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マツダ、新型「CX-5」(日本仕様)の概要発表

「SKYACTIV-G 2.0」搭載車を2グレード、「SKYACTIV-G 2.5」「SKYACTIV-D 2.2」搭載車を各3グレード展開

2016年12月9日 発表

新型CX-5(量産前確認車)

 マツダは12月9日、新型「CX-5」(日本仕様)の概要を発表した。

 新型CX-5は11月に行なわれたロサンゼルスオートショーで世界初公開されたモデル。現在マツダが持ちうるデザインと技術のすべてを磨き上げ、あらゆる領域で「走る歓び」を深化させたクロスオーバーSUVとなる。

 日本での展開グレードは、直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴「SKYACTIV-G 2.0」を搭載する「20S」「20S PROACTIVE」、直列4気筒DOHC 2.5リッター直噴「SKYACTIV-G 2.5」を搭載する「25S」「25S PROACTIVE」「25S L Package」、直列4気筒DOHC 2.2リッター直噴ディーゼルターボ「SKYACTIV-D 2.2」を搭載する「XD」「XD PROACTIVE」「XD L Package」。価格については明かされていない。

従来から彩度を約2割、深みを約5割増した新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」登場

先代と新型のデザインコンセプトについて

 エクステリアでは先代モデルの躍動感のある個性を引き継ぎつつ、さらに精悍で堂々とした佇まいを目標にデザイン。ボディを前後方向に貫く1つの大きな動きを中心に据え、しなやかに加速するスピード感を表現した。ボディサイズはロサンゼルスオートショーで発表されたとおり4545×1840×1690mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2700mmとし、先代モデルと比べ5mm長く、15mm低いサイズとなった。

 フロントまわりでは薄型化して低く構えたヘッドライト、先端をヘッドライトの下側に通して左右への広がりを強調したシグネチャーウイング、極細のLEDフォグランプベゼルなどで水平基調の動きを際立たせ、これまで以上に低くワイドな表現を強化。フロントグリルのメッシュ部分には立体的な造形の精緻なパターンを採用し、グリル面から突出させたブランドシンボルや立体感を強めたシグネチャーウイングの造形と相まって、彫の深い精悍な表情でスポーティさを強調させている。

 また、シンプルな中に艶やかさのある造形を目指し、キャラクターラインによる抑揚的な表現を抑えながら、面の変化をより強調することで映り込む光の表情を変化させるデザインとした。ボディの前後方向を貫くおおらかな面のツイストによって生み出されるハイライトや映り込みの変化と動き、そのピークの位置などを徹底的に調整し、艶やかなフォルムを実現したという。

「ソウルレッドクリスタルメタリック」の塗装構造

 こうしたデザインを最大限に際立たせるのが、今回の新型CX-5から導入される新色の「ソウルレッドクリスタルメタリック」となる。ソウルレッドクリスタルメタリックは、従来の「ソウルレッドプレミアムメタリック」で作り上げた生命力にあふれる強さと鮮やかさ、濁りのない深みと艶感を進化。ソウルレッドプレミアムメタリックと比べて彩度を約2割、深みを約5割増しとし、より瑞々しく艶やかな透明感を実現した。

 ソウルレッドクリスタルメタリックはクリア層、透過層、反射層というシンプルな3層構成としつつ、独自の塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」をさらに進化させ、透過層には赤色をよりピュアに発色させるため光の物理現象まで考慮して作り込んだという高彩度な顔料を採用。また、反射層にはこれまで以上に薄く、小さくした高輝度アルミフレークに加え、光を吸収してシェードの濃さを強める光吸収フレークを新たに採用し、従来は2層必要だった深みの表現を1層で実現した。さらにアルミフレークのサイズを均一化するとともに、塗装の精度向上と乾燥過程で塗膜の体積を大きく収縮させる手法により、アルミフレークと光吸収フレークのボディ面への均等かつ平滑な分布を実現している。

