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ダイハツ、13個の樹脂パーツで外装を自由に変更できる新型「コペン」

「コペン ローブ」はCVT(7速モード付き)が179万8200円、5速MTが181万9800円

新型「コペン」
2014年6月19日発売

CVT(7速モード付き)車:179万8200円

5速MT車:181万9800円

「コペン Xモデル」

 ダイハツ工業は6月19日、軽オープンスポーツカーの新型「コペン(COPEN)」を発売した。ボディータイプはスポーツカーらしい躍動感や流麗さを表現する「コペン ローブ」、フェンダーなどのカラーリングを変えた2トーンボディーでアクティブテイストを強調する「コペン X(クロス)モデル」の2種類となるが、今回はコペン ローブを先行してリリース。コペン Xモデルは2014年秋の発売開始を予定している。コペン ローブの価格はCVT(7速モード付き)車が179万8200円、5速MT車が181万9800円。

 なお、同社ではこの新型コペンの発売に合わせ、購入者が“自分らしさ”を表現するためのサポート活動となる新たな取り組み「コペンファクトリー」「コペンサイト」「ローカルベース」をスタートさせる。

 新型コペンの生産工場となるコペンファクトリーでは、1台1台の車両をしっかり時間をかけて作り上げるほか、2014年夏以降に生産現場をオーナーが見学可能とする。全国の販売店に設置されるコペン認定ショップのコペンサイトには認定スタッフの「コペンスタイリスト」が常駐し、ユーザーにコペンの楽しみ方を提案。さらに地域ごとの特色を生かしたツーリングイベントを企画するなど、オーナー同士が気軽に交流できる場を提供する。ローカルベースは最初の店舗が鎌倉にオープンするメーカー直営の情報発信拠点。カフェとしての形態をベースに、地域と連携したコラボレーション企画などを展開。ユーザーと直接コミュニケーションをとって要望などを集め、商品開発にフィードバックさせるという。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
コペン ローブ直列3気筒 DOHC 0.66リッターターボCVT(7速モード付き)2WD(FF)1,798,200円
5速MT1,819,800円
「コペン ローブ」

 コペンは初代モデルが2002年6月にデビュー。維持費の安い軽自動車でオープントップ走行が気軽に楽しめる電動オープンルーフ「アクティブトップ」をラインアップしながら、64PSを発生するターボエンジンの搭載による本格的な走行性能を併せ持ったクルマとして人気を博し、2012年までの10年にわたって生産された。2代目モデルとなる新型コペンは、2013年の第43回東京モーターショーに「KOPEN future included Rmz」「KOPEN future included Xmz」の2種類のコンセプトカーとして登場。この会場で2014年上半期の発売が予告され、それから東京オートサロンなどさまざまな場を使ってニューモデルの魅力についてアピールされてきた。

 2代目コペンでは、電動オープンルーフを持つ2人乗りで、ターボエンジンで前輪を駆動させる基本スタイルを継承。初代モデルに用意されていたディタッチャブルトップ仕様はラインアップされていない。トランスミッションは5速MTのほか、4速ATに代えて7速スーパーアクティブシフト付きのCVTを設定している。

 このほかに外観では、ボディー構造で骨格部分と外装・内装を切り分ける独自の内外装着脱構造「DRESSFORMATION(ドレスフォーメーション)」を採用。外装ではヘッドライトやドアパネル、ルーフなどを除く13個の樹脂パーツをボルト締め付けで自在に交換可能として、購入した後でも好みに合わせてイメージチェンジしたり、傷ついたときに気軽に補修・交換できるようになっている。ボディーカラーは全8色を用意する。

電動オープンルーフはスイッチ1つで開閉操作が可能。約20秒でフルオープンとなる
前後バンパーやボンネット、トランクリッド、前後フェンダーなど外装パーツの主要な部分をボルト締め付け固定にした「ドレスフォーメーション」を採用。樹脂外板の採用で車両重量を軽量化し、脱着作業もしやすくなっている
ヘッドライト(ロービーム)、フロントイルミネーションランプ、リアコンビランプ、リアエクストラテールランプなどをLED化。ブーメラン形状のフロントLEDクリアランスランプは他社とは異なり、車両後方に頂点を持つデザイン
新型コペンの寸法図。ボディーサイズは3395×1475×1280mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2230mm
ジョーヌイエロー
トニコオレンジメタリック
マタドールレッドパール
クリアブルークリスタルメタリック
リキッドシルバーメタリック
ブライトシルバーメタリック
パールホワイトIII
ブラックマイカメタリック

 搭載エンジンはダイハツ車に幅広く採用されているKF型で、直列3気筒 DOHC 0.66リッターのインタークーラーターボ。最高出力は47kW(64PS)/6400rpm、最大トルクは92Nm(9.4kgm)/3200rpmとなっている。トランスミッションは7速スーパーアクティブシフト付きCVTと5速MTの2種類で、駆動方式は2WD(FF)のみ。車両重量は樹脂外板や樹脂燃料タンクの採用、同社独自の「e:Sテクノロジー」の展開などによって軽量化を推し進め、CVT車で870kg、5速MT車で850kgを実現。空力性能でもCd値を約6%低減させたことにより、JC08モード燃費はCVT車が25.2km/L、5速MT車が22.2km/Lとなっている。エコカー減税ではCVT車は免税(100%減税)、5速MT車は自動車取得税が60%、重量税が50%軽減される。

