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ランボルギーニ、新ラインアップ「ウラカン テクニカ」 STOと同じV10エンジン搭載の後輪駆動モデル

2022年4月12日(現地時間)発表

ウラカン テクニカ

 アウトモビリ・ランボルギーニは4月12日(現地時間)、ウラカンの新ラインアップとしてウラカン STOと同じV10エンジンを搭載した後輪駆動モデル「ウラカン Tecnica(テクニカ)」を発表した。

 今回発表されたウラカン テクニカはRWDモデルとSTOの中間に位置付けられるモデルで、パワートレーンにはウラカン STOと同じく最高出力470kW(640HP)/8000rpm、最大トルク565Nm/6500rpmを発生するV型10気筒5.2リッターエンジンを搭載。乾燥重量は1379kg、パワーウェイトレシオは2.15kg/HPを実現する。最高速は325km/hで、0-100km/h加速は3.2秒とした。

ウラカン STOと同じエンジン出力を有するウラカン テクニカ
ウラカン テクニカ(1分34秒)

 後輪駆動にダイレクトなステアリングレシオとトルクベクタリングを備えるリアホイール・ステアリングを採用したほか、ウラカン テクニカのために変更が加えられたP-TCS(パフォーマンス・トラクション・コントロールシステム)と特別なサスペンションのセットアップを組み込み、「STRADA」「SPORT」「CORSA」という3種類のドライブモードに応じて動的システムが調整される。

 STRADAモードでは快適性を重視し、SPORTモードはリアホイール・ステアリングによる強いオーバーステアとP-TCSの高いスリップ閾値がもたらすドライビングの楽しさを最大限に味わえる仕様とした。また、CORSAモードはサーキット走行を重視したモードで、最適化されたスロットル応答と最速のギヤシフトを実現するという。

 エクステリアではブラックのY字デザインが特徴的な新しいバンパーに、ウラカンシリーズ初のエアカーテンを採用。新しいフロントスプリッターに細いオープンスラットを備えてタイヤに空気を送り込み、ダウンフォースと冷却の向上を図った。また、フロントガラスのベース部分を黒くすることで軽量ボディをさらに強く印象付けた。

 ボディサイズは4567×1933×1165mm(全長×全幅×全高。全幅はミラーをのぞく)、ホイールベースは2620mm。全長はウラカン EVOよりも61mm長く、全高と全幅は同じながらウラカン EVOよりも低く幅広く見え、そのシルエットはV12エンジン搭載のサーキット専用ハイパーカー「Essenza SCV12」のDLO(デイライトオープニング)のラインから着想を得たもの。また、フロントのブラックのY字が車体の側面からサイドエアインテークに沿って伸びることで、ウラカン テクニカの躍動感を強調している。

ウラカン テクニカのボディサイズは4567×1933×1165mm(全長×全幅×全高。全幅はミラーをのぞく)、ホイールベースは2620mm

 リアまわりでは新たに採用された垂直リアウィンドウをはじめとするリア部分の形状の見直しにより視認性が向上したほか、デザインを一新した軽量カーボンファイバー製ボンネットなどを採用。また、力強さを感じさせるリアには吸気を最適化した新バンパーを採用するとともに、ボディカラーまたはオプションのブラックで塗装されたディフューザーと、ウラカン テクニカのパワートレーンが奏でるファンファーレを強調する六角形の新型マフラーを組み合わせた。さらに固定式リアウィングの採用により、ウラカン EVO RWDと比べてリアダウンフォースは35%増加し、ドラッグは20%低減した。

 足下はバーチャルカ―「V12 ビジョン グランツーリスモ」から着想を得た新しいDamiso製20インチダイヤモンドカットホイールを採用したほか、カーボンセラミックブレーキには特別に設計された冷却デフレクターとキャリパーダクトを採用しており、ディスクに直接空気を流すことで放熱を最大限に高め、ブレーキフルードの温度とブレーキペダルの伸びを低減する。

 インテリアでは高さ調節可能なスポーツシートを採用するとともに、軽量ドアデザイン、軽量チタン製リアアーチやホイールボルト、ハーネス式シートベルトなどのオプションを用意。また、ウラカン テクニカ限定のHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)を用い、運転席のインストルメントパネルは色使いを抑え、ドライバー正面で大きく新たな弧を描くことで視認性を高めている。

ウラカン テクニカのインテリア

 このウラカン テクニカについて、アウトモビリ・ランボルギーニCEOのステファン・ヴィンケルマン氏は「ウラカン テクニカはランボルギーニのデザインと技術的な専門知識を結集した、運転する楽しさ(fun-to-drive)にぴったりのウラカンです。サーキット上だけでなく、そこへ向かう道のりでのドライビングにも同様の感動を与える車と言えます。ウラカン テクニカを運転すれば、車とアスファルトが一体となる感覚や、あらゆるドライブモードや環境でも簡単に使えるポテンシャルを楽しんでいただけるはずです。これはバーチャル体験の時代において、妥協のない技術と身体的感覚への敬意を表するものです。ウラカン テクニカはRWDとサーキット中心のSTOのちょうど中間にあたり、テクノロジーとパフォーマンス、そして飛躍的に進化したデザインのV10自然吸気エンジンを見事に実現した、ウラカンシリーズを完成させる車です」とコメントしている。