ニュース
BMW、“ザ・インディペンデント”新型「X3」発表会。まずはディーゼルモデルから導入
「どこにいても、1年のどのような季節であっても新型X3は頼りがいがある」とクロンシュナーブル社長
2017年10月20日 21:49
- 2017年10月19日 開催
- 639万円~710万円
ビー・エム・ダブリューは10月19日、新型プレミアムミドルクラスSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)「X3」の発表会を都内で開催した。価格は639万円~710万円で、いずれもステアリング位置は右のみの設定になる。
新型X3のハイライトは「印象的なエクステリアと洗練されたインテリア」「エフィシェント・ダイナミクス」「運転支援・安全性能の完備」の3点。
エクステリアデザインはよりスポーティでアクティブなものに進化し、フロントまわりでは大型化したキドニーグリルとともに、存在感のある六角形のヘッドライト、ワイドでスポーティな印象を強調するエア・インレットを採用。ボンネットには深く滑らかなラインが入り、SAVとしての屈強さとダイナミックさを主張。また、風の流れを表現したようなルーフデザインに加え、車両側面に2本彫り込まれたキャラクターラインによって存在感を高めたという。
パワートレーンでは、ガソリン仕様(184PS/290Nm)またはディーゼル仕様(190PS/400Nm)の直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンを搭載し、全グレードとも8速ATを介して4輪を駆動する。グレード展開については、ベースモデルの「X3 xDrive20i」「X3 xDrive20d」に加えてラグジュアリーな「xLine」、スポーティな「M Sport」をそれぞれに用意する。ディーゼルモデルについてはエコカー減税対象モデルとなり、自動車取得税および重量税が免税(100%減税)、翌年度の自動車税が75%減税される。JC08モード燃費は17.0km/L(ガソリン車は申請中)。
また、新型X3では先進の運転支援システムも充実しており、ルームミラーに内蔵されるステレオカメラ、ミリ波レーダーセンサー(フロントに3基、リアに2基装備)からなる「ドライビング・アシスト・プラス」を全車に標準装備。具体的には以下の10機能を備える。
ステアリング&レーン・コントロール・アシスト
フロントウィンドウに設置されたステレオカメラが車線および前方車両を検知し、ステアリングに操舵力を加えることで高速走行時に車線の中央付近を走行しやすいようにサポートを行なう。また、渋滞時は先行車追従走行をサポートし、走行時の安全性と利便性を向上するなど、将来完成する自動運転技術を部分的に実現している。
アクティブ・サイド・コリジョン・プロテクション
ボディサイドの前後左右に設置された4つのセンサーが車両側面の交通状況を監視し、隣車線で走行する車両が自らの車線に入ってくるなど、側面衝突の危険性が高まった場合には、ステアリング操作に介入し衝突を回避する。
後車追突警告
リアバンパーに組み込まれたセンサーが後方のクルマを監視し、衝突の危険がある場合にはハザード・フラッシュを点灯し、後続車のドライバーに注意を促す。衝突の危険性が高まった際には、アクティブ・プロテクションのすべての機能が作動し、万が一のときの衝突に対して乗員を保護する。
クロス・トラフィック・ウォーニング(フロント&リア)
駐車スペースからクルマを動かす場合や、視界のわるいT字路などで横切る車両や歩行者などとの衝突の危険を検知した場合に、コントロール・ディスプレイに警告表示を行ない、ドライバーに注意を促す。
ACC/アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)
任意の速度をベースに、前方の車両との車間距離を維持しながら自動で加減速を行ない、低速走行時には車両停止まで制御を行なう。
レーン・ディパーチャー・ウォーニング
車線からクルマが逸脱しそうになると、ステアリングホイールを振動させてドライバーに警告を促し、さらにステアリングホイールの振動による注意喚起に対し反応がなく、そのまま車線を越えた場合には、ステアリング操作に介入し車線復帰をサポートする。
レーン・チェンジ・ウォーニング
