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日産、東京モーターショー 2019で軽自動車規格のEVコンセプト「ニッサン IMk」世界初公開

進化した「プロパイロット 2.0」など最新技術を搭載し、日本の伝統を取り入れたデザインを採用

2019年10月1日 発表

日産自動車のEV(電気自動車)コンセプトカー「ニッサン IMk」

 日産自動車は10月1日、2020年代の「ニッサン インテリジェント モビリティ」が目指す将来の姿を体現するというEV(電気自動車)のコンセプトカー「ニッサン IMk」を公開。第46回 東京モーターショー 2019に出展すると発表した。

 ニッサン IMkのボディサイズは3434×1512×1644mm(全長×全幅×全高。全幅はドアミラーを除く)で、電動化やコネクティビティなどの進化した技術により、ニッサン インテリジェント モビリティの新たな方向性を提示する、軽自動車規格に近いコンパクトなサイズのEVコンセプトカー。「日本の暮らしの中でちょうどいい『軽規格』のサイズのクルマに乗りたいというお客さまに、EVという新しい選択肢を提供します」との狙いから、新開発のEVプラットフォームを採用し、EVならではの力強くスムーズな走りと静粛性を実現。最新の運転支援技術やシームレスなコネクテッド機能を搭載し、ドライバーが自信を持って運転できるようにサポートするだけでなく、クルマでの移動をワクワクした体験に変えるシティコミューターとした。

「ニッサン IMk」紹介ムービー(3分51秒)
ニッサン IMkのボディサイズは3434×1512×1644mm(全長×全幅×全高。全幅はドアミラーを除く)。軽自動車規格に近いサイズのEVコンセプトカーとなる

 新開発のパワートレーンや低重心のパッケージは、EVならではの力強く上質な走りと高い静粛性、そして「これまで体験したことのない快適なドライビングを実現」するという。また、モーター駆動ならではのレスポンスのよいパワフルでスムーズな加速により、ストップアンドゴーや車線変更が多い街中だけでなく、傾斜のある道を走るときといったあらゆるシーンにおいて、これまでの軽自動車の常識を変える走りを提供するとした。

 また、運転支援技術「プロパイロット 2.0」を進化。高速道路での運転支援から主要幹線道路に利用範囲を拡大し、幅広いシーンでドライバーの運転をサポートする次世代の運転支援技術を搭載。スマートフォンを使ってクルマを自動的に駐車することができる「プロパイロット リモートパーキング」や、クルマから降りると無人状態のニッサン IMkが自ら空きスペースに駐車し、必要なときにドライバーがスマホで呼ぶとドライバーの元まで迎えに来るドライバーレスバレーパーキング機能を搭載。運転経験の浅い人でも数々の運転支援機能により、安全で快適なドライビングを楽しめるなど、日産の先進技術ですべてのドライバーがあらゆるシチュエーションで安心して使えるサポートを充実させた。

 エクステリアデザインは、都市の洗練された景観にも日本の伝統的な街並みにも自然に溶け込むような、フロントからボディサイド、リアへと滑らかに面や線が流れるデザインを採用。ボディカラーには日本古来から使われている金属で、日本の文化にゆかりのある「アカガネ」を設定し、バンパーやホイール、タイヤ、テールランプ、ルーフには「水引」模様の流れの美しさにヒントを得たスリットパターンを取り入れ、フロントグリルやリアコンビランプには木組みを模したような格子パターンを表現するなど、細部に至るまで日本のDNAを取り込んだ表現を施した。

ボディカラーは日本文化にゆかりのある「アカガネ」を採用

 インテリアは、これからの自動運転の時代に向けて、運転のための空間から快適な時間を過ごす「部屋」としての空間へ変化することを意識して開発。直線やシンプルな曲面を使って空間を構成して、クリーンでモダンな「部屋」を表現するとともに、アカガネのアクセントで上質さと艶やかさを追加。インストルメントパネルは一切のスイッチを廃し、ユーザーに必要な情報はアイコニックなプリズムディスプレイの中で空中に浮かび上がるかのように映し出されるほか、インタラクティブにパーソナライズされた、ウィットに富んだGUIもホログラムのように映し出される。

 また、日本家屋の縁側や障子のように、プリズムディスプレイの手前と向こう側を視覚的に連続させるデザインで、奥行きや広さを感じさせ、リラックスできる楽しい空間を創出。コンパクトなEVパワートレーンにより余裕を生み出したフットスペースに暗めの色を配し、インテリア全体を包む淡い色とベンチシートによってラウンジのようなリラックスできる空間を演出する。

ボディカラーと同色のアカガネがアクセントに用いられたインテリア

 さらに最新のコネクティビティ機能も搭載し、クルマと社会、ドライバーをいつでもシームレスにつなげることが可能。スマホと連携してドライバーを認証し、クルマに乗り込むたびにシートポジションや好みの香りなど、認証されたドライバー個人にパーソナライズされたセッティングに変更。ドライバーが乗り込む前にエアコンやステアリングヒーター、シートヒーターなどを作動させることで、乗車する人が快適な車内空間をあらかじめ作ることもできる。これらのことにより、家族でクルマを共有する場合でも、いつでも車内を自分のお気に入りのプライベートスペースにしておくことが可能となる。

 そのほかにも、ドライバーのスケジュール管理ソフトともつながり、渋滞など最新の交通状況を考慮してクルマがスケジュールに間に合う出発時間をスマホに通知。時間を無駄にしないシームレスな移動を実現する。目的地に到着すると、ドライバーレスバレーパーキング機能により自動で空いているスペースを探して駐車。V2X(Vehicle to Everything)を搭載しているニッサン IMkは、駐車中でもドライバーのスケジュールや次の目的地を事前に把握することで、ドライバーの次の移動までもシームレスにサポート。その後の移動に必要な電気を残しながら、V2H(Vehicle to Home)の機能を通して家庭やオフィス、地域社会のエネルギーマネジメントに貢献するという。

 また、CES 2019で日産が発表した究極のコネクテッドカー体験を生み出す将来技術「Invisible-to-Visible(I2V)」も搭載しており、休日にはアバターとなって車内に現われた友人との会話を楽しみながらドライブの時間を過ごすことが可能。移動中であっても遠隔地にいる友人とつながり、充実したソーシャルライフを楽しめるとした。

 日産自動車 グローバルマーケティング&セールス、グローバルEV事業を担当する副社長の星野朝子氏は「『ニッサン IMk』は、EVだからこそ得られる静かでダイナミックな走りにより、快適でストレスフリーな移動の時間を楽しむことができます。シームレスな操作によってより直感的でいつでもクルマとつながっているという、今までなかった体験をお客さまにご提供します。そして、『ニッサン IMk』そのものがドライバーにとってお気に入りの空間となり、暮らしの中で、なくてはならない場所になるでしょう」とコメントしている。