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ホンダ、「セダン」「ハッチバック」「TYPE R」を同時開発して“操る喜び”を飛躍的に高めた新型「シビック」

「TYPE R」は320PS/400Nmを発生する2.0リッター直噴“VTECターボ”搭載

2017年9月29日 発売

265万320円~450万360円

9月29日に発売される新型「シビック セダン」

 本田技研工業は、Cセグメントの新型セダン&ハッチバック「シビック」を9月29日に発売すると発表した。価格は265万320円~450万360円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
シビック ハッチバック直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴ガソリンVTECターボ(182PS/220Nm)CVT(7速モード付)2WD(FF)2,800,440円
直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴ガソリンVTECターボ(182PS/240Nm)6速MT2,800,440円
シビック セダン直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴ガソリンVTECターボ(173PS/220Nm)CVT(7速モード付)2,650,320円
シビック TYPE R直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ガソリンVTECターボ(320PS/400Nm)6速MT4,500,360円

 1972年に初代モデルが登場し、今回で10代目となるシビックシリーズ。ホンダの基幹車種として170以上の国と地域で発売され、これまでに累計約2400万台を販売しているが、日本市場では2010年に正規ラインアップモデルとしての販売を停止。それ以降はスポーティモデルの「TYPE R」を限定車として定期的に販売してきた。

 昨今のホンダでは2015年と2016年の軽自動車の車名別販売台数でトップになった「N-BOX」、2016年9月にフルモデルチェンジした「フリード」、クロスオーバーモデルのブームで追い風を受けている「ヴェゼル」など「生活に役立つクルマ」が販売を牽引している一方で、「走りを追求したスポーティなモデル」がホンダ内でも数が少なくなり、存在感が薄くなったとユーザーから指摘されるようになっている。そこで、グローバルモデルとしてすべてを一新して開発した新しいシビックを日本市場で再デビューさせ、妥協なく追求したシビックの操る喜びを日本のユーザーにも体感してほしいとしている。

 また、従来モデルまでのシビックは、市場ごとのニーズに合わせて大幅に造り分けを実施してきたが、10代目では共通した方向性を持ってセダンとハッチバック、さらに北米市場専用となるクーペを開発。さらに6代目から登場した派生モデルであるTYPE Rを、歴代シビックで初めて初期段階から他モデルと同時開発。基本構造を共有するシナジー効果によってセダンやハッチバックの走行性能を引き上げ、一方でTYPE Rの実用性を拡大している。

シビックシリーズは170以上の国と地域で発売され、これまでに累計約2400万台を販売しているグローバルカー
セダン(左)は日本の埼玉製作所 寄居工場、ハッチバック(右)は英国のスウィンドン工場で生産された車両が日本で販売される

 外観デザインはロー&ワイドをテーマに、基調となるシルエットをセダンとハッチバックで共有。とくにフロントマスクはバンパー形状の個性化とアッパーグリルのカラーリングを分けるだけに止め、共通するイメージで世界観を統一している。セダンのフロントマスクではアッパーグリルのクロームメッキ加飾をヘッドライトまで連続させ、バンパー両サイドの開口エリアも低く構えた形状にして横方向の広がり感を演出。ハッチバックでは派生モデルとなるTYPE Rからデザインテイストのバックキャストを行なってアグレッシブさを表現し、ピアノブラック加飾を備えたアッパーグリルは開口部をより大きく見せ、バンパー両サイドの開口エリアはヘッドライトに迫る高さまで広げて躍動感を強調している。

 サイドからリアビューでは、ドアノブがセダンはメッキ仕上げ、ハッチバックとTYPE Rがボディ同色となり、セダンはリアオーバーハングをハッチバックより130mm延長して伸びやかなシルエットを与えている。また、ボディ形状が異なることに合わせ、リアのエアロパーツとしてセダンではトランクスポイラー、ハッチバックではルーフエンドスポイラーとテールゲートスポイラーを装着している。

