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フリースケール、アイドリングストップ時代を見据えたインテリジェント・バッテリ・センサ「MM9Z1J638」など
12V/24V鉛蓄電池、14Vリチウムイオンバッテリのステータスを管理
(2014/4/14 18:41)
半導体メーカーのフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは4月14日、インテリジェント・バッテリ・センサ「MM9Z1J638」、QorIQ次世代通信プロセッサ LS2ファミリ「QorIQ LS2085A / LS2045A」、Tシリーズ「QorIQ T1024 / T1023 / T4080」に関する製品説明会を開催した。
インテリジェント・バッテリ・センサ「MM9Z1J638」が車載向け製品となるため、本記事では同製品を中心に取り上げる。
インテリジェント・バッテリ・センサについて説明を行ったのは、同社アナログ&センサ製品本部 本部長 遠藤千里氏。遠藤氏は、このインテリジェント・バッテリ・センサが4月8日~11日まで米国で開催された「フリースケール・テクノロジ・フォーラム」で発表された製品であることを紹介した後、インテリジェント・バッテリ・センサのマーケットについて説明を行った。
マイコン内蔵のセンサでバッテリを管理するとなると、どうしてもハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車が思い浮かぶが、それらの台数は自動車全体の5%程度となる。今回同社が市場投入するインテリジェント・バッテリ・センサは、従来タイプのバッテリである12V鉛蓄電池、14Vリチウムイオンバッテリ、そしてトラック用の24Vバッテリに対応する。これは、市場においてアイドリングストップシステムなどが急速に普及しており、従来タイプのバッテリにおいてもより高度なバッテリ状態の把握が必要となっていることがある。
MM9Z1J638は、バッテリ状態を把握するために、独立した3つの16bit ADCを内蔵。電圧(4セル個々に測定可能)、電流、温度を測定できる。その測定結果を演算するために16bitのS12Zマイコンを内蔵。「ほとんど32bitマイコン」(遠藤氏)というように、ALUは32bit、メモリバスは32bitでリニアに16MBアドレスでき、FPUも内蔵と高機能。I/Oアドレスが16bitとなっているため、16bitマイコンと表記されている。このマイコンによる演算結果として、State of Charge(SoC)、State of Health(SoH)、State of Function(SoF)を得ることができる。
そのほか、LIN(Local Interconnect Network)については物理層も搭載、CAN(Controller Area Network)についてはコントローラを搭載する。パッケージは7mm×7mmの48ピンQFNで、AEC-Q100認証を取得している。
内部構造的には、アナログセンサー部とマイコン部は別基板となっており、ノイズ面に配慮。CANの物理層については、UPSやESS(エナジー・ストレイジ・システム)などの汎用用途も視野に入れているため、別途必要となる。遠藤氏によると、このジャンルの製品としてADCを3つ独立搭載するのは初めてとなり、初のCANコントローラ搭載製品となる。
QorIQ次世代通信プロセッサ LS2ファミリ「QorIQ LS2085A / LS2045A」、Tシリーズ「QorIQ T1024 / T1023 / T4080」については、同社デジタル・ネットワーキング製品本部 浜野正博氏が説明。車載用途の製品ではないため、資料を掲示するにとどめる。
なお、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンでは、組み込み製品に関するイベント「フリースケール・テクノロジ・フォーラム Japan」の開催を10月6日にザ・プリンス パークタワー東京で予定している。詳細は今後順次発表されていく。