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トヨタとパナソニック、全固体電池も研究開発する車載用角形電池事業の合弁会社に関する記者会見

2030年に年550万台以上の電動車を販売

2019年1月22日 発表

トヨタ自動車株式会社 パワートレーンカンパニー 主査の好田博昭氏

 トヨタ自動車とパナソニックは1月22日、車載用角形電池事業に関する新会社設立に向けた事業統合契約、合弁契約を締結したと発表。両社が設立する新会社では、車載用電池の生産のみならず、全固体電池などの次世代電池の研究開発も事業範囲に含まれた。

 今回、トヨタは電池セルの開発・生産技術領域の設備や人員を、パナソニックは日本や中国の工場など、車載用角形電池事業の開発・生産技術・製造・調達・受注や管理機能に関わる設備・その他資産・負債や人員等を、それぞれ合弁会社に移管することに合意。

 合弁会社の事業範囲は、車載用角形リチウムイオン電池、全固体電池、および次世代電池に関する研究開発・生産技術・製造・調達・受注・管理とした。

 合弁会社の出資比率はトヨタ51%、パナソニック49%となり、合弁会社の製品は原則としてパナソニックを通じて広く自動車メーカーへ販売するという。

 同日行なわれた記者会見では、パナソニック 事業開発部 部長 人見健氏と同 経営企画部 部長 隅田和代氏、トヨタ自動車 パワートレーンカンパニー 主査 好田博昭氏と同 BRパワートレーン協業推進グループ 主査 大竹正訓氏が出席。今回の合意内容について記者からの質問に答えた。

パナソニック株式会社 事業開発部 部長の人見健氏

 これまでに、トヨタは2030年に年550万台以上の電動車販売を目標に掲げていることを公表しているが、「新会社の設立はどのような意味を持つか?」との記者からの質問に、トヨタの好田氏は「それは新会社を作るうえでの狙いでもある。2030年に電動車販売を550万台以上にするというのは、これまでの年150万台から3倍以上となる数字。(バッテリーを)ますます性能を上げて、量を拡大するのにあたっては、両社で組んでやっていくのが最善の選択肢、目標の実現に向けて必要な連携であった」と述べた。

 また、今回発表された合弁会社の事業範囲は、車載用角形リチウムイオン電池、全固体電池、および次世代電池に関する研究・開発・生産技術・製造・調達・受注・管理としている。

 これまでトヨタは全固体電池について2020年代前半での実用化を目指し開発を進めることを目標にしていたが「両社が組むことでこの目標に変更はないか?」との記者の質問に、トヨタの好田氏は「トヨタは2020年代の早い時期に全固体電池を実用化したいと生産技術を含めて研究を進めているが、当然、開発を加速していきたいと思っている。ですが、具体的な内容については控えさせていただきたい」とコメント、パナソニックの人見氏も「パナソニックとしても、全固体電池の技術の共用化させていただくことで、開発の加速化を考えていきたい」とコメントした。

車載用角形電池事業に関する新会社設立に向けた記者会見に出席するパナソニック株式会社 事業開発部 部長の人見健氏(左)と、トヨタ自動車株式会社 パワートレーンカンパニー 主査の好田博昭氏(右)