2016 デトロイトショー

“トラックのポテンシャルを指し示す”「タイタン・ウォリアーコンセプト」を世界初公開した日産ブース

 北米カー・オブ・ザ・イヤーのトラック部門で新型「タイタン」が最終選考まで残っただけあって、デトロイトショーの日産自動車ブースはやはりタイタンが主役。今回の出展ブースの中では珍しく、スタジアムのように高低差を設けたブース中央のステージには、白いベールがかけられたタイタンの派生モデルらしき大柄なクルマが置かれていた。そして、1月12日の9時半(現地時間)にスタートしたプレスカンファレスで、いよいよアンベールが行なわれた。

「タイタン・ウォリアーコンセプト」と名付けられた堂々たるフルサイズのピックアップは、日産の主力デザインセンターの1つであるカリフォルニアの日産デザインアメリカ(NDA)の手によるコンセプトカー。コンセプトは「フリーデューティ」。すなわち、あらゆる用途に適したデザインを意図している。なお、新型タイタンにはキングキャブ、スタンダードキャブも追加予定で、将来的にボディタイプは3つ、パワートレーンも3タイプが用意されるという。

デトロイトショーの日産自動車ブースで世界初公開された「タイタン・ウォリアーコンセプト」
カーボン素材を使ったバンパー類やオーバーフェンダーで「オフロードへのチャレンジ精神」を表現。37インチのオフロードタイヤを装着する

 プレゼンテーションを行なった日産自動車 副社長 北米マネジメントコミッティ(MC NA)担当のホセ・ムニョス氏は、「日産自動車においてトラックは重要な位置づけにある。これまで日産はトラック以外のすべての分野で他社を凌駕してきたという自負がある。同モデルはフルサイズピックアップという北米で非常に成長している市場に、日産が満を持して投入するモデルである」とコメント。

 さらにムニョス氏は「すでに日産では6車種のトラックをラインアップしているが、同モデルは今後のタイタン、ひいてはトラックのポテンシャルを指し示すものとして、限りない可能性を追求して開発したものであり、今後の成長、成功を確約するものとなる。また、日産の財産である、かつての“510ブル”や“240Z”“GT-R”といったモデルにあるオリジナルティを継承したモデルでもある。これにより日産は10%のシェアを目指す。なお、日産は2015年に180万台の販売を達成し、インダストリーアベレージを超える販売の上昇率を記録した。もちろん、この成功はひとえに素晴らしいプロダクトを開発できたがゆえのことと考えている」との旨を述べた。

 そのほかに日産ブースでは、すでに市販されている色違いの「タイタン XD」が2台、人気の高い「ローグ(日本名:エクストレイル)」、依然として注目度の高い「GT-R」、EV(電気自動車)の「リーフ」といった市販車に加え、東京モーターショー2015で初披露された、来るべき自動運転を見据えたコンセプトモデル「ニッサン IDS コンセプト」などが展示されていた。

2015年12月に発売されたばかりの新型「タイタン XD」
北米市場でも人気を集めている「GT-R」(中央)と「ローグ」(右)
「ニッサン IDS コンセプト」の展示では、車両に加えて、自動運転の「パイロットドライブモード」、ドライバーが運転する「マニュアルドライブモード」を使い分ける車内演出についても紹介されている
EV(電気自動車)の「リーフ」

岡本幸一郎

1968年 富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスのモータージャーナリストとして独立。国籍も大小もカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもさまざまなタイプの25台の愛車を乗り継いできた。それらの経験とノウハウを活かし、またユーザー目線に立った視点を大切に、できるだけ読者の方々にとって参考になる有益な情報を提供することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。