飯田裕子のCar Life Diary
ドライブレコーダー
(2013/4/11 18:21)
生きるって大変です。日々、いろんな不安を抱えているのは誰でも同じでしょう。風邪をひいたらどうしよう。お腹をこわしたらどうしよう。日焼けしてシミやシワが増えたらどうしよう。寝坊したらどうしよう。これ以上体にお肉がついたら(太ったら)どうしよう、っていうのは極めて個人的なことですが、まったく……ちょっと考えても“どうしよう”なことばかり。しかしまあ、ここは笑うところ、でいいんです。
時には笑えないこともあるわけで、私たちは常にさまざまなリスクや不安を抱えているのは仕方がないことではないでしょうか。Wikipediaには、「リスク」とは「一般的には、ある行動に伴って(あるいは行動しないことによって)、危険に遭う可能性や損をする可能性を意味する概念と理解されている」とあります。仮にどんなに自分がリスクマネージメントをしていたとしても、危険に遭う可能性や損をする可能性のある身近なもののひとつがクルマの運転です。想像したくないけれど、万一事故やトラブルに遭ってしまったときに、状況を正しく記憶し説明ができるかというと、必ずしもそうではないと思うからです。
実は、私にも経験があります。免許を取って4年目に入った冬の寒い朝、通勤途中の橋の上が凍結していて、地元の人なら凍結していようがいなかろうが冬の朝晩は十分注意をして走行する場面でしたが、対向車の1BOX車がスピンして横を向き、対面道路をほぼ塞ぐようにして私のほうに向かってきたのです。私はハンドルを切って避けたものの、避けきれる状況ではありませんでした。自分が想像していた以上に大きな事故に遭ってしまったのです。
今ここで事故の詳細や過失割合の話をしたいのではなく、このとき自分がハンドルを左に切って1BOX車を避けようとしたのですが、病院でドクターに事故の状況を説明しようとするも、どちらの方向にハンドルを切ったかすら記憶が曖昧。事故車の写真や警察の検証から「あ~、やっぱり左に避けのだった」と正しく状況を認識したのでした。
クルマ通勤を始めて1年以上。周囲に住宅地もなく、毎日決まった通勤路を通うことで、「万一ここで事故に遭ったらどうしよう……」という緊張感が薄れていたのも事実です。しかし、それでも事故に遭って状況を把握しきれなかったことはショックであり、意外でした。今ならもう少し状況の把握もできるかもしれませんが、「そんなつもりじゃなかった」というときに起きてしまうのがクルマのアクシデントなのかもしれません。そして、そういう不安やリスクを感じているなら、ドライブレコーダーのような走行記録機器の搭載は心強いのではないかと思ったのです。
ドライブレコーダーはこれまではタクシーやトラック、バスなどプロドライバーの搭載がメインユーザーだったそうですが、昨年、京都で起きた暴走事故などドライブレコーダーで撮影した映像がTVなどで頻繁に使われるようになってから、一般ドライバーのニーズが一気に高まっているのだとか。オートバックスでは昨年の売上がそれまでの5倍になり、中には製造が間に合わなかったり品薄になっている商品もあるのだそうです。お値段も1万円を切るものからあり、機能もさまざま。今後はますます製品展開も広がっていくようです。
私も試しにユピテルの「DRY-FH51」という製品を自分のクルマに装着してみました。シガーソケットにコネクターを差し込んでおけば、エンジンをかけると自動的にレコーダーの電源が入ります。このシリーズの特徴は、コンパクトなのに視野角が140度と広く、交差点で停止している際に画面の映像を見てみると、左右から現れては右左折していくクルマの様子もよく見えます。
フルHD画質の採用やカラーで録画されるのは今や当たり前? 画像は日中はもちろん、夜間も明るい所ほど鮮明さは増すものの、街灯の少ない路地でも自車の走行の様子がちゃんと分かります。というのは、走った記録を車内で再生して見て分かった次第です。もちろん、SDカードをPCで再生して見ることも可能です。記録画素数(設定可能)やSDカードの容量によるものの、画像がいっぱいになれば上書きされていくようです。
さらにFH051は他の機種に比べて小型で、ルームミラーの脇に邪魔にならずに装着できるうえに、さまざまなクルマで理想的な画角で録画できるように首フリ調節もしやすい。加えてGPSを搭載しているので日時や場所などもきちんと記録されます。あえて一点注意事項を申し上げておくと、装着の際に使用する両面テープの粘着力が超強力なので、予め位置決めをきちんとしておかないと、やり直しはかなり難しいようです。万一の衝突事故でもポロッと脱落しては困りますからね。
私は過去の経験もあるからか、実際にドライブレコーダーを装着すると、まず安心感が増します。正直、私もドライバーのキャリアは長く、仕事でもクルマに乗ることが多いので、常に安全に対する意識もリスクも感じて運転しているドライバーの1人です。が、自分が用心していても起こってしまうのが他車とのアクシデントやそれに伴うトラブル。備えあれば憂いなし。また自分の運転が記録されていると思うと、一層安全意識も高まり気分が引き締まります。
そして私のクルマにも搭載されているのをはじめ、プロドライバーの運転するクルマや周囲の一般車への装着率も上がっていると思うと、「やたらな運転はできないな……」と思うドライバーも増えるのではないかと。クルマは人間が運転するわけでウッカリや間違いは起って欲しくはないけれど起こってしまうこともある。運転にリスクや不安を感じている方には心強い機器になるのではないでしょうか。
特に経験も浅く余裕がなく状況判断が難しいうえに、その見る目も確立されていない初心者やペーパードライバー、まただんだん自分の注意力や運転に衰えを感じている方には、警察や保険会社への状況を説明する心強い記録になるのではないでしょうか。