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ジープ、新型「コマンダー」日本導入 5人乗り2列シート仕様とPHEVが追加された「グランドチェロキー」とともに国立科学博物館で発表
2022年10月24日 19:45
- 2022年10月24日 開催
ジープ(Stellantisジャパン)は10月24日、7人乗りの新型SUV「Commander(コマンダー)」と、フラグシップモデル「グランドチェロキー」の5人乗り仕様とプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの発表会を東京都台東区上野公園の国立科学博物館で開催した。
新型コマンダーは、最高出力125kW(170PS)/3750rpm、最大トルク350Nm(35.7kgfm)/1750-2500rpmを発生する直列4気筒DOHC 2.0リッターディーゼルターボを搭載する7人乗りモデル。ボディサイズは4770×1860×1730mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2780mm、車両重量は1870kg(サンルーフ付きは1890kg)となる。価格は597万円。
ジープのDNAと先進デザインを融合したエクステリアと、全ての乗員に配慮した上質なインテリアを採用し、あらゆる路面で高い走行安定性を実現する「セレクテレイン システム」を備え、卓越したオフロード性能を実現している。
また、アダプティブクルーズコントロールや、ドアミラーの死角にある車両の存在を警告するブラインドスポットモニター、高速道路でドライバーの運転負荷を軽減するハイウェイアシストシステムに加え、サラウンドビューカメラシステム、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者・サイクリスト検知機能付き)といった先進の運転支援機能を搭載。高い安全性を誇っている。
グランドチェロキーは、これまで導入されていた7人乗り3列シート仕様に加え、新たに5人乗り2列シート仕様の標準ボディモデルとともに、グランドチェロキーとして初のプラグインハイブリッド車を設定。パワートレーンは最高出力200kW(272PS)/5250rpm、最大トルク400Nm(40.8kgfm)/3000rpmを発生する直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンを搭載するガソリンモデルと、同じエンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルの2種類をラインアップ。モーターは最高出力46kW(63PS)、最大トルク54Nm(5.5kgfm)を発生するP1モーターと、最高出力107kW(145PS)、最大トルク255Nm(26.0kgfm)を発生するP2モーターの2基を搭載する。バッテリ容量は49.5Ahで、EV走行換算距離は53km、ハイブリッド燃費は10.4km/Lを達成している(数値はともにWLTCモード)。
標準ボディモデルは、4900×1980×1810mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2965mmというボディサイズとなり、7人乗り仕様に対して全長が約300mm、ホイールベースが125mm短縮され、最小回転半径は6.0m(グランドチェロキーLは6.3m)となった。ラインアップはLimited 2.0L(ガソリン)、Limited 2.0L(ガソリン)サンルーフ仕様、Limited 2.0L 4xe(プラグインハイブリッド)、Summit Reserve 2.0 4xe(プラグインハイブリッド)で、価格はそれぞれ892万円、910万円、1037万円、1227万円。
ジープは進化をし続けるブランド
発表会では、Stellantisジャパン 代表取締役社長 兼 CEO ポンタス・ヘグストロム氏が「ここに展示されている生き物に親近感を感じています。恐竜が長い時間をかけて進化し、全ての動物の頂点に立ったように、ジープというブランドも長い時間と純粋な血統を経て、市場で最も高性能なSUVに進化してまいりました。他の追随を許さない性能で、恐竜は大陸を自由に歩き回ることができたのです。ジープにも同じことが言えます。私どものモットーである“Go Anywhere. Do Anything”は恐竜にも同じように適用できたと感じます。こちらの会場は、ジープが映画『ジュラシック・パーク』コラボレーションしていることにもちなんでいます」と、博物館という場所で発表会を開催したことに触れ、「今日はジープというブランドの進化をご提案いたします」と話した。
