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ランボルギーニ、2016年のSUPER GT 300に4台の「ウラカンGT3」投入!!
米国のブランパン・スーパートロフェオで発表、チームはJLOCとディレクション・レーシング
(2015/11/23 06:00)
- 2015年11月21日(現地時間)発表
イタリアのスーパーカーメーカー「Automobili Lamborghini」(以下、ランボルギーニ)は、11月19日~22日(現地時間)の4日間に渡り、米国フロリダ州セブリング市にあるセブリング・サーキットにおいて“Lamborghini Blancpain Super Trofeo Sebring World Final 2015”(以下、ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ セブリング ワールドファイナル 2015)を開催した。
ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオは、スーパーカー「ウラカン」をベースにしたレース車両「ウラカン LP620-2 スーパートロフェオ」ないしは「ガヤルド」をベースにしたレース車両「ガヤルド LP570-4 Super Trofeo」を利用したランボルギーニのワンメイクレースで、欧州、北米、アジアの3つのシリーズが年間を通して行われている。今回行われたWorld Finalは、3つのシリーズの上位ランカーを集めて行われる特別戦で、シーズンを締めくくる1戦となる。
ランボルギーニはランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオの会期中に記者会見を行い、2016年のシリーズの概要や、2016年度のモータースポーツ活動などに関しての発表を行った。ランボルギーニ モータースポーツ責任者 ジョルジオ・サンナ氏は「来年もスーパートロフェオを欧州、北米、アジアで開催するほか、FIA-GT3ベースのレースに力を入れていく」と述べ、そのスライドの中で、同社が2015年にGT3市場向けに投入した「ウラカン GT3」を、SUPER GTにも参戦させることを明らかにした。
記者会見後のインタビューにおいてサンナ氏は「ディレクションレーシングとJLOCの2つのチームから合計4台のウラカン GT3がGT300を走る予定だ」と述べ、ウラカン GT3のSUPER GTでの活動計画を明らかにした。
ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオは成功を収めている
ランボルギーニCEO ステファン・ウインケルマン氏は記者会見の冒頭で、ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオの概要を説明した。「ランボルギーニにとって非常に重要な取り組みだ。2009年に欧州でスタートし、その後アジア、3年前に北米でも開始した。毎年グリッドに参加する台数は増えており、2015年はシリーズ全体で84台もの車両が参加するようになっている」と述べ、シリーズが毎年成長していることを強調した。
ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオは、「ウラカン LP620-2 スーパートロフェオ」や「ガヤルド LP570-4 Super Trofeo」によるレースシリーズ。参戦チームは、ランボルギーニから車両を購入し、スポンサーや、ジェントルマンドライバーと言われる富裕層でかつレースを楽しみたいドライバーを探して参戦する形となる。
このため、クラスはプロドライバーのPROクラス、プロとアマチュアの中間となるPro-AMクラス、ジェントルマンドライバー向けとなるAMクラスに分かれており、どのクラスも激しい戦いが繰り広げられている。
欧州、北米、そしてアジアの3つの地域で行われており、例えばアジアであれば、ディレクション・レーシングのような、SUPER GT/GT300にも参戦しているような日本のチームも参加している。今回セブリング・サーキットで行われたワールドファイナル 2015は、その欧州、北米、アジアの3つのシリーズの上位ランカーが参加するレースで、タイトルどおり世界一決定戦となる。
シリーズは、スイスの時計メーカー「Blancpain(ブランパン)」、そしてインドネシアの「Pertamia(プルタミナ、インドネシア国営の石油会社)」の後援で行われており、タイヤを供給するピレリも含めて壇上に呼ばれ、紹介された。
日本のSUPER GTを含む世界各地のレースにウラカン GT3が走る
ランボルギーニ モータースポーツ責任者 ジョルジオ・サンナ氏は、同社の2016年のモータースポーツ活動に関しても説明した。サンナ氏はヨーロッパ、アジア、北米の来シーズンの予定について発表した。「今シーズン成功したクアラルンプールの市街地レースを引き続き行うほか、来年は鈴鹿サーキットでも6月にレースを行う」と述べ、今年は富士スピードウェイでの開催だったアジアシリーズの日本での開催を、富士と鈴鹿の2戦に拡大するとした。このほか、北米では、ボストンでの市街地レースを計画するなどしており、来年に向けて規模を拡大していくと説明した。なお、今年は米国で行われたワールドファイナルに関しては、2016年はスペインのバレンシアサーキットで11月に行う予定も明らかにした。
また、昨年ランボルギーニが販売を開始した、FIA-GT3規格のレーシングカーとなるウラカンGT3でのレース参戦についても説明し、「我々は欧州のブランパンGTシリーズに参戦し、2勝を挙げることができた。かつこれは我々がジュニアドライバーとして育成してきたドライバーにより達成したことで、意味が大きい」と述べ、引き続きGT3のレースに力を入れていくことを明らかにした。
サンナ氏は「GT3では、ワークス活動だけでなく、カスタマーのプログラムを支援していくことが大事だ。北米では5台、欧州では21台、そしてアジアでは7台のウラカンGT3が走る予定だ」と述べ、スライドにはその7台の中に日本のSUPER GTのGT300が含まれるとした。
現在ランボルギーニは、JLOC(ジェイロック)チームから2台のガヤルドGT3(ウラカンGT3の前世代のモデル)を走らせている。ウラカンGT3自体は、今年の年初に発表されたので、シーズン途中での投入も可能だったが、今シーズンは投入が見送られていた。
サンナ氏は記者会見後に行われたグループインタビューで「我々は6月に鈴鹿サーキットでウラカンGT3をテストした。なぜならば、日本のSUPER GTはタイヤも違うし、日本のサーキットも路面もヨーロッパとは異なる。そこで、GT300に参戦するにはもっと準備をしてからの方がよいと判断した」と述べ、現状を説明した。では来シーズンはどうかと聞くと、サンナ氏は「来シーズンは、4台のウラカンGT3がGT300を走る予定だ。JLOCとディレクション・レーシングという2チームが走らせる」と述べ、来年はGT300に参戦する計画であることを明言した。
GT300クラスでは、アウディやBMWなどがワークス待遇のチームを参戦させているが、ランボルギーニにそのような計画はないのかと聞くと「今の時点ではないが、我々も毎レースにエンジニアを派遣してチームをサポートしている。それによりワークス待遇と同じような効果を得ていると考えている」と述べ、ランボルギーニ自身がワークス体制で参戦することは否定したが、チームのサポート体制は充実させていきたいと説明した。
サンナ氏は「SUPER GTはアジアで最も重要なGTカーシリーズだ。これまで以上にサポート体制を充実させていき、チャンピオンを獲りたい」と語り、JLOCとディレクション・レーシングを強力にバックアップしていく。