シビック セダン
シビック ハッチバック
シビック TYPE R
TYPE Rの空力デバイス説明図

「理想のFFスポーツ」「究極のFFスポーツ」をキーワードに生み出された新しいTYPE Rでは、レーシングエアロを追求した“タイムを叩き出すためのデザイン”としてスタイリングと各種空力デバイスを一体として開発。

 フロントバンパー両サイドに縦型配置された「エアカーテン」は、スリットからフロントフェンダー内に空気を導き、乱れやすいフロントタイヤ前方の気流を勢いよく後方に流してドラッグ(抗力)を低減する。また、エアカーテンの下にある「フロントフリックアップ」、リアタイヤ前方にある「リアフリックアップ」が気流を上方に跳ね上げることでダウンフォースを発生。リアフリックアップはリアタイヤ前方の整流効果も発揮してドラッグ低減に寄与する。

 ルーフ後端の「ボルテックスジェネレーター」は後方に流れていく空気がボディ面から剥離しないよう抑制し、リアスポイラーの効果を高め、リアスポイラーは上下の2ピースを構造接着剤で結合する構造を採用して断面の薄型化を実現。上下の圧力差を高めて発生するダウンフォースを増加させている。これらの技術を結集することで、従来モデルよりも高いダウンフォースを発生させつつ、一方でドラッグの低減も実現している。

前後のタイヤの前に設置したカーボン製の「フロントフリックアップ」と「リアフリックアップ」が気流を跳ね上げてダウンフォースを発生
縦に並んだ開口部からフロントのタイヤハウス内に空気を導き、タイヤ前方の気流を整流してドラッグ低減を図る「エアカーテン」
ダウンフォースを発生させてリアタイヤのグリップ力を高める「ボルテックスジェネレーター」とリアスポイラー
全車で選択できる「クリスタルブラック・パール」

 ボディカラーは「クリスタルブラック・パール」を全車に用意し、「ホワイトオーキッド・パール」「ルナシルバー・メタリック」をセダンとハッチバックの共通色として採用。

 このほか、セダンに「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」「コスミックブルー・メタリック」、ハッチバックとTYPE Rに「フレームレッド」「ブリリアントスポーティブルー・メタリック」をラインアップし、TYPE R専用色として「チャンピオンシップホワイト」を設定する。

セダンとハッチバックの共通色である「ホワイトオーキッド・パール」(左)と「ルナシルバー・メタリック」(右)
セダン専用の「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」(左)と「コスミックブルー・メタリック」(右)
ハッチバックとTYPE R共通色の「フレームレッド」(左)と「ブリリアントスポーティブルー・メタリック」(中央)
歴代TYPE Rで受け継いできた専用色「チャンピオンシップホワイト」
新型シビック セダンのホワイトボディ。「インナーフレーム骨格構造」によって主要なフレームの結合効率を高め、ボディ骨格自体を強固に仕上げて補強材の使用を最小限にとどめることで軽量化している

 新世代プラットフォームの要に位置付けられているボディ骨格は、開発初期からTYPE Rで満たすべき要件まで念頭に設計が行なわれ、従来はアッパーボディ、アンダーボディを別に組み立ててあとから結合していたが、新型シビックシリーズでは全体の骨格部材を組み立ててから外板パネルを溶接していく「インナーフレーム骨格構造」を導入。

 また、CAE(Computer Aided Engineering)を駆使した解析によってハイテン材の効果的な配置、結合構造の最適化などを実施。これにより、先代モデル比でセダンは22kgの軽量化とねじり剛性の25%向上、TYPE Rは約16kgの軽量化とねじり剛性の約38%向上を達成している。

