大型2次電池市場は輸送機器が牽引 富士経済調査より |
2010年5月27日発売
上巻・下巻:各10万1850円
上下巻セット:19万3200円
上下巻セット CD-ROM付き:20万3700円
富士経済は5月27日、大型2次電池(充電池)市場の調査報告「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2010(上・下巻)」を発売した。価格は上巻・下巻各10万1850円、上下巻セットで19万3200円、上下巻セットCD-ROM付きで20万3700円。
自動車などの輸送機器、太陽光・風力発電などの電力貯蔵用、建設機械などの産業用向け大型充電池についての世界市場調査。これによると、電池別での2015年の市場規模は次のとおり。
2009年見込 | 2015年予測 | 2009年比 | |
リチウムイオン電池 | 1538億円 | 1兆1726億円 | 7.6倍 |
電気二重層キャパシタ (ハイブリッドキャパシタ含) | 110億円 | 456億円 | 4.1倍 |
鉛電池 | 3460億円 | 6637億円 | 191.8% |
ニッケル水素電池 | 1426億円 | 1951億円 | 136.8% |
その他(ニカド、NAS) | 579億円 | 1171億円 | 2.0倍 |
合計 | 7113億円 | 2兆1940億円 | 3.1倍 |
もっとも高い伸びが予測されているのがリチウムイオン電池で、電気自動車(EV)などの次世代自動車向けと、ニッケル水素電池からの置き換え需要が2012年以降に加速すると見ている。これにともない、ニッケル水素電池は2012年から縮小に転じる。
自動車を含む輸送機器分野での2次電池市場は、次のとおり。
2009年見込 | 2015年予測 | 2009年比 |
3610億円 | 1兆2823億円 | 3.6倍 |
2015年の2次電池市場は、輸送機器向けが大半を占めると予測。生産台数ベースでは、中国で普及している鉛電池の電動2輪車が87%を占めるが、今後の成長率は低い。大きく伸びるのはやはりハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)向けで、とくにHEVは2015年には次世代自動車で最大のシェアを占めると予想している。HEV、PHEV、EVは台数ベースのシェアは1%ながら、1台に搭載する電池の容量が大きいため、金額ベースでは5135億円、蓄電デバイス市場でそれぞれ20%前後のシェアを占める。
製品別で見ると、HEV向けは次のとおり。
2009年見込 | 2015年予測 | 2009年比 | |
ニッケル水素電池 | 986億円 | 1382億円 | 140.2% |
リチウムイオン電池 | 20億円 | 1820億円 | 91倍 |
電気二重層キャパシタ | 15億円 | 31億円 | 2.1倍 |
HEVではニッケル水素が採用されてきたが、リチウムイオンの採用が増えており、トヨタ、ホンダも2011年前後にリチウムイオンのHEVを投入すると予想。2012年以降にリチウムイオンのHEVが拡大しはじめ、2015年には金額ベースでリチウムイオンがニッケル水素を上回ると予想している。
EV向けは次のとおり。
2009年見込 | 2015年予測 | 2009年比 | |
リチウムイオン電池 | 40億円 | 2695億円 | 67.4倍 |
EVは自動車メーカーと電池メーカーの連携が加速しており、大手メーカーの参入によりコスト低下や容量増加が見込まれる。しかし実用走行距離が100km程度と見られ、当面は業務用ユーザーが中心となると予測している。
(編集部:田中真一郎)
2010年 5月 27日