東京オートサロン2015
クリーンディーゼル車から1000PSオーバーのGT-Rまで、チューニングのトレンドを紹介
レヴォーグ/WRXシリーズ、デミオ/アクセラのカスタムカー、ただいま増加中
(2015/1/10 21:49)
- 2015年1月9日~11日開催
東京オートサロンといえば、以前はチューニングカーやチューニングパーツが主体だったが、現在はオールジャンルのカスタムカーイベントになっている。とはいえ、やはりこのショーではチューニング系の存在感は大きく、人気も非常に高いジャンルだ。
さて、そんなチューニングジャンルだが、今年のオートサロンではスバル(富士重工業)のWRXシリーズとレヴォーグ、そしてマツダのデミオ、アクセラをチューニングのベースに選ぶメーカーやショップが目立った。
ただし、どの車種もまだ登場したばかりということで、ほとんどが吸排気系チューン&サスペンションキット装着というライトなチューニング内容だが、現行車でチューニングベースになるクルマが増えることは大歓迎。慌てて作らず、じっくりと煮詰めていってほしい。とくにデミオとアクセラに関しては、ディーゼルターボエンジンというこれまでにない素材なので、ここはとくに楽しみな部分と言えるだろう。
このほかに、定番のチューニングベース車と言えば86&BRZやGT-Rもあるが、86&BRZは別記事を用意するのでそちらをご確認いただきたい。
さて、GT-Rに関してだが、これは2007年からの初期モデルの中古車価格がこなれてきたことで、幅広い層がGT-Rチューンを検討し始めているという。初期モデルでは5年の特別保証が期限切れになっているので、そういう面からも思い切ったことも検討できるようだ。
GT-Rに搭載されるVR38DETTエンジンのチューニングとしてベーシックなのは、HKSが用意しているGT600キット。文字通り600PSになる仕様だが、こちらはセッティングを含めて完成度が高いメニューなので、過去にGT600仕様にしたことによるエンジントラブルは一切ないという。それだけに最初にこの仕様を選ぶオーナーが多い。ちなみに内容はメタルキャタライザー、インタークーラーパイプ、専用データ入りEVC、スパークプラグ、スーパーSQV(ブローオフバルブ)、強化アクチュエーターといったあたり。つまり吸排気系の効率アップとブーストアップで、VR38DETTは600PSを発揮するポテンシャルを秘めているのだ。
旧車に関しても相変わらず人気は高いが、最近は1980年~2000年代のクルマの人気がとくに高まっている。この年代のクルマはそれなりに古いけれど、最近のパーツを組み込むことでいまだ高いポテンシャルを発揮する。見かけは古くても走ると速いというギャップが魅力なのだ。また、この手のクルマを選ぶ人は、自身が若いころに乗っていた、もしくは憧れていたという趣味的要素を持つケースが多いので、レストアとチューニングを同時に行い、長くコツコツとクルマを作り上げる傾向にあるようだ。
競技系のチューニングカーと言えば、数年前はD1GP仕様車をはじめとするドリフトマシンが大多数だったのに対して、今年はサーキットのタイムアタックマシンが目立つ。このジャンルは筑波サーキット、富士スピードウエイ、九州のオートポリスなど著名なサーキットが舞台となるが、オーストラリアで行われているWTAC(ワールドタイムアタックチャレンジ)に日本から参戦するチームが増え、好成績を残していることも大きく影響している。クルマはSUPER GTマシンを凌ぐハイパワーエンジンを搭載。大型のエアロパーツを装着しているのが特徴だ。
次にパーツに関してだが、今回会場で目立っていたのはブレーキパーツ。エンドレスとD2 JAPANから新しい鍛造1ピースキャリパーが出ていた。エンドレスのは従来のモノブロックキャリパーと比べて小型、軽量化したモデルで幅広い車種に適応させることが可能。D2 JAPANも小型のキャリパーとなっている。そして最大の特徴は価格。D2 JAPANはキャリパーキットで30万円を切る設定。エンドレスは正式発表されていないが、こちらもローターまで含んだキャリパーキットで30万円台の予定とのことで、サーキット走行ユーザーにとって憧れのパーツがグッと狙いやすい価格設定になってきた。
クルマやタイヤの進化により、サーキットでのスピードレンジがドンドン高くなる時代だけに、ブレーキシステムの強化は必須。しかし、ブレーキを大型化すると重量も重くなるのがネックだったが、こういったキャリパーが出ることで、また走りの質が進化するはずだ。
ブレーキに関してはもう1つ、純正交換タイプを含むブレーキローターを販売するところが増えたのが特徴。これまで社外のブレーキローターというとディクセル製が定番だったが、そこにアクレとマウンテンが登場。3社ともそれぞれの工場で製造しているので、効きやフィーリング、寿命などに違いがあるだろう。ブレーキチューンと言うと、ブレーキパッドの効きだけで判断しがちなところだが、ここに「ローターのフィーリング」が追加されると、ブレーキを踏むというテクニックがより深いものになるはずだ。