フロア部分に大断面のセンタートンネルと井桁状に配した骨格部材で剛性向上を実現。さらにフロアの振動を抑制でき、重量のある制振材を不要として軽量化にも貢献する
ボディを前後に接続するフロアトンネルに横方向の補強ブレースを組み合わせ、効率的にボディ剛性を強化
セダン(左)では「環状リアバルクヘッド」、ハッチバック(右)では「リアまわり環状骨格」を採用。環状リアバルクヘッドでは閉断面部材を環状配置して、高い剛性と広いトランクスルー開口部を両立。リアまわり環状骨格ではテールゲート取り付け部とリアダンパー取り付け部で環状骨格を形成し、開口部の大きなハッチバックボディながらセダン同等の剛性を実現している
ハッチバックの骨格を流用するTYPE Rでは、さらなる剛性向上を求めてボディの要所に接着接合を追加。応力を広い接合面によって分散して受け止め、高剛性化に加えてしなやかさも手に入れている
ボンネットをアルミに変更して軽量化を追求

 また、新世代プラットフォームによるフロア構造の最適化でヒップポイントとボンネット後端位置を低く抑えることが可能になり、セダンとハッチバックはヒップポイントが20mm、ボンネット後端位置が35mm低下。TYPE Rではヒップポイントが25mm、ボンネット後端位置が45mm低くなって、ステアリングやペダル操作などがしやすいスポーティなドライビングポジションを設定できるようにした。ボンネットの両サイドには大きめに盛り上がる稜線を設け、車両感覚が把握しやすいデザインとなっている。

イラストはシビック セダンの新旧比較。ヒップポイントは20mm低くなったが、ボンネット後端位置は35mm低下して見下げ角は拡大している
シビック TYPE Rの新旧比較図。全高や乗員のヒップポイントが低くなって走行性能が高められている
Aピラーがドライバーの視線方向で約15%細型化。コーナーリング時にスムーズに視線移動できるようにしている

 足まわりも新世代プラットフォームに合わせて刷新され、フロントにマクファーソンストラット式、リアにマルチリンク式を採用。TYPE Rでは320PSというエンジン出力をFFレイアウトで受け止めるため、ナックルとストラットを分離した「デュアルアクシス・ストラット・サスペンション」を先代に引き続き使い、転舵軸とホイールセンターまでの距離を示すセンターオフセットを先代から7%縮小。トルクステアの発生を低減させており、さらにアルミ製ナックルアームで軽量化を図ってダイレクトな操縦性、高いロードホールディング性を実現している。

 また、全車でL型のフロントロアアームを採用して入力分担の効率化、高剛性化を行ない、高剛性サブフレームと組み合わせることでジオメトリー変化の少ないリニアなハンドリングを実現する。マルチリンク式となったリアサスペンションにも高剛性サブフレームを設定。タイヤ支持軸の前方側にレイアウトされたコンプライアンスブッシュはリアタイヤに横方向の大きな力が働くとブッシュの変形によってトーイン制御を実施。タイヤの前方側が内側に向いて安定性を高めるよう働く。

 TYPE Rでは加速度センサーやストロークセンサーからの情報を使い、ミリ秒単位で4輪の減衰力を独立制御する「アダプティブ・ダンパー・システム」を採用。先代のシステムから減衰力の可変幅が拡大されたほか、これまでの「バネ上制振制御」に加えて4輪の接地荷重変動を抑制する新しい制御を導入。余分なサスストロークが低減され、路面のアンジュレーション通過後の収束性が高まってロードホールディング性を向上させている。

 ステアリングでは、VGR(可変ステアリングギヤレシオ)を備えたデュアルピニオンEPSを採用。ステアリングホイールの回転する動作をステアリングラックの直線方向の動きに変換するピニオンギアを「入力側」「アシスト側」の2カ所に分けて設置。滑らかな操舵感と俊敏なレスポンスを両立させる。VGRはセダンとハッチバック、TYPE Rでギヤレシオ設定を分け、セダンとハッチバックでは切り始めからクイックにタイヤが反応する特性を採用し、TYPE Rではステアリング舵角が大きめになるまでギヤレシオを穏やかに増加させるような味付けとしている。

