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ロールス・ロイス、内外装をリファインした「ファントム・シリーズII」日本初公開 価格は6050万円から
2022年10月21日 09:15
- 2022年10月20日 開催
ロールス・ロイス・モーター・カーズは10月20日、ブランドイベント「ビスポーク・ボヤージュ」を東京都品川区の寺田倉庫で開催。この会場で5月に内外装のデザインをリファインした「ファントム・シリーズII」を日本初公開した。
ファントム・シリーズIIでは、ロールス・ロイスモデルの大きな特徴となっている「パンテオングリル」上部にポリッシュ仕上げの水平ラインを新設。ヘッドライトにはレーザーカットされた「ベゼル・スターライト」を採用して、車内のルーフ部分に施されている「スターライトヘッドライナー」との一体化によって夜間の存在感を高めた。価格はファントム・シリーズIIが6050万円から、ファントム・エクステンデッド・シリーズIIが7007万円からとなる。
このほかリファインについての詳細は、関連記事「ロールス・ロイス、『ファントム』の内外装をリファイン 特別モデル『プラティーノ』公開」を参照していただきたい。
ファントムは私たちのアイコンであり、希少な宝石のような存在
イベントの冒頭であいさつに立ったロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋リージョナル・ディレクター アイリーン・ニッケイン氏は「ロールス・ロイス ファントムはラグジュアリーな世界において比類ない最高峰のポジションを確保しています。ファントムは私たちのアイコンであり、希少な宝石のような存在です。この最高峰のプロダクトで、私たちロールス・ロイスが持つベリーベストをすべて体現しているのです。デザイン、エンジニアリング、そしてクラフトマンシップといったすべての領域に渡ります。そんなファントムのシリーズIIでは、お客さまが気に入っていただいているものをすべて注意深く守っています。それでありながら、意味のある改良を行ない、進化していくお客さまの要望を反映しているのです」。
「ファントムは常に『最高のクルマ』という地位を誇っています。さらにビスポークが持つ能力や手腕により、お客さまはパーソナライズによって『自分の世界』を表現することができます。この世界には、“真のラグジュアリー”と呼べるものはほんのひと握りしかありません。ロールス・ロイスにおいてビスポークは真のコラボレーションです。それはお客さまと私たちのデザイナーや職人たちのコラボレーションで生まれるものだからです。ビジョンや想像力、最高峰の素材とスキル、精度が完璧にブレンドされて真にユニークなものを生み出すのです」とコメント。シリーズIIに進化したファントムとロールス・ロイスのビスポークプログラムについて紹介した。
ファントム・シリーズIIのアンベールに合わせて登壇したロールス・ロイス・モーター・カーズ プロダクト・スペシャリスト ケンザ・サーディ氏は「皆さま、ファントムはロールス・ロイスの歴史において最も著名なクルマ、そしてヘリテージを持っています。さらにファントムはスーパーラグジュアリーカーのベンチマークでもあります。それはハンドビルドのクラフトマンシップであり、ビスポークの能力です」。
「シリーズIIとなるこのクルマでは、まずお客さまが長きに渡って愛してくれている点についてはしっかりと守っていきつつ、ほんの小さな、しかし本当に意義のあるデザイン変更を行ないました。そんな変更によってファントムの立ち位置を固めていこうと思っているからです。また、ファントムとファントム・エクステンデッドのキャラクターをしっかりと分けることも考えています。とくにファントムはドライバーズカーとしてのキャラクターを前面に押し出しました。一方でファントム・エクステンデッドのショーファードリブンという立ち位置は変わっていません」と語り、リファインの狙いを説明した。
また、サーディ氏はリファインの解説を行ない、以前よりもさらに押し出しの強い表現となったフロントマスクでは「3つの重要なエレメント」があると説明。3ピースのポリッシュドステンレスで構成されるパンテオングリル、580個のレーザーエッチングで星を表現したスターライト・ヘッドライト、左右のヘッドライト内に新設されたデイタイムランニングライトとグリル上部のホリゾンタルバーを完全に合わせた水平基調のホライゾンラインの3点を挙げた。
サイドビューでは切り詰められたフロントオーバーハングと長いホイールベース、後席に座る人のプライバシーを守って車内の静粛性も印象付ける力強いCピラーといったファントム特有の要素に加え、3D切削加工の技術を使った22インチのダイナミックホイールを新たに採用。このホイールはとくに走行中、キラキラと光を反射することによってダイナミズムを表現できるという。
内装にバラの刺繍を施してアート作品仕上げに
会場ではファントム・シリーズIIの日本初公開に加え、ロールス・ロイスのカスタマイズプログラムを手がける「ビスポーク スタジオ」について紹介するプレゼンテーションや見本展示などが行なわれた。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋およびヨーロッパ ビスポーク・セールス・マネージャー クリストファー・コーデリー氏はプレゼンテーションのなかで、クルマを購入するときにはショールームに足を運び、そこから実際にクルマを手に入れるまでの旅が始まるというのが一般的だが、ビスポークで考える場合は、自分の身のまわりにあるものや家族、もっと単純に歩いているときに思いつくような、自分が好きでクルマに反映したいと思えるようなインスピレーションを受けるところからスタートしているのだと解説。
これまでビスポークで手がけてきた具体例を挙げ、顧客の着想とそこから生み出されたカスタマイズについて説明。「ローズ・ファントム」と呼ばれているビスポークモデルでは、動植物を深く愛する顧客から「外にある世界を車内に取り込んでほしい」とのオーダーを受け、この挑戦に対する答えとして、ドアやルーフのトリム、インパネにあるギャラリーなどの箇所にバラの刺繍を施すことでアート作品のように仕上げた。刺繍はルーフトリムだけでも100万ステッチを数える気が遠くなるような作業だったが、完成した刺繍は日中や夜間など、光の当たり方によって常に異なる表情を見せる素晴らしいものになったという。
そんなローズ・ファントムの刺繍を実際に手がけたロールス・ロイス・モーター・カーズ ビスポーク・エンブロイダリー・スペシャリスト ジョシュア・リレス氏は、十数年前に自分がロールス・ロイスで刺繍の作業に携わるようになった当時は、ヘッドレストに刻まれるRRのモノグラムを購入者自身のイニシャルや会社のロゴマークに変更するといった内容がメインだったが、歳月を経ることに進化を続け、今ではロールス・ロイス車のインテリアをキャンバスのように扱って、ローズ・ファントムのようなアートワークが可能になっているとアピールした。