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ダイハツ×SPK、TGRラリーチャレンジに「ロッキー」で参戦 モータースポーツを通じてDNGAを鍛える取り組みを開始

2023年3月10日 発表

コンパクトSUV「ロッキー」をベースとしたD-SPORT Racing Team車両の完成予想イラスト

 ダイハツ工業とSPKは3月10日、「モータースポーツを基点としたモノづくり・コトづくり」の一環として活動しているD-SPORT Racing Teamが、2023年のTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ(TGRラリーチャレンジ)にコンパクトSUVの「ロッキー」で参戦すると発表した。初戦は徳島県で3月25日~26日に開催される「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 三好」となる。

 ダイハツとSPKのモータースポーツ活動は、トヨタグループの一員としてモータースポーツを基点としたもっといいクルマづくりに加えて、モータースポーツの裾野を広げ、ファンづくりに貢献するとともに、モータースポーツ活動の現場において人を鍛えるという、人づくりの面も考えて進められている。

 そしてD-SPORT Racing Teamのモータースポーツ活動再開2年目となる2023年は、「ミラ イース」でのK4-GP FUJI7時間耐久レースへの参戦のほか、WRC(FIA 世界ラリー選手権)、全日本ラリー選手権、TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジへの参戦を計画。TGRラリーチャレンジにはロッキーと「コペン」での参戦となり、レースによって参戦車両を変えるという。

 今回新たな参戦車両となるロッキーは、軽自動車からAセグメント、Bセグメントまで一括企画したプラットフォーム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を採用する1.0リッターターボの4WD車両で、初戦となるTOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 三好では、ノーマルに必要な安全装備を装着した仕様で挑むという。これは、あえてほぼノーマルの状態で走ることでDNGAの課題を明らかにし、「DNGAを鍛える」ことで今後の改善とダイハツ車全体のレベルアップにつなげていく狙いがあるとのこと。

報道陣への説明を行なったD-SPORT Racing Teamのドライバー 相原泰祐氏(左)、代表 井出慶太氏(中央)、監督 殿村裕一氏(右)

 ダイハツ工業 コーポレート統括本部 統括部長 DAIHATSU GAZOO Racing責任者 兼 D-SPORT Racingチーム 代表 井出慶太氏は「2022年からスポーツカーのコペンを鍛えるということで活動をしており、K4-GPではダイハツの持つベーシックなクルマをモータースポーツによって鍛えるという活動を新たに始めました。さらに今回、ダイハツを代表するDNGA車両となるロッキーでTGRラリーチャレンジに参戦することで、DNGA車両をさらにもうワンランク鍛えていきます」と、ロッキーでの参戦理由を述べた。

ダイハツ工業株式会社 コーポレート統括本部 統括部長 DAIHATSU GAZOO Racing責任者 兼 D-SPORT Racingチーム 代表 井出慶太氏

 ドライバーを務めるダイハツ工業 コーポレート統括本部 DAIHATSU GAZOO Racing(TGR出向) 兼 D-SPORT Racingチーム 相原泰祐氏は、「DNGAを鍛える活動をロッキーで、ベーシックを鍛える活動をミラ イースで、スポーツカーを鍛える活動をコペンで行なうことで、ダイハツ車の全車がよくなって、もっとみなさんを笑顔にできるクルマになっていくといいなと思っていまして、現在取り組んでいるモータースポーツ活動はそこの改善を行なう活動だと思っています。全日本ラリーでは、実際にブレーキの形状を現場で改善し、タイムがよくなるということがありました。そういった経験をすることで設計者もうれしくなって、その経験をダイハツ社内で展開しているそうです。そういう経験はなかなかできないと思うので、得たものを技術の部分とマインドの部分で皆で話をして、ダイハツ社内全社で共有していく。モータースポーツ活動はそのような側面もあると思っています」と、モータースポーツ活動についての意義を語った。

ダイハツ工業株式会社 コーポレート統括本部 DAIHATSU GAZOO Racing(TGR出向) 兼 D-SPORT Racingチーム 相原泰祐氏