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写真で見る アウディ「e-tron スポーツバック」
2020年9月19日 10:00
アウディ ジャパンは、ブランドとして日本初導入となるEV(電気自動車)の「e-tron スポーツバック」を発売した。価格は1327万円で、バーチャルエクステリアミラー仕様は1346万円。
この発売に合わせてアウディ ジャパンは都内でe-tron スポーツバックのプレス発表会を開催。実車展示のほか、アウディ ジャパンのフィリップ・ノアック社長やe-tron スポーツバックの製作に携わったエンジニアからのビデオメッセージが紹介された。e-tron スポーツバックについてはこちらの記事で紹介しているので、本稿では展示されていた実車の写真を中心にe-tron スポーツバックを紹介していこう。
さて、このe-tron スポーツバックだが、欧州ではすでに発売されているクルマであり、日本への導入が少し遅れたカタチになっていた。このことについてノアック氏は「アウディとして初のEVなので、EVを市場に出すという初めての経験をまず欧州で行なって、いろいろなことを学ぶことが必要だった」と語った。さらに「販売店の準備も十分整えてから日本市場に出したかった」と説明をした。
また、SUVではなくてスポーツバックが先に導入された理由として、世界的に高い評価を受けているスポーツバックのフォルムは、アウディ初のEVをデビューさせるうえで、ユーザーにインパクトを与えると考えたことを挙げ、スポーツバックに続く次のe-tronはSUVの導入を予定していると語った。
なお、e-tron スポーツバックの導入により、アウディ自体がEVへ完全シフトするかという疑問に関しては否定。2025年までにEVの比率を30%まで引き上げる目標を立てているが、EVの開発・研究と同時に、現在もディーゼル、ガソリン両方のエンジンの開発・研究も進めているとのことだった。
e-tron スポーツバックの日本での販売は2020年中に200台、2021年は600台を目標にしているとのことだが、ノアック氏はより多くの人にe-tron スポーツバックを見てもらうことが台数以上に大事なこととして捉えていた。そのためには「多くの方に販売店に来てもらい、試乗をしてほしい」と語っていた。
続いて車両の特徴がエンジニアから紹介された。このe-tron スポーツバックは、アウディのこれまでの経験と技術を全て注ぎ込み入念に開発されたEVであり、最大の特徴は多量の熱を発生するエンジンや冷却機構はもちろん、複雑な動力伝達技術が必要ないところと解説。e-tron スポーツバックは車両の前後に誘導モーターを備えたquattroドライブで、前後アクスル間のフロア下には高電圧バッテリーを敷き詰めていると紹介。そしてこの構造からもたらされる前後の重量配分は50:50であることと、約700kgあるバッテリーシステムであっても、床下に低く積んだことで非常に低重心なバランスを実現しているとのことだった。こうした運動性のよさに加えて標準装備のエアサスペンションにより、軽快感とプレミアムSUVらしい上質な乗り心地を両立しているという。
e-tron スポーツバックは、バッテリーの温度を25~35℃近辺に保つことのできる水冷システムを備えており、急速充電時に起こりがちなバッテリーの発熱が抑えられるので充電時の抵抗が減り、充電の時間も短縮できるという。また、急加速などのバッテリー負荷が上がる状態においても、冷却システムがあるので加熱を抑えられるとしている。
充電用のACチャージャーは3kWのものが標準装備。オプションとして8kWのチャージャーが用意される。また、アウディ ジャパンはe-tron スポーツバックの購入者を対象に充電設備の設置初期費用サポートも行なう。
公共の充電器はDC急速充電器を筆頭に、ACチャージャーとDCチャージャーを全国2万1700か所の拠点に設置。「e-tronチャージングカード」に対応する拠点であれば、支払いも簡単に済ませることができるようになっている。
このe-tronチャージングカードは、通常だと月会費5000円、DCチャージングのみ1分あたり15円の従量課金制だが、e-tron スポーツバックオーナーは購入から1年間はそのどちらも無料で使用することができるというサービスも発表された。
こうした充電器を介した充電のほかに、独自の回生ブレーキシステムによって、日常域の90%に相当する0.3Gまでの減速であれば通常のブレーキを使用せずエネルギー回収を行なえることも語られた。参考として、e-tron スポーツバックでの峠越えでは上りに使用したエネルギーのうち、約7割を下りの回生で再充電したとのこと。このような使い方ができるのであれば、外出の際は行程の設定次第で航続距離が大幅に伸ばせそうだ。
駆動方式はアウディ伝統のquattroとなるが、e-tron スポーツバックは前後に搭載されたモーターによりEVならではの特性を実現している。システム出力は265kW/561Nmで、モードの切り替えによって使用可能になるブーストモードでは300kW/664Nmを発生することができる。
一方でモーターの負荷が少ない状況では、後軸に積まれている165kWのモーターのみを効率的に使用することで、バッテリーの消費を抑えて航続距離を伸ばせるようになっている。WLTC基準の航続距離は405kmと発表されていた。
e-tron スポーツバックのエレクトリッククワトロドライブは、各ホイールごとに独立してトルクコントロールができるので、あらゆる状況で最適なドライビングが実現できるとのこと。なお、通常走行時は後輪のモーターのみを動かしていて、必要なときに瞬時に4輪駆動へ切り替わるが、そのレスポンスは0.03秒と非常に早いものとなっている。