 このほか、新型CX-5では「マシーングレープレミアムメタリック」「ジェットブラックマイカ」「チタニウムフラッシュマイカ」「ソニックシルバーメタリック」「ディープクリスタルブルーマイカ」「エターナルブルーマイカ」「スノーフレイクホワイトパールマイカ」という全8色のボディカラーをラインアップする。

ソウルレッドクリスタルメタリック
マシーングレープレミアムメタリック
ジェットブラックマイカ
チタニウムフラッシュマイカ
ソニックシルバーメタリック
ディープクリスタルブルーマイカ
エターナルブルーマイカ
スノーフレイクホワイトパールマイカ

インテリアも進化

 インテリアではドライバーを中心に操作機器や計器類を左右対称に配置した、ドライバーとの一体感を高めるコクピットデザインを採用。そのうえでステアリングホイールのセンターからインストルメントパネル加飾、左右の空調ルーバーへと連なる要素の配置を同じ高さに揃え、ドアトリム加飾も水平基調の造形とすることで、ドライバーが運転に集中できる心地よい緊張感と横方向へのワイドな広がりのある空間を表現。

 また、センターコンソールを先代モデルよりも約60mm上方に配置して高くワイドなプロポーションとしたほか、サイドデミスターとツイータースピーカー(BOSE装着車)をAピラーに配置するとともに、薄いスリットにCD/DVDプレーヤーを搭載することでシンプルかつ上品なデザインとした。

 加えてシートや加飾部分の造形では、SUVらしい力強さと上質さを融合させたフォルムを追求。シートデザインでは厚みのある座面、立体感のあるサイドのボルスターやショルダーの造形と質感のある縫製によって、力強さや安定感、上質な仕立てのよさを表現している。

インストルメントパネル
ツイータースピーカー(BOSE装着車)をAピラーに配置
薄いスリットにCD/DVDプレーヤーを搭載
新開発の加飾フィルムを使ったデコレーションパネル
ドアトリム
センターコンソールは先代モデルよりも約60mm上方に配置

 後席は基本状態の後席トルソー角度を先代モデルから2度拡大して24度に設定。そのうえで28度までシートバックを後傾できる2段式のリクライニング機構を採用した。さらに小柄な体型でもフロアに足が届くよう、後席ヒップポイント高を先代モデル比で10mm低下。さらに長時間座っていても疲れにくく、快適に過ごせるよう、座面に使用するウレタンを少ない荷重でもしっかりとたわむ特性に変更するとともに、シート前縁にふくらみを持たせるなど、人間の下半身の形に沿った立体的な形状を採用した。

 ラゲッジスペースは505Lと、先代モデル(500L。サブトランク含む)と同等の容量を確保し、定員乗車時でも72型の大型スーツケースを3個、ゴルフバック4個を積載可能とした。さらに床下収納の容量は、トランクボードを9mm薄くするとともに工具類の収納レイアウトを変更したことで、従来の10Lから30Lに拡大。床面専用のラゲッジフックを新設定することで使い勝手も高められている。

 インテリアカラーはピュアホワイトまたはブラックのレザー内装、ブラックのファブリック内装の3種類を設定。ピュアホワイト内装はアッパー部をブラック、ロワー部をホワイト基調とし、白と黒のコントラストで華やかなインテリアを表現。ブラックレザー内装ではアッパー部のステッチカラーをオフブラック、ロワー部とシートのステッチカラーを明るいブラウンとし、上質さとSUVの力強さを強調した。また、ファブリック内装はブラックを基調に新しい布地を採用している。