ヘグストロム氏は、日本におけるジープブランドの近況について「2009年から2021年にかけて毎年売り上げを伸ばし続け、他の追随を許さない成長をした」と語るとともに、2022年は9月までに7500台のジープを納車し、年間では1万台超を目指していると紹介。受注ベースでは新記録を達成することが見込まれているとした。
また、輸入車のD-SUV市場は前年比8%と成長しており、プレミアムSUVの販売も安定し、この2つのセグメントで輸入車市場全体の15%を占めていると述べ、ジープとして、このセグメントでの提案を強化すると表明。アイコニックなSUVモデルとなる「ラングラー」、新たな市場を切り開いた「グラディエーター」、ジープ史上最もプレミアムで洗練されたモデルだという「グランドチェロキー L」に加え、新型コマンダーとグランドチェロキーの5人乗り仕様、PHEVモデルにより、これからも進化をし続けるとした。
“ファミリー”のためのジープ
Stellantisジャパン マーケティングダイレクターのトマ・ビルコ氏は、プレゼンテーションで「ジープは、現代では家族になくてはならないというふうになりました。外出するときはもちろん、一緒に過ごすときにも、会いに行くときにもです。そう考えると、モビリティは家族の絆であったり、家族のLOVEのツールだと言えると思います。新型コマンダーとグランドチェロキーは、われわれジープの中で、プレミアムポジションに位置するモデルです。とても有能で、クラス最高の4×4SUVであることは間違いありません。ハイエンドな仕上がりで快適に作られ、テクノロジーも満載です」と紹介。
新型コマンダーについて「非常に用途の広い7シーターのSUVで、山へハイキングに行くときや、海や川に遊びに行くときはもちろん、家族でショッピングやリゾート地へ行くときにもパーフェクトです」と述べるとともに、グランドチェロキーについては「贅沢の頂点。ジープのフラグシップカーです。ハイテクで、非の打ち所のない完璧な仕上がり、ベスト・イン・クラスの技術で、今までの常識では信じがたいほど素晴らしい4×4のクルマです」と、それぞれの特徴を語った。
また、Stellantis インドアジア太平洋地域 セールスマーケティングオペレーション 上級副社長のビリー・ヘイズ氏がプレゼンテーションを実施。ジープは家族を大切にするブランドだと述べ、ジープのオーナーコミュニティについて語ったのち、グランドチェロキーを紹介。新規設定となるPHEVモデルの4xeについて「新しい4×4」と語り、「ドイツ勢にはまねできないようなさりげないクールさを提供し続けている」「“なんちゃって”SUVモデルを蹴散らした」と海外でのグランドチェロキーの評価を踏まえ、「私たちが提供しているのが本物です」と述べた。
さらに、Stellantis Vice President of Interior Designのクリス・ベンジャミン氏が登壇し、新型コマンダーと、グランドチェロキーの内外装デザインについてプレゼンテーションを実施。
新型コマンダーでは、ウィンドウ上部にクロームを用いることで、ボディに長く美しい流線型を持たせ、ジープのDNAとなる台形のホイールアーチを用いることで、ジープらしさを強調。ジープのオリジナルデザインとなるフロントの7スロットグリルと連続するヘッドライトは、クロームを用いて宝石のような仕上がりとした。リアのコンビネーションランプは、ブラックのラインの中に氷のようなイメージのホワイトライトを入れることで、上質感のあるデザインとした。
内装は、シンプルな線と面で構成しながら、メタルフレームを効果的に用いることでラグジュアリーな印象を付与。エンペラドールブラウンで全体をまとめ、落ち着いた印象とした。
グランドチェロキーは「市場に多くあるSUVの中でも特別なものにしたかった」と述べ、「ひときわ目を引くものを作り上げたと思います」とデザインに関する強い想いを語り、デザインの概要を解説。ボディを横から見たときの、フロントからリアまで続くクリーンでスムーズなショルダーラインによって、エレガントな印象を付与。上部をブラックアウトするとともに、クロームを効果的に用いることで、個々のアイデンティティを保ちつつ、ジープファミリーの一員と分かるデザインとしたことを紹介した。
インテリアデザインについては、インパネを“メタルウイング”と呼ぶ1本のラインで囲み、これまでバラバラだったステアリングやメーター、センターディスプレイといったアイテムを、メタルウイングをコアにして配置することで、クリーンさとエレガントさを演出した。
そのほかに、Stellantisジャパン ジープブランドマネージャーの新海宏樹氏が新型コマンダーの日本導入グレードと価格を発表。Stellantisジャパン プロダクトマネージャーの渡邊由紀氏がグランドチェロキーのプロジェクト概要について紹介した。