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新チーム「Castrol with TEIN」発足! 「シュコダ・ファビア」で全日本ラリー、「スバル・BRZ」で全日本ダートに参戦
2025年2月27日 07:15
- 2025年2月26日 開催
BP カストロールとテインは2月26日、共同でモータースポーツに取り組む新チーム「Castrol with TEIN」を発足。2025年のモータースポーツ活動計画と参戦マシンを初公開した。
カストロールとテインのつながりは、30年前にテインで専務取締役を務めていた藤本吉郎氏がTTE(TOYOTA TEAM EUROPE)に加入し、このTTEをカストロールが協賛支援していたことからスタート。その後、東京オートサロン 2023で1995年のサファリラリー優勝車であり、カストロールカラーのボディを持つ「セリカ GT-FOUR」(ST185)が展示されて話題になり、Castrol with TEIN発足につながっているという。
コラボレーション活動のCastrol with TEINでは、「カストロールカラー」を採用したマシンを使ってモータースポーツに参戦することでさらなるモータースポーツ発展を目指しており、カストロールは高性能な潤滑油を供給、テインは、サスペンション開発とエンジニアリングサポートを行なっていく。
2025年シーズンは「全日本ラリー選手権」にシュコダ「ファビア R5」を使ってドライバー鎌田卓麻選手、コ・ドライバー松本優一選手のコンビで参戦。さらに「全日本ダートトライアル選手権」にも鎌田選手がスバル「BRZ」で参戦する。
また、2026年シーズンからは全日本ラリー選手権の参戦マシンをファビア R5からトヨタ「GRヤリス ラリー2」にスイッチする計画を立て、準備を進めているという。
全日本ラリー選手権参戦体制
チーム名 Castrol with TEIN
車両名 Castrol TEIN DL SKODA
参戦クラス JN-1
チーム代表 鎌田卓麻
メンテナンスガレージ SYMS Racing
企画・運営 株式会社TKM
参戦車両スペック
車名 SKODA FABIA R5
ボディサイズ 3994×1775×1320mm(全長×全幅×全高)
エンジン排気量 1620cc
出力 210kW(281PS)
トルク 420Nm(42.8kgm)
駆動形式 4WD
トランスミッション シーケンシャル5速MT
クラッチ ツインプレート
サスペンション ホモロゲーションパーツ
ブレーキ Brembo
オイル Castrol
タイヤ DUNLOP
ホイール WORK M.C.O Racing
全日本ダートトライアル選手権参戦体制
チーム名 Castrol with TEIN
車両名 Castrol TEIN DL BRZ
参戦クラス D
チーム代表 栗原善宏
メンテナンスガレージ 栗原オート企画
企画・運営 株式会社TKM
参戦車両スペック
車名 SUBARU BRZ
ボディサイズ 4265×1775×1310mm(全長×全幅×全高)
エンジン排気量 2600cc
出力 353kW(480PS)
トルク 737Nm(75.2kgm)
駆動形式 4WD
トランスミッション シーケンシャル5速MT
クラッチ EXEDY
サスペンション TEIN
ブレーキ Winmax
オイル Castrol
タイヤ DUNLOP
ホイール WORK M.C.O Racing
全日本GT選手権の「カストロール トムス スープラ」以来、25年ぶりの国内レース復帰
神奈川県横浜市にあるテイン本社で行なわれた参戦発表会では、最初にBP カストロール 代表取締役社長 平川雅規氏が登壇してカストロールによるモータースポーツの取り組みやCastrol with TEINが発足した背景などを解説。
カストロールでは創業から125年に渡る歴史の中でモータースポーツと深く関わり、現在でも4輪ではWRCやフォーミュラEに加え、2026年からF1に参戦するアウディともコラボレーション。2輪ではホンダのワークスチームであるHRCのメインスポンサーとなって2025年のMotoGPに参戦するなど、世界最高峰レースでの活動を通じて技術革新とブランド周知に取り組んできた。
また、日本国内でのモータースポーツ活動としては、全日本GT選手権に参戦した「カストロール トムス スープラ」が1997年にシーズン優勝を果たすなどの活躍を見せていたが、2001年シーズンで全日本GT選手権におけるスポンサー活動が終了してからは20年以上カストロールカラーのレースマシンが国内レースで走ることが大きく減ったという。
そのような状況を悲しむファンの声も多く聞こえてきたことから、平川社長はカスロールが創業125周年を迎えた2024年のWRC・ラリージャパンにカストロールカラーの「GRヤリス ラリー2」で英国ラリー選手権に参戦している「カストロール MEM(Melvyn Evans Motorsport)ラリーチーム」を招聘。現地でカストロール復活を喜ぶファンの姿に触れ、これもCastrol with TEIN発足につながっているとした。
新たにスタートするテインとのリアルコラボレーションについては「25年ぶりに国内のレースシーンでカストロールカラーのマシンが走るということで、私自身も非常にワクワクしていますし、これをさらなるモータースポーツ活動のサポートなどにつなげていきたいと思っています」とコメントした。
また、発表会でCastrol with TEINの活動が持つ意義について問われたテイン 執行役員 渡邊宏尚氏は、「私もカストロールさんのカラーリングを施されたレースマシンに憧れていた者の1人です。ちょうど(平川社長のプレゼンテーションで紹介された)全日本GT選手権のスープラはまさに私の世代で、この場にいることもうれしいです」。
「弊社はモータースポーツに起源を持つ会社で、弊社の社長である市野と専務の藤本がモータースポーツ活動をしていて、『自分たちで勝てるダンパーを造ろう』ということからスタートしています。しかし、昨今では市販車向けの車高調製品が知名度で先行して、モータースポーツのイメージが少し落ちているところがあります。そこで、今回のカストロールさんとのコラボレーションを通じて、モータースポーツイメージの強いカストロールさんとCastrol with TEINの活動でレースに参戦することで、国内はもちろん、海外にもテインというブランドを発信していきたい。カストロールさんとテインのブランドイメージをどんどん上げていきたいと考えています」とコメントしている。
全日本ラリー選手権のシーズン開幕戦を2日後に控えた鎌田選手は「今年からCastrol with TEINのドライバーに抜擢いただきましたが、僕は小さいころにカストロールカラーのセリカに乗りたい!と思ったことからラリードライバーになりました。なので、本当に夢のような話で、憧れのカストロールカラーのマシンができあがったときには涙がちょちょ切れました(笑)。というぐらい憧れのクルマに今年は乗らせていただくということで、僕自身もチームも非常に気合いが入っています」。
「テストでは非常によい結果でした。が、ラリーはこういうときほど危ないです。たくさんのお客さまに見ていただくので、最初は慎重にいきつつ、最終戦あたりではチャンピオン争いができるようなクルマ作り、体制作りをして、(参戦を検討している)ラリージャパンに参戦したときには、カストロールカラーのマシンが世界の頂点に立てるような成績を目指して頑張ろうと思っています」と抱負を語った。