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トヨタとパナソニック、車載用角形電池事業に関する合弁会社設立

合弁会社の出資比率はトヨタ51%、パナソニック49%

2019年1月22日 発表

車載用角形電池事業に関する新会社設立に向けた記者会見に出席するパナソニック株式会社 事業開発部 部長の人見健氏(左)と、トヨタ自動車株式会社 パワートレーンカンパニー 主査の好田博昭氏(右)

 トヨタ自動車とパナソニックは1月22日、車載用角形電池事業に関する新会社設立に向けた事業統合契約、および合弁契約を締結したと発表した。

 トヨタとパナソニックは、2017年12月13日に車載用角形電池事業についての協業の可能性を検討することに合意。以降、両社は性能およびコスト面において業界No.1の高容量・高出力に対応した車載用角形電池を実現し、トヨタのみならず広く自動車メーカーの電動車の普及に貢献すべく、具体的な協業内容についての協議を積み重ねてきたとしており、「今回の契約締結は、両社の競争力のある電池の実現に向けた取り組みを、さらに強化・加速させるものと確信しております」と発表。

 合弁会社では、両社の経営資源・リソースを結集し、トヨタの強みである「電動車のノウハウと市場データ、全固体電池等の先行技術およびトヨタ流のモノづくり」とパナソニックの電池メーカーとしての強みである「高品質・高い安全性の高容量・高出力電池の技術、量産技術、国内外の顧客基盤」を融合することで、「No.1開発力」と「No.1製造力」の実現を目指す。

 具体的にNo.1開発力では、車両の企画・構想段階から連携し、高容量・高出力電池の「開発の加速化」を進めていく。また、No.1製造力では両社の生産技術リソースとモノづくりノウハウを共有し、高品質・低コストでの「安定供給体制を確立」することに加え、スケールメリットを活かした調達・製造コスト削減なども実現していく構え。

 今回の発表について、トヨタの寺師副社長は「パナソニックとともに電動車のコア技術の1つである電池の競争力を磨き、トヨタのみならず広く自動車メーカーの電動車普及に貢献していくことで、地球温暖化や環境・エネルギー問題の解決に寄与していきたい。また、さらに多くのお客さまによりよい電動車をお届けすることを目指して一昨年公表した『電動車普及に向けたチャレンジ』(2030年にグローバル年間販売台数における電動車を550万台以上等)の達成に向けても、この新会社への期待は大きい」とコメント。

 また、パナソニックの柴田専務執行役員は「トヨタの電池技術・生産技術と一緒になることで、性能と安全性で実績のある当社の車載用角形電池を、今まで以上のスピードで進化させていくことができる絶好の機会が得られる。クルマの電動化を通じた環境にやさしいモビリティ社会実現への貢献を加速していきたい」と述べている。

 両社は1月22日に発表会を開催しており、その模様は追ってお届けする。

主な合意内容

・2020年末までに合弁会社を設立(各国・地域の競争法当局の承認取得が前提)
・合弁会社の出資比率は、トヨタ51%、パナソニック49%
・合弁会社の事業範囲は、車載用角形リチウムイオン電池、全固体電池、および次世代電池に関する研究・開発・生産技術・製造・調達・受注・管理
・トヨタは電池セルの開発・生産技術領域の設備および人員を、パナソニックは車載用角形電池事業の開発・生産技術・製造(工場は日本、および中国 大連市)・調達・受注および管理機能に関わる設備・その他資産・負債および人員等を、それぞれ合弁会社に移管
・合弁会社に移管する対象事業に関わる両社の従業員数は約3500人(2018年12月末日現在)
・製品は、原則としてパナソニックを通じて広く自動車メーカーへ販売