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【SUPER GT 第4戦タイ】坂東代表の定例会見で、2021年以降にタイでDTMとの交流戦開催を示唆

2019年のタイ戦は2018年と同時期の開催に

2018年6月30日~7月1日(現地時間)開催

良好なパートナーシップを誓い合って握手する株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏(左)とチャン・インターナショナル・サーキット 会長 ネウィン・チドチョブ氏(右)

 6月30日~7月1日(現地時間)に、タイ王国ブリーラム県ブリーラム市にある「チャン・インターナショナル・サーキット」においてSUPER GT 第4戦 Chang SUPER GT RACEが開催されている。初日の6月30日には、午前中にフリー走行、午後に予選が行なわれ、翌日の決勝レースに向けたスターティンググリッドが決まった。

 6月30日午後には、レースウィーク恒例となっているSUPER GTプロモーター GTアソシエイション(以下、GTA) 代表取締役 坂東正明氏による定例会見が行なわれた。タイ戦の定例会見には、チャン・インターナショナル・サーキット 会長 ネウィン・チドチョブ氏も同席し、2019年のタイ戦も2018年と同時期に行なわれることなどが明らかにされた。


SUPER GT開催の5年間でサーキットは大きく成長し、Moto GPの開催につながった

──チャン・インターナショナル・サーキット 会長 ネウィン・チドチョブ氏、株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏から冒頭のコメントを

チドチョブ氏:我々のサーキットでSUPER GTを開催するのも今年で5年目になる。毎年SUPER GTを開催してきたが、チャン・インターナショナル・サーキットはSUPER GTとともに歩んできたと言っても過言ではない。このサーキットでの最初の国際的なレースがSUPER GTで、それをきっかけとしてタイ政府も世界的なモータースポーツを理解することができるようになった。

 さらに言えば、政府の理解が進んだだけでなく、タイのモータースポーツファンも増えてきた。イベントの方も、モータースポーツ関連、自動車関連が増えてきて、我々とSUPER GTをきっかけにしてここまで発展してきたと自負している。実際、最初の年には政府は協力してくれない、完全に民間のイベントで8万人も集客できた。そうしたことを積み重ねた結果、観光局長も、運動局長も理解してくれて、宣伝に協力してくれたりしており、そうした関係は今後も発展していくと考えている。

 また、この5年間でブリーラムに来る観光客は記録を更新し続けており、毎年増え続けている。今後観光局長とブリーラム市が東京で観光の宣伝をするようになる。ぜひ日本のお客さまにも、SUPER GTのイベントなどでタイにお見えいただくと嬉しい。また、今年はMoto GPのイベントもここで開催することができ、それらも含めて日本のお客さまにアピールしていきたい。

 タイのモータースポーツも発展しており、すでにシリーズに1チーム、そして今回ワイルドカードで1台参戦する。まだ日本のレーシングチームのレベルに達しているとは言えないが、昔に比べてレベルは上がっており、SUPER GTを追いかけてきたからこそレベルが向上しているのだと考えている。

 今回のSUPER GTにも日本から来たお客さまが増えており、市内にも関係者の方を含めて日本人のお客様が増えている、また、タイはサッカーが大好きで、今は一緒に日本チームが勝ち進むことを応援している(笑)。

チャン・インターナショナル・サーキット 会長 ネウィン・チドチョブ氏

坂東氏:今回のイベントは、2018年シリーズの1戦として、いつものレースとしてこのレースをここで開催できることを喜んでいる。今回で5回目の開催となるが、基本的には継続の中で、来年もここで開催する予定(筆者注:チャン・インターナショナル・サーキットとGTAの契約は2年契約で、2018年がその1年目で2019年まで契約がある)。

