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ミシュラン、世界初のサステナブル素材を45%含有した乗用車用タイヤ、58%含有したバス用タイヤ
2022年10月27日 15:22
- 2022年10月18日(現地時間) 発表
仏ミシュランは10月18日(現地時間)、世界で初めて公道走行承認済みで現行タイヤと同等の性能を保持しながら、サステナブル素材を45%含有した乗用車用タイヤと、同じくサスティナブル素材を58%含有したバス用タイヤを発表した。
今回発表した2種類のタイヤは、ミシュランが今後3年以内に開発する標準タイヤの未来像を示すものとしており、天然ゴムの割合を増やし、再生カーボンブラック、ヒマワリ油やバイオ由来樹脂、籾殻性シリカ、再生スチールを使用することでサステナブル素材の含有率向上を達成したという。
ミシュランは2030年に40%、2050年には100%持続可能なタイヤを生産するという意欲的な企業目標を掲げていて、そのゴールに向けて、現実的かつ具体的な取り組みを推進。タイヤの性能に妥協することなく、タイヤの全てのライフサイクル(設計・製造・輸送・使用・リサイクル)において環境負荷を低減することを目指している。
また、ミシュランには過去に培った知見と、素材分野での3678件の有効特許を保持しているほか、ハイテク素材分野の専門家が6000人いる研究開発部門全体をあげて2050年に向けた目標達成に取り組んでいるという。
そのほかにも、サステナブル素材におけるイノベーションのスピードや、品質の向上を図るためには新しい技術が必要とし、パートナーシッププログラムに参加して、リサイクル分野で画期的な技術開発を加速するための情報交換を実施している。
ミシュランの掲げる「タイヤを100%持続可能にする」というゴールに向けてパートナーシップを結んでいる企業(一部抜粋)
パイロウェーブ(カナダ)
廃ポリスチレンからリサイクルスチレンを製造する技術を持つ企業。スチレンはポリスチレンだけでなく合成ゴム製造にも使用されることから、最終的に年間数万tのポリスチレン廃棄物を、元の製品やミシュランタイヤにリサイクルできないかと研究している。
キャルビオ(フランス)
キャルビオの開発したプロセスで、酵素を使用してペットボトルを元の純粋なモノマーに分解することで、使用済みペットボトルを繰り返し再利用可能。リサイクル素材には、タイヤ製造に使用するポリエステルが含まれ、年間約40億本のペットボトルがミシュランタイヤにリサイクルされる可能性が見込まれているという。
エンバイロ(スウェーデン)
ミシュランとともにタイヤリサイクルプラントの建設に着工。カーボンブラック、熱分解油、スチール、ガス、など高品質の再生材料を使用済みタイヤから回収する特許技術を開発。この技術によりタイヤを100%リサイクルすることが可能に。
アクセンス(フランス)
バイオバタフライ・プロジェクトを主導する企業。フランスのIFPENと石油由来ブタジエンに代わるバイオマスブタジエンの製造に取り組む。この技術で、木材、籾殻、葉、トウモロコシ茎葉などを原料に、年間420万tの木材チップがミシュランタイヤへリサイクルされる可能性が見込まれている。
ADEME(フランス/環境エネルギー管理庁)
ブラックサイクルおよびホワイトサイクルと連携し、循環型経済をサポート。使用済みタイヤを高品質の原材料に変換、新品タイヤを製造。