25S L Package/XD L Package(パーフォレーションレザー・ピュアホワイト)
25S L Package/XD L Package(パーフォレーションレザー・ブラック)
20S PROACTIVE/25S PROACTIVE/XD PROACTIVE(スクエアメッシュクロス・ブラック)
20S/25S/XD(スクエアメッシュクロス・ブラック)
ステアリングヒーターを一部グレードに設定
大型3連メーター右側のマルチインフォメーションディスプレイ(MID)に高精細な4.6インチカラーTFTを新採用
7インチセンターディスプレイ。液晶とタッチパネルを貼り合わせることで、光の乱反射を抑えてクリアに表示するオプティカルボンディングタイプのディスプレイをマツダ車として初採用
前後シート。後席では2段階リクライニング機構を採用した
シートバックにはサスペンションマットを採用し、広い面積に体圧を分散できる優れたフィット性としっかりと上体を受け止めるサポート性を両立。また、シートバックの剛性を部位ごとに最適化し、体幹をしっかり支えて上体の横揺れや頭部の移動を抑制。座面には新たに高減衰ウレタンを使用している
ラゲッジスペースは505Lの容量を確保。テールゲートにはスピンドルダンパー式の開閉ユニットを採用した「パワーリフトゲート」を設定。スイッチ操作でテールゲートを自動開閉でき、テールゲートの開度はスマートキーレスボタンを用いて無段階で設定可能

 このほか新型CX-5ではフロントガラスに情報を投影する「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」を設定。ディスプレイをメーターよりも上方に配置することでドライバーの視線移動量と焦点調節の負荷を最小限にしたほか、情報の表示位置を上下にゾーニングし、上部にナビゲーションシステムによる右左折等の経路誘導や速度制限情報などの「走行環境情報」を、下部に車速や先進安全装備の情報などの「自車情報」を表示する。

フロントガラスに情報を投影する「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」
主要諸元比較
新型CX-5先代CX-5
全長(mm)4,5454,540
全幅(mm)1,8401,840
全高(mm)1,6901,705
ホイールベース(mm)2,7002,700
フロントトレッド(mm)1,5951,585
リアトレッド(mm)[17インチ/19インチ]1,5951,585/1,590
最小回転半径(m)5.55.5
室内長(mm)1,8901,910
室内幅(mm)1,5401,530
室内高(mm)1,2651,280

エンジンは3種類

 一方、パワートレーンではクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」、直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.5」「SKYACTIV-G 2.0」をラインアップ。トランスミッションは6速ATの「SKYACTIV-DRIVE」のみの設定で、AWDシステム「i-ACTIV AWD」やアイドリングストップシステム「i-stop」を先代モデルから継承した。

「SKYACTIV-D 2.2」では緻密な燃料噴射を可能とするマルチホールピエゾインジェクター、理想的な燃焼を支えるというエッグシェイプピストンなどの技術を採用し、世界一の低圧縮比を謳う14.0を達成。さらに「DE精密過給制御」「ナチュラル・サウンド・スムーザー」「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」の3技術も搭載する。同エンジンの最高出力は129kW(175PS)/4500rpm、最大トルクは420Nm(42.8kgm)/2000rpmで、燃費は2WD車で18.0km/L、4WD車で17.2km/Lとした。

「SKYACTIV-D 2.2」について

 高圧縮比によって軽快なパフォーマンスと優れた燃費性能を発揮する高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」では、2.5リッター/2.0リッターともに冷却損失を低減するキャビティ付ピストン、均質で流動の強い混合気を生成するマルチホールインジェクター、排気抵抗の少ない高効率な燃焼を可能にする4-2-1排気システムなどを搭載。

「SKYACTIV-G 2.5」では高圧縮比13.0や、アルミ合金製エンジンブロックをはじめとした各部の軽量化、低周波のこもり音を改善するバランスシャフトの採用などによって走行性能、燃費性能、静粛性を両立。最高出力と最大トルクについては2WD車(燃費は14.8km/L)で140kW(190PS)/6000rpm、251Nm(25.6kgm)/3250rpm。4WD車(燃費は14.6km/L)で135kW(184PS)/6000rpm、245Nm(25.0kgm)/4000rpmとした。

「SKYACTIV-G 2.5」について

 また、「SKYACTIV-G 2.0」では高圧縮比13.0を達成し、優れた燃費性能と力強い中低速トルクを実現。最高出力は114kW(155PS)/6000rpm、最大トルクは196Nm(20.0kgm)/4000rpmを発生。燃費は16.0km/L。

