F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第12回:スペインGP

 スペインGPです。バルセロナの郊外にあるカタロニア・サーキットで開催されました。

 金曜日のFP1はピットに行ってきました。いつものように角田選手のガレージから始めます。

 いつものようにスタッフ全員とグータッチ。それが済むと、わざわざ僕のところまで来てくれてグータッチの後、グランドスタンドの方を指さして「日の丸があるんですよ!」って教えてくれました。

 しっかりと、大きな日の丸を確認。この写真では分かりませんが、扇子をお持ちの女性の方がすぐ上に座っています。

 角田選手もうれしかったと思うし、やっぱり僕もうれしく思いました。

 僕の場合、海外に来ると、日本にいる時の3倍くらい日本を意識するんですよね。だから、まわりが全部、ヨーロッパの人たちに囲まれた中、こうしてF1を見に来てくれる人がいるということが、ものすごくうれしいです!

 これは日曜日の写真なんですけど、同じく日の丸を見つけたので写真を撮らせていただきました!

 いや~うれしいです! いい笑顔ありがとうございます!

 人によって、F1の楽しみ方はさまざまです。どのように楽しんでもいいのは当然です。推しのドライバーでもチームでもなんでも大丈夫。

 僕の場合は、やっぱり日本ということを抜きには考えらないかなと思います。もちろん、ドライバーはそうですけど、参加のメーカーもそうです。

 世界に打って出て、そこでテッペンを取れれば世界一というフィールド。大きなチャレンジです。

 厳しく、険しく、難しい。

 だからこそ、チャレンジする価値があるし、応援したいし、見てみたい。

 今回、大きく見た目を変えてきたアストンマーチン。

 レッドブルに似ているということ。確かに似てます。

 でも、F1の歴史、モータースポーツの歴史を見れば、そんなもんですよね。

 FP1には、レッドブル育成ドライバーのユーリ・ビップス選手が乗りました。

 タイムは最下位でしたけど、評価はどうだったんでしょうか。

 ビップス選手が乗ったのは、ペレス選手のマシンです。心配そうに見つめます。

 FP2はトラックに写真を撮りに行きました。

 始まって早々に、ボッタス選手のマシンがゆっくりと1コーナーをまわって、途中ボンッと音が聞こえて止まってしまいました。カウルが割れてます。

 レッカーされるところを下からのぞくと、昨年までのマシンとはやっぱり違いますね。

 冷却水のような赤い液体がぼたぼたと漏れてました。

 アルファタウリのマシンは、軽量化のためにフロント&リアウイングの白塗装をやめてカーボン地のままの黒にしてロゴを白にしました。

 少しでも軽くという努力。でもここ、バルセロナのコースとの相性はイマイチでしたね。

 スペインの英雄、アロンソ選手はやっぱり大人気です。

 コースインしたラップは大きな声援が必ず上がります。

 マイアミに続き、3日間ずっと晴れていて、暑かった……。日曜日が一番暑くて、37度は超えていたとか……。

 ツナギを着ているコースマーシャルさんたちは、さらに暑かったでしょうね。

 予選の時のフェルスタッペン選手を見つめる、オランダ(?)からの応援団席の様子が素晴らしい!

 ポールを取ったのはルクレール選手。

 素晴らしいラップでした!

 ここで、いったん、F2の話題にしましょう。

 岩佐選手です。

 走行前に15分くらい、フィジオさんとウォーミングアップ。これ、結構な力で引っ張っています。プルプルしています。

 多分、僕だったら一撃で、頭がコテっとなっています。

 土曜日のスプリントレース。17番が岩佐選手。

 2位をずっと走行していて、一度6番のサージェント選手に並びかけられたのが一番ヒヤリとしたシーンでした。

 無事、2位を守り切ります。

 その後は冷静な走行でした。

 パルクフェルメです。F2で初表彰台です!