 タイ側とはモータースポーツの発展に向けて、チャン・インターナショナル・サーキットと一緒に歩んできた。タイのモータースポーツの発展、そして我々SUPER GTの発展そしてグローバル化という目標を実現するために、チャン・インターナショナル・サーキットとは一緒に作り上げていきたい。アジアのモータースポーツは確実に発展しており、タイでは経済効果もあり、政治的にも評価を上げ、実績を積み上げていきたい。中長期的にチャン・インターナショナル・サーキットと一緒に、タイの発展、そしてSUPER GTのグローバル化を実現していきたい。

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏

SUPER GTの開催が地元ブリーラム市やタイ・モータースポーツの発展につながっている

──坂東代表に、チャン・インターナショナル・サーキットで5年間やってくるという中でさまざまな苦労があったと思うが、GTAとチャン・インターナショナル・サーキットの今後について語ってほしい。

坂東氏:GTAはSUPER GTをインターナショナルシリーズにするというグローバル化を目標としてやってきた。その中で日本国外での開催は重要で、タイ大会は我々にとっても欠かせない大会になっている。

 タイには日本の自動車メーカー、部品メーカーなどの日本のメーカーが進出していて、日タイはお互い重要なパートナーとなっており、タイでSUPER GTを行なうことはGTAにとっても喜ばしいことだと考えている。昨年からタイチーム(arto-Panther Team Thailand)が全戦シリーズ戦に参戦している。タイトヨタの支援を受けながら、2人のタイ人ドライバーが昨年はマザーシャシーで、今シーズンはRC F GT3で参戦している。さらに今回はワイルドカードとして、est cola by AAS Motorsportがベントレーを持ち込んで参戦しており、午前中の練習走行でも頑張っていた。今後の展開も楽しみにしており、タイのチームが参戦できる、タイ人ドライバーが参戦していることが、タイにおけるSUPER GTのコンテンツ力にとって重要なことだと考えている。

 タイ戦は今年で5年目となるが、毎年毎年ブリーラムを訪れる度に、まわりのホテルやショッピングセンター、レストラン、さらにはバンコクからのフライトが増え、ブリーラムにとっての経済効果を実感している。そこに対してSUPER GTの目標であるグローバル化が貢献できた部分があると思う。今年はさらにMoto GPを開催されるとのことで、それに向けてチャン・インターナショナル・サーキットのこけら落としがSUPER GTだったことが、政治的にも、経済的にも協力できたことを嬉しく思っている。

 ここまでチャン・インターナショナル・サーキット、会長、スポンサーなどタイ側の皆さんと一緒に作り上げてきたことに敬意を示すとともに、一緒に歩んでいけることを嬉しく思う。繰り返しになるがSUPER GTにとっても、グローバル化の観点でこのレースは重要な大会で、今年も来年も盛り上げていきたい。

──坂東代表に、DTMとSUPER GTが一緒にやるというのをニュースで見たが、その説明をしてほしい。また、タイのSUPER GTレースはどの時点になるか?

坂東氏:来年(2019年)のタイ大会に関しては今年と同様の日程を予定している。DTMとのパートナーシップに関しては、まず2019年に交流戦という格好で、日欧で1戦ずつ行なう。その時点ではレギュレーションが若干違うのでBoP(Balance of Performance)を活用してレースをする。その後に関しては、日本だけでなく、交流戦がもっと大きくなるのであれば、視野に入れていく。ブリーラム側で興味があれば、DTMとのレースを、2021年以降に検討することはあり得る。

──ブリーラム側はDTMとの交流戦に興味があるか? また、坂東代表に来年の他レースの日程はどうか?

チドチョブ氏:この5年間、我々のサーキットにとってSUPER GTが一番大切なイベントであることは疑いの余地がない。従ってDTMとの交流戦も、タイの発展、タイのモータースポーツの発展にとっていいことであるので、そうしたイベントがタイに来ることを楽しみにしている。

坂東氏:来季のカレンダーに関しては、SUPER GTのスケジュールを中心に日本のカレンダーをオーガナイザーと調整をしている。過密スケジュールということに議論もあり、さまざま調整している段階。6月末がJAFにカレンダー案を出す時期ではあるが、もう少しお待ちいただければ。