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フリースケールとアルプス電気、次世代テレマティクス/先進運転支援システム(ADAS)向けコネクティビティモジュール
(2014/10/1 16:24)
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは9月30日、アルプス電気との協業による次世代テレマティクスおよび先進運転支援システム(ADAS)向けのコネクティビティモジュールを発表した。
フリースケールは米国の半導体メーカーFreescale Semiconductorの日本法人。コンシューマ向けの製品をリリースしているわけではないので、一般にはあまり馴染みがないかもしれないが、PCに詳しいならモトローラの半導体部門が独立した企業、またレース好きにはSUPER GTにおいてGT300クラスの「OGT Panasonic PRIUS」のファイナンシャルスポンサーといえば分かりやすいかもしれない。加えて後者では単純なスポンサードに留まらず、同社が提供する半導体を利用した車載システムを搭載、レーシングカーを使って実証実験を行っていたりもするなど、チャレンジングなカンパニーだ。
今回発表されたのは、同社の「SABRE(セイバー:Smart Application Blueprint Rapid Engineering)」ボード用のサブモジュールで、「LTE/3G/2G通信モジュール」「5.9GHz V2Xモジュール」「5GHz/2.4GHz WiFi/Bluetooth通信モジュール」の3タイプ。2番目は少し耳慣れない規格だが、これは海外向けの周波数で路車間、車車間通信に使われるもの。モジュールには同社のSoC(System on a Chip)i.MX6アプリケーションプロセッサが組み込まれている。
こうした通信システムの強化はナビゲーションやドライブレコーダー、サラウンドビューなど車載用システムの高性能化および複雑化、さらには今後進化が予測されるADASや自動運転などが背景にある。モジュール化することで必要な機能を集約できるため個別の設計が不要になり、開発の迅速化やより高い信頼性の確保などが可能になるというわけだ。
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン代表取締役社長 デビッド M・ユーゼ氏は、2~3年前、フリースケールはコネクティビティがなくて困っていたと語り、そこで「2012年からアルプス電気と一緒に非常に優れたモジュールソリューションを開発してきた。2014年のものは大幅に違う機能を付け加えた」といい、「私どものSoCと組み合わせることで、エンドユーザーやクルマを購入する皆様に、より便利な、よりユニークなソリューションを提供できるようになる」と語った。
また、アルプス電気 M6技術部 部長 泉英男氏は、車載システムは車内のみで完結するのではなく「ビッグデータやプローブデータとしての活用、そのほか保険会社が料金を変動制にするということも海外では動き始めている」と述べるとともに、ADAS関連として「自動運転も視野に入ってきているが、路車間、車車間通信は日本でも来年から試験運用が始まり、2020年には米国でも車車間システムを導入する方向で動くなど、世界的に注目が高まっている」と説明。そこで「2014年のテーマはインビークルインフォテイメントから車外との通信、コネクテッドビークルを拡充することによってi.MXとの親和性をあげて、トータルソリューションを提供できるとして開発を進めてきた」と説明を行った。