 特徴的なヘルメットデザインは、おじいさんが考えてくれたそうです。

 サージェント選手と握手。

 チーム関係者みんなとハグや握手。うれしい。

 声をかけてみました。ありがとう!

 記者会見が終わるのを待って、万歳だぜ!

 シャンパンシャワーは控えめに。

 ジャーナリストの質問に答える間、大事そうにトロフィーとシャンパンボトルを抱えます。

 チームテントに帰ります。

 エンジニアに報告。いい雰囲気でした。

 日曜日のフューチャーレースは、他車と接触してしまってウイング交換でピットインしてしまったので12位となりました。

 ランキングは11位となりました。今後が楽しみです!

 もう1人のF2参戦日本人ドライバーの佐藤選手。角田選手と幼なじみ。

 今回も予選がうまくいかず、スプリントが17位、フューチャーレースが19位となってしまいました。

 どうか、全てが早くかみ合うレースをしていただきたいです。

 Wシリーズの野田選手。予選が14位、レースが13位となりました。

 まだまだ、勉強することがたくさんありそうです。このシリーズの難しさが、やっぱりあるようです。

 でも、その中で結果を出していかねばなりません。

 スペインは、マスクしなくていいし、全面解禁といった感じでしょうか。

 日曜日は12万1667人。4日間で、27万7836人のお客さんの動員でした。

 元に戻りましたね。

 レース前のグリッドから。

 メルセデスの独特な形状のボディワーク。ラッセル選手は3位表彰台獲得。

 チャンピオンチームの底力で、徐々に戦闘力が上がって来ているのか、それとも、ここのサーキットとの相性がまあまあだったのか。

 地元グランプリに合わせて、スペシャルカラーのヘルメットのサインツ選手。

 もちろん凱旋レースですから、いいレースをしたかったに違いありません。

 結界は4位。

 今年、今ひとつなレースが続きます。

 ハースの小松さん。

 予選、マグヌッセン選手が8位、シューマッハ選手が10位と好調だったんです。

 が、レースはスタートでマグヌッセン選手がハミルトン選手と接触してコースアウトしてしまって17位。シューマッハ選手も14位とノーポイントになってしまいました。

 残念。

 ホンダのお二人、いい表情です。頑張っています!

 フラビオ・ブリアトーレさん。つえをついて歩いてました。

 なんとなく急に歳をとった感じに見えました。

 フェルスタッペン選手の前と後ろに保冷剤?

 エンジニアとスタート前の打ち合わせ。唾が飛ばないように、口を押さえながらの会話なのか。

 マシンに乗り込む直前。シューズの裏をきれいに。

 スタート!

 グランドスタンドのお客さんが超満員!

 1周目戻って来たところ。徐々に差が広がっていってました。

 その後に、僕が撮影していた8コーナーの立ち上がりでトップを快走中のルクレール選手のマシンから、大きな金属音が聞こえてその直後スローダウン。ピットインリタイアとなりました。

 多分、タイヤ交換の作戦がフェルスタッペン選手とは違っていたようですから、最後までガチ勝負を見てみたかったですよね。

 パラソル多数の観客席。暑いので、こうしないとどうしようもない気温です。

 角田選手は10位! 1ポイントを獲得。素晴らしいレースをしたと思います。

 ご両親もみえていたので、いいレースを見せられてよかったと思います。

 中盤の戦い。ラッセル選手が見せ場を作ってくれました。

 後ろは自由席なのかな。みんな日焼けが大変なことになってそうです。

 ハミルトン選手は、追い上げて5位入賞。レーシングスーツの汗の跡が生々しい。

 フェルスタッペン選手が3連勝!

 ルクレール選手のリタイアで、シリーズランキングトップとなりました! さあ、今後も楽しみになって来ましたよ!

 フェラーリ、メルセデスが絡んで、コースごとに切磋琢磨する展開になっていくように思います。

 来週はモナコです。楽しみ!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。