEXCO東日本(東日本高速道路)、NEXCO中日本(中日本高速道路)の協力も得て全国の高速道路で実走テストを行ったと言う。

分岐や合流の情報を逆走の判定に用いる逆走報知画面

アイハイウェイの提供例

 そのほか、テレマティクス(通信情報技術)を活用した両社の共同研究の実用化案として、NEXCO西日本管内29カ所で長い下り坂での「速度超過注意」や、渋滞の原因となるサグ(登坂開始)地点での「速度低下注意」、NEXCO西日本SHD(西日本高速道路サービス・ホールディングス)が運営しているハイウェイ道路交通情報ケータイサイト「アイハイウェイ」の簡易図形や、文字情報・音声をカーウイング上で提供している。

 現在はプローブデータや道路管制情報などを活用し、以下の共同研究を行っている。

・高速道路の所要時間提供サービスの精度向上に関する研究
・高速道路上の車両運転挙動を分析することにより、交通事故を未然に防止するシステムの研究
・ドライバーの運転特性を把握し、個々のドライバーの安全運転意識の向上を図るシステムの研究

(正田拓也)
2010年 10月 25日