【2011ジュネーブショー
フェラーリ、ラインアップ中もっとも“実用的”な「FF」公開

新開発の4WDシステムを搭載

ルカ・ディ・モンテゼーモロ会長とフェラーリ「FF」

3月1日~13日(現地時間)
スイス ジュネーブ
GENEVA PALEXPO



フェラーリブースには多くの人が訪れていた

 フェラーリは、ここジュネーブの地でかねてから予告していた4WDモデル「FF」をワールドプレミアした。

 初の4WDシステムを備えたハッチバックスタイルのFFは、革新的なスタイルとGTカーとしての使いやすさを兼ね備えたモデルで、同社のラインアップの中ではもっとも実用的なモデルと言える。会場ではFFが雪上を走行するビデオが上映されており、雪道に強いことを強調していた。

 エンジンはフロントに置かれ、トランスミッションはデュアルクラッチのF1ギアボックスを組み合わせる。ボディーサイズは4907×1953×1379mm(全長×全幅×全高)で、車両重量は1790kg。デザインはピニンファリーナが担当する。

ルカ・ディ・モンテゼーモロ会長

 ルカ・ディ・モンテゼーモロ会長は発表の場でそのパワートレーンについて紹介し、「4RM」と呼ばれる電子制御で4輪にトルクを予測配分する4WDシステムは、従来の4WDシステムよりも重量が50%軽減されていること、すでに同システムの特許を取得していることを説明したほか、搭載するV型12気筒6.2リッター直噴エンジンは最高出力485kW(660PS)/8000rpm、最大トルク683Nm/6000rpmを発生すること、0-100km/h加速が3.7秒であること、最高速が335km/hであることなどを明らかにした。

 また、室内は4つのシートが用意されているほか、ラゲッジールームの容量は後席をたたむことで450Lから800Lに拡大し、使い勝手に優れることをアピール。

 会場には深紅とシルバーのFFに加え、FFが採用するパワートレーンを展示したほか、599 GTB フィオラノ、458イタリアなどを出展し、フェラーリの魅力を存分に伝えていた。

アンベールされるFF
ボディーサイズは4907×1953×1379mm(全長×全幅×全高)。キャビンは大人4名が座れ、トランクルームは後席シートバックを倒すことで容量を増やすことも可能
フェンダー後端にはエンジンルームの熱を逃がすダクトが設けられるリアゲートはこのように開くヘッドライト部はLEDが備わる
V型12気筒6.2リッター直噴エンジンはフロントに置かれる車体後ろ側のディフューザー。その両脇にマフラーエンドが覗く
シートはフロント・リアともに左右独立。後席中央にはエアコン吹き出し口やカップホルダーなどが用意されている。また会場ではFFのトランクルームにカバンやぬいぐるみを入れ、容量に問題がないことをアピールしていた
FFに搭載されるV型12気筒6.2リッター直噴エンジン、デュアルクラッチのF1ギアボックス、磁性流体ダンピング・システム、カーボン・セラミック・ブレーキ
599 GTB フィオラノ
458 イタリア

ジュネーブショー 2011 レポートリンク集
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1157.html

(編集部:小林 隆)
2011年 3月 3日