 サスペンション形式はフロントがストラット、リアがトーションビームで、タイヤサイズは前後165/50 R16 75V。足まわりにはコペン専用チューニングが施され、サスペンション自体と取り付けの剛性を高めたほか、ロール剛性バランスを最適化。良好な乗り心地とタイヤのメカニカルグリップ向上を果たしている。また、空力性能でもCd値低減に加え、リア側の揚力を初代コペンから約60%引き下げ、車両前後の揚力バランスをチューニング。市街地走行から高速クルージングまで車両挙動が変わらない安定感ある走りを実現している。このほか、5速MT車にはオプション装備としてフロントスーパーLSDが3万2400円高で用意されている。

KF型エンジンはコペンへの搭載に合わせ、DVVT(連続可変バルブタイミング機構)を追加してアクセル操作に対するレスポンスを向上
オープンスポーツカーとして排気音にもこだわり、走り出したときの力強さ、高回転側での気持ちよさをサウンドで表現する
フロントにストラット、リアにトーションビームを採用するサスペンション
ダックテールタイプのトランクリッド形状を採用し、リア側の揚力を初代コペンから約60%低減。高速走行時の直進性を高めている
走るシチュエーションに合わせ、オープン/クローズを手軽に使い分けられる

 また、ボディーの外装パーツに樹脂を使う独自のドレスフォーメーションを採用する2代目コペンでは、フレーム構造とモノコック構造をベースにした新骨格構造「D-Frame(ディーフレーム)」を新開発。フロント、サイド、リア、フロアといった車両の骨格全体を切れ目なくつないで一体化。フロア下にトンネル構造やクロスメンバーなどを追加して剛性を高め、初代コペンと比較して上下曲げ剛性を約3倍、ねじり剛性を約1.5倍に向上させている。これにより、高い安全性とともにオープンエアクルージングでの快適性、スポーツカーとしてのシャープな機動性などを手に入れた。

「D-Frame」のホワイトボディー
開口部の大きいキャビン周辺を中心に補強し、フロント、サイド、リア、フロアを一体化してボディー剛性を確保している
64km/hオフセット衝突実験
55km/h後面衝突実験
55km/h側面衝突実験
歩行者傷害軽減ボディー

 インテリアではフルファブリックのヒーター内蔵スポーツシートを採用し、革巻きステアリング、自発光式3眼式メーターなど走行面に関する部分に注力。外装と同じくドレスフォーメーションを採用し、インパネガーニッシュなどを交換可能な設定としている。インテリアカラーはブラウン&ベージュが基本で、全体をブラックに変更する「ブラックインテリアパック(3万2400円高)」をメーカーオプションで用意する。

コペン ローブのインパネデザイン。標準仕様はオーディオレス。ディーラーオプションでカーナビを装着したときに対応する「純正ナビ・オーディオ装着用アップグレードパック(ステアリングスイッチ、インパネオーディオクラスター)」を1万6200円でメーカーオプション設定
中央にスピードメーター、左側にタコメーターを配置する自発光式3眼メーター。平均燃費や航続可能距離などを知らせるマルチインフォメーションディスプレイも備える
プッシュ式のオートエアコン、カーボン調センタークラスターを全車標準装備
標準仕様となるベージュインテリアパックのコペン ローブ
インパネやシート、ドアトリムなどが黒に変更されるブラックインテリアパックは3万2400円高
CVT(7速モード付き)車のシフトセレクター
5速MT車のシフトレバー
助手席シートの前方に設置されるカーボン調インパネガーニッシュ
グローブボックスはキーロック付き
プッシュボタンスタート
センターコンソールにはカップホルダー2個とキーロック付きの収納ボックスを設置
キャビン中央のパーキングブレーキレバーの脇に、電動オープンルーフ、パワーウインドー、シートヒーターなどのスイッチを配置
ちょっとした手荷物を入れておけるメッシュタイプのバックパネルポケット
オーディオレスが標準だが、ドアトリム内に16cmスピーカーを備えている
運転席/助手席の両方にメッシュタイプドアポケットを用意
オープン時はトランク内にルーフパネルを折りたたんで格納するが、リアバンパー側に収納スペースを確保する
ルーフを閉じたクーペ状態のときはトランクにゴルフバッグも入る
全車イモビライザー機能付きのキーフリーシステムを標準装備。ドアハンドルにロック開閉のリクエストスイッチを備え、運転席側には緊急用のキーホールも設置する
電子カードキーのスイッチでもロックの開閉が可能
Aピラー上側にツィーターを内蔵
肌寒い季節でもオープンエアドライブが楽しめるよう、シートヒーターを全車に標準装備

【お詫びと訂正】記事初出時、オプション装備のフロントスーパーLSDの記載内容が間違っておりました。正しくは5速MT車用のオプション設定でヘリカルタイプではありません。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:佐久間 秀)