「SKYACTIV-G 2.0」について

シャシー強度の向上とともに静粛性も高めた

軽量高剛性ボディ「SKYACTIV-BODY」

 シャシーでは、超高張力鋼板の採用比率を先代モデルから約3%拡大することで、強度を向上させることに成功。Aピラーには1180MPa級の超高張力鋼板を採用するとともに、サイドシルやBピラーにも新たに980MPa級の超高張力鋼板を使用し、衝突安全性能を高めながら質量の増加を最小限に留めた。

 また、NVH領域では走行時に乗員がストレスなく会話を楽しめる快適な空間を目指し、「粗い路面での低周波のロードノイズの低減」「高速走行時の高周波の風騒音とタイヤ騒音の低減」に注力。これにより、新型CX-5の走行騒音は先代モデルと比較して約20km/h低い車速の騒音レベルを実現したという。

 さらに風騒音対策では高速走行時の風騒音を低減するため、走行中に風を切るワイパーをボンネットの面延長下側に収めるレイアウトとしたほか、ドアミラーやAピラー断面には空気の流れを乱さない空力形状を採用。さらにドアとガーニッシュ類との隙間の最小化、ドアやリフトゲートへのパーティングシールの設定など綿密な対策を行なっている。

 空力性能に関しては床下の気流を整えるとともに、車両後方で収束する上下の気流のバランスを高めて空力を改善するという「空力グランドライン」コンセプトに基づき、アッパーボディ、アンダーフロアともに効果的な部位に空力パーツを設定。また、グリル開口部内にダクト形状を採用し、Cd値を先代モデル比で約6%低減することに成功している。

 なお、新型CX-5についてもドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、これまで別々に制御されていた車両の横方向と前後方向のG(加速度)を統合的にコントロールし、4輪への接地荷重を最適化する制御技術「G-ベクタリング コントロール(GVC)」を採用している。

G-ベクタリング コントロールの作動イメージ
超高張力鋼板の採用比率
先代モデルからロードノイズを改善
Cd値を先代モデル比で約6%低減することに成功
新型CX-5でもマツダの安全思想「Mazda Proactive Safety(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」を継承し、先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」をさらに充実させた
i-ACTIVSENSEの1つである「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」は、先行車との速度差や車間距離を計測してエンジンとブレーキをコントロールし、設定した車間距離を保つよう自動で車速を調整するシステム。従来のミリ波レーダーと新開発のフォワード・センシング・カメラの併用によって追従可能な速度域の下限を30km/hから0km/hにまで拡大するとともに、停車状態から100km/hまで追従走行を開始できるように進化
フォワード・センシング・カメラで前方の車両と歩行者を検知し、衝突の回避または被害軽減を図るシステム「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」。新型CX-5では、検知対象を従来の車両のみから歩行者まで拡大するとともに、車両検知の作動速度域を約4~30km/hから約4~80km/hへと拡大。歩行者検知は約10~80km/hで作動する
走行中にフォワード・センシング・カメラで速度標識や進入禁止標識、一時停止標識を認識し、読み取った標識をアクティブ・ドライビング・ディスプレイに表示する「交通標識認識システム(TSR)」。制限速度を超えた場合などには、ディスプレイ内のグラフィック点滅やブザーでドライバーに通知する
新型CX-5のLEDヘッドライトは、個別に点灯・消灯するLEDの分割を従来の4ブロックから12ブロックに細分化。ハイビームで約40km/h以上で走行する際、フォワード・センシング・カメラが対向車のヘッドライトや先行車のテールランプを検知すると、その部分を含むブロックのLEDを消灯して照射範囲をコントロールする「グレアフリー(防眩)ハイビーム」機能を搭載する
約40km/h以下で走行する際に、Aピラーとドアミラーの間から見える範囲など、従来のロービームでは光が届かなかった部分を照らし出すことで交差点などでの視認性を向上させる「ワイド配光ロービーム」
約95km/h以上で走行する際、自動でハイビームとロービーム両方の光軸を上げることで照射範囲を拡大し、遠方の視認性を向上させる「ハイウェイモード」機能も備わる