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トヨタ、パリ五輪・パラリンピックに電動モビリティ「アクセシブル・ピープルムーバー」と「車いす用e-puller」提供

2023年12月4日(現地時間) 公開

トヨタがパリオリンピック・パラリンピックに提供する2種類のモビリティ

誰もが自由で安全に移動できるモビリティを開発

 トヨタ自動車は12月4日(現地時間)、国際オリンピック委員会(IOC)および国際パラリンピック委員会(IPC)のワールドワイドモビリティパートナーとして、2024年開催の「パリオリンピック・パラリンピック」にて、人々の移動を助ける2つのインクルーシブモビリティを公開した。

 大会期間中は「アクセシブル・ピープルムーバー(Accessible People Mover)」と「車いす用e-puller」を提供し、選手や家族・スタッフ・ボランティア・観客と、誰もが自由で安全に移動できるとしている。

アクセシブル・ピープルムーバー(APM)

アクセシブル・ピープルムーバー(APM)
平均航続距離は100kmで、最高速は20km/h

 APM(アクセシブル・ピープルムーバー)は、「すべての人にモビリティを」というトヨタの信念を具現化した最新モデルで、近接乗降を可能とし、ラストワンマイルのサービス提供を実現するために設計されたモビリティ。バッテリEV(電気自動車)で、ベルギーのトヨタ・モーター・ヨーロッパが設計し、ポルトガルのトヨタ・カエターノが生産を担当。車両生産は2024年2月に開始される予定。

 また大会期間中は、約250台のAPMが会場に配備され、イベント開催場所や競技場、選手村などさまざまな施設で、来場者・スタッフ、身体動きに不自由がある選手、歩行が困難な選手(車椅子利用者を含む)、主催者、ボランティアなどの移動サポートをはじめ、競技に使用するグッズや緊急時の救援にも活用される。

車いす用「e-puller」

車いす用電動モビリティ「e-puller」

 e-pullerは、従来の手動式車いすをバッテリ駆動の電動モビリティで牽引することで、車いす利用者に移動の自由を提供するアイテム。車いす利用者が簡単かつ自立して移動できる製品を専門に手掛けているオーストリアのモビリティ新興企業「Klaxon」と共同開発した製品で、パリ五輪の期間中に発売される予定。使用するには車いすに専用ブラケットを取り付ける必要がある。

 パラリンピックの選手村では、50台が「KINTOモビリティアプリ」を介して共有モビリティとして使用される予定のほか、パラリンピックの開会式では、約150台が各国パラリンピック委員会、選手、スタッフに使用される予定という。平均航続距離は25kmで、開会式中は3~4km/h、選手村内では6~8km/hと最高速が制限される。