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【SUPER GT 第4戦タイ】ポイントリーダー100号車 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴選手/ジェンソン・バトン選手記者会見
2018年7月1日 13:45
- 2018年6月30日~7月1日(現地時間)開催
6月30日~7月1日(現地時間)に、タイ王国ブリーラム県ブリーラム市にある「チャン・インターナショナル・サーキット」においてSUPER GT 第4戦 Chang SUPER GT RACEが開催されている。初日の6月30日には、午前中にフリー走行、午後に予選が行なわれ、翌日の決勝レースに向けたスターティンググリッドが決まった。
予選終了時点で、ポイントリーダーになっているのが100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組、ブリヂストン)だ。今シーズンから2009年F1世界チャンピオンのジェンソン・バトン選手が加入したことでも話題を呼んでいる同車は、開幕戦の岡山戦で2位、第2戦の富士で9位、そして第3戦の鈴鹿でも2位とコンスタントに上位入賞を続けており、第4戦の予選終了時点で32点。堂々のポイントリーダーとなっている。
このため、ポイント×2となるハンデウェイトが50kgを超えたことにより、タイ戦から50kg分がリストリクターの制限に、それに14kgのハンデウェイトという形になっている。
その100号車 RAYBRIG NSX-GTをドライブする山本尚貴選手、ジェンソン・バトン選手の会見が行なわれた。
Q1の難しい状況を、ドンピシャのタイミングでタイヤ交換を決断したことが鍵だった
──予選のそれぞれの感想を。
山本選手:Q1を担当したが、ウェットからドライになる状況で、難しい予選だった。途中でスリックに換えた方がいいと判断して、スリックに交換した。最終的にはタイヤが暖まって、タイムを出すことができてQ1を突破できた。ただ、最後の1周は64号車(Epson Modulo NSX-GT)に引っかかってしまい、向こうにちょっとプレッシャーをかけたらスピンしてしまったのだけど……それがなければトップタイムに近いタイムをマークできたと考えている。タラレバではあるけど、Q2につながる走りができたと考えている。
バトン選手:Q1は本当に複雑な状況で、ラップタイムが刻々と変わる中、尚貴がQ1をよく突破してくれたと思う。自分が担当したQ2はダンプ(ドライとウェットの中間)だったけど、楽しんでドライブすることができた。今回から50kgを超えたことで、リストリクターの制限が入るけど、そうした中で5位はわるくない結果だと思う。明日に向けていい状況だと思う。
──山本選手の担当したQ1でタイヤを換えるときの判断はどういう状況だったのか?
山本選手:ブレーキングゾーンがドライだったのが理由の1つ。この状況ではウェットよりドライの方が上回るだろうと考えた。こういう状況では、スリックに換えて暖まるのを待つのがセオリーだからだ。正直アウトラップの状況では早まったかと思ったけど、しっかり暖めることができた。
──バトン選手はこのサーキットを初めて走るが、その感想は?
バトン選手:ハイスピードコーナーとストレートを組み合わせたサーキットでとても楽しい。特にいいクルマがあると楽しいと思う。こうしたコンパクトなサーキットは、日本でも岡山とか菅生とかがあるけど、それらともまた違う。例えば菅生ではミスするとすぐにクラッシュしてしまうけど、ここのサーキットはランオフエリアが広く取ってあるので、いろいろ試しながら走行することができる。
──ハンデウェイトが50kgを超えたことで、燃料リストリクターの制限が入りますが、その影響は?
山本選手:少なからずネガティブな部分がある。特に燃リスに関してはストレートスピードには不利な方向に作用してしまうので、Q1で雨が降ったというのは恵みの雨だったことは否定できない。そういう状況なので、Q2でジェンソンが5番手のタイムを出してくれたことはよかったと思える状況だ。
もしQ1で雨が降っていなくて、普通に走っていたらライバルが多くてQ1で落ちていた可能性もある。その意味で、しっかりと早めの判断をして飛び出さずに走り続けたことが最終的な結果につながったと言える。
バトン選手:燃料リストリクターの効きはサーキットによっても異なるが、ここではあまり影響は大きくない。おそらく富士とかに行けば全然違う話になってかなり難しいと思う。明日は暑いレースになると思うので、しっかりポイントを取るのが大事だと考えている。
──山本選手は今日のコンディションが刻々と変わっていく状況に上手く対処してタイムを出したが、そうした中でのドライビングのコツみたいなモノはあるのか?
山本選手:ドライビングに関して変えるどうこうというのは考えていない。今回はフルウェットのセッティングではない状況で、ウェットタイヤとスリックタイヤをつけたが、その状況でもウェットをつけても悪くなかった。Q1ではきちんとタイヤに熱を入れて、ドライラインをちゃんとトレースするかがカギだった。僕たちの車はどんな状況でもちゃんと走ってくることが強みになっている。実際、今回の予選でもどちらのコンディションでもちゃんとしたタイムがでていて、それが非常に大きい。
だが、大事なのは明日のレースで、これからチームとよく話し合うがもっと尖ったセットにするとかもあり得るかもしれない。また、突然スコールという可能性もあるわけだし。ただ、1つだけ言えるのはほかのクルマはウェットが速い、その逆ということがあるけど、100号車はどこに行っても速い。そのクルマを経験がある2人のドライバーが運転しており、大事なことはしぶとくポイントを取ることだと考えている。
──100号車と言えば、開幕戦で無交換作戦に出たことが思い出されるが、今回のレースでもその可能性はあるか?
山本選手:無交換はないと言えないと思う。ただし、それがセオリーだとは思っていない。開幕戦では路面温度が当初の予想よりも低かったので、(無交換による)ロスタイムも少なかった。去年のレースみたいに雨が降ってということもあれば、その後は無交換ということもあるかもしれないが、そこは展開次第ではないか。その中でタイヤ交換しないを含めて、どの選択が一番速くゴールできるかを考えながらの選択になると思う。
──ランキングのライバルになる23号車が下位に沈んでいるが?
バトン選手:23号車だけでなく、多くのライバルがいる。だが、クルマはいいし、明日はともかく暑いからなるべく安定してクルマをゴールに持っていくことが重要になる。クルマはいい状態なので、ベストを尽くしてレースでは頑張りたい。
山本選手:今回の最大の目標は、燃リス組の中で一番前でゴールすること。予選結果ではかなり有利な状況になっているが、Q1で後方に下がったクルマもレースでは追い上げてくると思う。特に1号車と23号車はしぶとく順位を上げてくるので、明日も気がついたら近くを走ってくるのではないか。その中で表彰台に上がることができればチャンピオンシップでは有利な状況になると思う。
SUPER GTでは逃げ切ることが難しいので、最終戦までチャンピオン争いにしっかり残っていきたい。そのためにも、表彰台に上れることがベストだけど、それがダメでもちゃんとポイントを持ち帰りたい。