リアバンパーに組み込まれたセンサーが、ドライバーから死角になる左右後方の車両や、追い越し車線上を急接近してくる車両を認識しドライバーに警告する。また、ドライバーがシステムによる注意喚起に対し反応なく、そのまま車線を越えた場合には、ステアリング操作に介入し、車線復帰をサポートする。
前車接近警告機能
前車に追突する危険性が高まった際に、ドライバーに警告を発する。
衝突回避・被害軽減ブレーキ
追突が不可避な場合に、システムが自動的にブレーキをかけて衝突を回避・被害の軽減を図る。また、歩行者検知機能の採用により、歩行者への接近に対しても、ドライバーへの警告と衝突回避・被害軽減ブレーキを作動させる。
アクティブ・プロテクション
衝突などの危険回避が不可能な場合に、シートベルトの締め付けを強め、また、ウィンドウとサンルーフを自動で閉めることにより、乗員を保護する。
発表会にはビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏が登壇。冒頭の挨拶で「X3は2003年に登場し、今回のモデルは第3世代になります。ここ日本では初代X3は2004年に発売され、以来、我々は3万台近くを販売しており、これはBMW Xシリーズのセールスの3分の1を超えます。初代X3をドライブしたことを覚えており、私の期待をはるかに上まわるものでした。純粋なオフロードのモデルのように見えましたが、BMWのスポーツカーのような走りをしたのです。SAVがこれほどに高級感を提供し、そして“駆けぬける歓び”をもたらしてくれるとは思いもしませんでした」と、初代X3について振り返る。
そして新型X3の話に入る前に、これまでの販売実績などについて説明を行ない、「2016年はグローバルでは創立100周年、日本では35周年を祝いました。私たちは記念すべき年に新たな記録を打ち立てようと決意し、2016年を最高の年にしようと考えてそれを実現しました。7万5000台以上を販売し、これは8年連続で台数を伸ばしたことになります」と、日本での販売が好調であることを報告。
2017年については「5シリーズをフルモデルチェンジし、MINIでは初のPHEV(プラグインハイブリッド)『MINI クーパー S E クロスオーバー ALL4』が発売されました。また、普通2輪免許でも乗れるBMW モトラッド初のバイク『G 310 R(ジー・サンイチマル・アール)』も出ました」と、積極的に新製品をリリースしていることを報告するとともに、「我々のPHEV攻勢も成功に貢献しており、今やBMW、MINI、モトラッドに電動モデルがあります。合計で9つのEV(電気自動車)とPHEVのモデルがあるということで、これはどのメーカーよりも多い数です。2025年までには25の電動化モデルをグローバルのラインアップに入れたいと思っています」と、今後の展開についても言及。
また、「2017年の売上累計は上がっており、(1月~9月期で)BMWは3.2%増、MINIは4.5%増、BMW モトラッドは素晴らしい成長を見せ、15.8%増となっています。新型X3のローンチで、2017年もまた記録を塗り替えるのではと考えています」と、今後も記録更新に向けまい進していくことを語った。
一方、新型X3については「SAVモデルをお買い求めになったとき、オフロードでのパフォーマンスやタフでダイナミックであることを期待するでしょう。新型X3を目にすれば“そのとおり”と実感すると思います。プレミアムモデルを購入すると、品質や高級感を求めますが、新型X3はこれも提供します。ドアを開けて中に入ってください。素晴らしいフィット&フィニッシュ、仕上げの素晴らしさに目を見張ります」。
「BMWを購入すると、ドライビングパフォーマンスを期待するでしょう。“駆けぬける歓び”をお約束します。新型X3はオンロードでもオフロードでも望みのままに走ってくれます。我々のブランドはますますイノベーションという言葉と同義語になっています。最先端のコネクティビティ機能、部分自動運転を可能にした運転支援システム、そして経済性、環境性能。これらの分野すべてで期待を上まわっています。どこにいても、1年のどのような季節であっても新型X3は頼りがいがあります。だからこそ、私たちはこのモデルを“ザ・インディペンデント”と呼んでいます。このクルマがあれば行きたいところに行け、旅を楽しむことができるのです」と、新型X3のアピールを行なった。