オート上海2017

【オート上海2017】三菱自動車、将来のSUV像を示す「GT-PHEV Concept」「eX Concept」公開

SUVセグメントの強化や販売網の拡充で、2020年代初頭に30万台超の販売を計画

2017年4月19日(現地時間)発表

 三菱自動車工業は4月19日(現地時間)、「The 17th Shanghai International Automobile Industry Exhibition」(オート上海2017。プレスデー:4月19日~20日、一般公開日:4月21日~28日)でプレスカンファレンスを実施し、同社の取締役副社長執行役員の白地浩三氏が登壇して中国市場の現状と今後の展望などを語った。

プレスカンファレンスでスピーチを行なった三菱自動車工業株式会社 取締役副社長執行役員の白地浩三氏
三菱自動車と中国でのパートナーとなる広汽三菱のボードメンバー

 白地氏はまず、中国市場の全体について述べ、「中国の自動車市場は伸び続けています。特にSUVセグメントの伸びは著しく、昨年は45%のプラスでした。今後もSUVセグメントはもっとも高い成長率を示し、中国市場最大のセグメントとなることが予想されます」と述べるとともに、「三菱自動車は、1936年に4輪駆動乗用車を初めて製作してから長い年月を掛けて技術を培い、三菱自動車=(イコール)SUVのイメージを築き上げてきました。そして今、4輪制御技術や電動車両技術において世界の自動車市場をリードしています」と解説。

 実際の販売状況については、「昨年8月ですが、パートナーである広汽三菱で生産がスタートしたアウトランダーの販売が好調で、今年度の販売目標は10万台を計画しています。また、同じく広汽三菱で生産しているASXは、SUVセグメントのなかでもっとも伸張しているコンパクトなセグメントに属しています。我々は、ASXの販売もさらに伸ばしていきたいと思っています」と、販売している2台のSUVモデルがどちらも好調を維持しているとのことだった。

 また、販売台数を増やすための計画や今後の展望についても語られ、「販売拡大には販売網の拡張が不可欠です。ディーラーのクオリティはもちろんですが、数や販売網の地理的カバレッジを強化していきます。そして2020年代初めには、2016年比で約4倍となる30万台以上の販売を目指します。その一環として広汽三菱は、エンジン工場を湖南省に新設するための投資を行ないます」とし、販売網の拡充とともに工場の新設も実施することを明らかにした。

 そして三菱自動車が得意としてきたEVやPHEVの展開については、「今後の中国において重要な分野となる新エネルギー車にも注力していきます。EVやPHEVのリーディングカンパニーとして、中国に同様のクルマを投入すべく準備を進めています」と語り、2台のSUVコンセプトカーを公開。

 中国国内では初披露となる「MITSUBISHI GT-PHEV Concept」と「MITSUBISHI eX Concept」は、三菱自動車が将来のSUV像を示すコンセプトカー。GT-PHEVコンセプトは、トリプルモーター方式のプラグインハイブリッドEVシステムと4輪制御技術を搭載した次世代クロスオーバーSUVの最上級に位置付けられている。一方のeXコンセプトは、ツインモーター方式の次世代EVシステムと4輪制御技術を搭載したコンパクトSUVのコンセプトカーになる。

 どちらもコンセプトモデルだが、SUVセグメントが急成長し、電動化も必要不可欠な中国市場にはベストマッチなモデルといえる。

2016年のパリモーターショーでワールドプレミアされた「MITSUBISHI GT-PHEV Concept」。フロントに1基、リアに2基のモーターを搭載したトリプルモーター方式を採用。高出力、高効率のモーターを駆動させる大容量の駆動用バッテリーを装備し、総航続距離は1200km以上で、EV走行は120kmが可能
2015年の東京モーターショーでワールドプレミアされた「MITSUBISHI eX(electric cross) Concept」。ツインモーター方式の次世代EVシステムと4輪制御技術を組み合わせたコンパクトSUVセグメントに属するモデル。モーターはフロントに1基、リアに1基が装備され、航続可能距離は400kmを想定している

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。