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BMW、新型「5シリーズ」発表会レポート アップルと共同開発した世界初採用の「BMWデジタル・キー」のデモ公開

「530e Luxury Edition Joy+」でPHVモデルを815万円から提供

2020年9月28日 開催

ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏が登壇した「新型 BMW 5 シリーズ オンライン発表会」

 ビー・エム・ダブリューは9月28日、新型「5シリーズ セダン」「5シリーズ ツーリング」のオンライン発表会を公開。発表会に登壇した同社代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏は、新型5シリーズについて、安全性、贅沢な品質、サスティナビリティ、コネクティビティを備えたモデルであることを強調した。

 また、ヴィードマン氏は、BMWが2011年12月~2020年6月の期間に、日本で登録されたクリーンエネルギー車の総数で輸入車ブランドNo.1であることを強調。プラグインハイブリッド、クリーンディーゼルエンジン、ガソリンエンジンといった幅広いパワートレーンをラインアップした新型5シリーズについて、「私たちの戦略を反映したモデル」であることを示した。

アップルと共同開発したiPhoneを使用したクルマのデジタルキーを世界初採用

新型5シリーズに運転支援システム「BMW ドライビングアシスト・プロフェッショナル」を標準装備させた
高性能な3眼カメラやレーダー、プロセッサーによる高い解析能力によって、より精度と正確性を向上させた

 具体的な製品の特徴については、BMWブランド・マネジメント プロダクト・マーケティング プロダクト・マネージャーの御館康成氏から、高性能な3眼カメラやレーダー、高性能プロセッサーによる高い解析能力によって、より精度と正確性を向上させた、最先端の運転支援システム「BMW ドライビングアシスト・プロフェッショナル」を標準装備するなど、新型5シリーズの「安全性」「品質感と快適性」「環境性能」といった3つのポイントが紹介された。

 その中で、BMWとアップルが共同開発した、世界の自動車メーカーで初めてiPhoneを使用したクルマのデジタルキー「BMWデジタル・キー」について紹介するデモが公開された。

iPhoneをドアノブにかざすことでドアロックを解除することができる
センターコンソールにiPhoneを置くと車両システムがキーとして認識

 御館氏は「iPhoneを持つお客さまであれば、このようにドアノブにかざすだけでスマートに乗り込むことができます。スマートフォンはいつも持ち歩いていますので、クルマに乗る度に追加でキーを探してポケットやバッグの中に持ち歩く必要がなく、とても快適です。このスマートフォンはいつもどおりセンターコンソールに置くだけで車両システムがキーとして認識し、そのままボタン押せばエンジンがスタートします。このように日常生活からドライビングシーンまで、とてもスマートに移行できます」と紹介した。

 iPhoneを持たないユーザーについても、付帯したキーカードを利用すれば、iPhoneと同じようにスムーズかつ快適にクルマに乗り降りできるという。

iPhoneを持たないユーザーも、付帯したキーカードを利用すれば、iPhoneと同じようにスムーズかつ快適にクルマに乗り降りできる

PHVの「530e M Sport Edition Joy+」とガソリンモデルの「523i M Sport」が減税と補助金で実質同額に

 新型5シリーズでは、セダンとツーリング共通のパワートレーンとして、クリーンディーゼルエンジン搭載の4WDモデル「523d xDrive」「523d xDrive Touring」、直列4気筒ガソリンエンジン搭載モデル「530i」「530i Touring」、直列6気筒ガソリンエンジン搭載の4WDモデル「540i xDrive」「540i xDrive Touring」をラインアップ。さらに5シリーズ セダンには、直列4気筒ガソリンエンジン搭載モデルの「523i」と、プラグイン・ハイブリッド・システム搭載モデルの「530e」を用意する。

 御館氏のプレゼンテーションではPHVモデルの530eについて紹介された。PHVモデルの530eでは、直列4気筒エンジンと電気モーターの組み合わせにより、システムトータルで最高出力215kW(294PS)、最大トルク420Nmを発生。ハイブリッド燃料消費率は12.8km/L(WLTCモード)。また、200Vの普通充電で約4~5時間にて満充電となり、電気のみで54km(WLTCモード)の走行が可能。

 PHVモデルの530eについて、御館氏は「最も特徴的かつ、BMW独自のこだわりはバッテリーのレイアウトです。BMW 530 eは約100kgもの重いバッテリーをできるだけ車体の中央に配置するよう、あえて既存のガソリンタンクを後席下からトランクルーム下に移設することにより理想的な重量バランスとなっています。とても重たいバッテリーをそのままリアのトランクのフロアに置いてしまった場合、重たいものがボディの後端で振られてしまうので、クルマをスポーティに走らせることはとても難しくなります。そうではなく、BMW 530 eはバッテリーを車体の中央後席の下に低く搭載することによって車両の理想的な重量配分の悪化を防ぎ、スポーティなハンドリングを維持した上で車体の重心が下がり、よりどっしりと重厚感のあるプレミアムセダンらしい安定感のある走りも同時に実現しています」とその特徴を紹介した。

 なお、PHVモデル「530e M Sport Edition Joy+」の価格840万円について、御館氏は減税の約22万円、補助金の20万円を考慮すると、ガソリンモデルの「523i M Sport」の798万円と実質同額であることを強調した。

 御館氏は「われわれBMWは、これまでも国内のプレミアム市場において早くからプラグインハイブリッド、クリーンディーゼル、そして電気自動車を積極的に導入し市場を牽引してきました。そして今後もクリーンエネルギーの需要動向や行政の施策を傍観し追従するのではなく、自ら先頭に立って理想的な環境技術の普及をリードしていくブランドでありたいと思います」との意気込みを語った。