シビック セダンの足まわりイメージ
フロント(中央)にマクファーソンストラット式、リア(左)にマルチリンク式を採用。リアタイヤはコンプライアンスブッシュの働きにより、大きな横力を受けたときにトーインして安定感を高める
TYPE Rで採用する「デュアルアクシス・ストラット・サスペンション」の説明図
TYPE Rのフロントサスペンションは低フリクション化や軽量化を追求してロードホールディング性を高めている
TYPE Rのリアサスペンションは、先代のトーションビーム式からマルチリンク式に変更。ハッチバックと同じくトーイン特性が与えられているが、アームやブッシュ類の剛性が高められ、大径の20インチタイヤに対応する
TYPE Rは「アダプティブ・ダンパー・システム」を採用。4輪をリアルタイムに独立制御し、接地荷重変動を抑制する新制御を活用して高いロードホールディング性を実現
先代モデルから、とくに縮み側の制御可変の幅が増えていることを示す説明図
VGR(可変ステアリングギヤレシオ)の構造説明図
VGRはセダンとハッチバックでクイックさが明確になったあと一定に変化。TYPE Rでは穏やかに変化していく設定となっている
デュアルピニオンEPSにより、操作に対して俊敏な反応と滑らかな操舵感を両立する

 このほかに足まわりでは、4輪のブレーキを独立制御して車両挙動をコントロールする「アジャイルハンドリングアシスト(AHA)」を全車で採用。コーナー進入時の回頭性やライントレース性を向上させ、直進状態に戻るタイミングでの姿勢を安定させてドライバーの操作に忠実なハンドリング性能を追求している。TYPE Rでは先代よりも横Gが高い領域までAHAが制御を続け、さらにコーナー立ち上がりでイン側のタイヤにブレーキを効かせてLSDの作用を適正化。トラクション性能を向上させるようになっている。

 TYPE Rのブレーキは、フロント側にブレンボ製の4ピストンアルミモノブロックキャリパーを採用。ブレンボ製のφ350mm×32mm厚ドリルド&ピラーフィンディスクと組み合わせ、制動力とコントロール性に優れたブレーキとしている。さらにフロントブレーキではフロントバンパーの両サイドに設置した冷却ダクト、ブレーキ側に設置した導風板を使って走行風をブレーキに導き耐フェード性を向上させている。

シビック ハッチバックの走行イメージ
シビック セダンの走行イメージ
シビック TYPE Rの走行イメージ
TYPE Rの専用アルミホイールは材質を高ヤング率として軽量・高剛性を実現。245/30 R20サイズのタイヤは、ドライ&ウェットのどちらの路面でも最適な設置性能を実現できるよう専用開発したものとなる
320PS/400Nmの高出力と1390kgの車重を受け止めるため、フロントにブレンボ製4ピストンアルミモノブロックキャリパーを採用マスターパワーも新設計して、ドライバーの踏力に合わせて制動力が自在にコントロール可能になっている
冷却ダクトや導風板を使うブレーキ冷却システム

 エンジンは1.5リッターと2.0リッターの2種類の直列4気筒DOHC 直噴「VTECターボ」を採用。ターボチャージャーはセダンとハッチバックで応答性に優れる小径タービン、TYPE Rで低慣性で高出力化を実現するモノスクロール・ターボチャージャーを搭載。これに過給圧制御の自由度を高める「電動ウェイストゲート」を組み合わせ、高い過給レスポンスと排気ポンピングロスの低減による燃費向上を両立させる。吸排気システムには連続可変バルブタイミング・コントロール機構の「吸排気VTC」を使い、吸気と排気のオーバーラップ量を広範囲に、かつ緻密に制御できるようにしている。このほか、シビックシリーズのエンジン共通で、放熱性を高めてノッキングの発生を抑制する「ナトリウム封入エキゾーストバルブ」を採用している。

 さらにTYPE Rの「K20C」型エンジンでは、鋭い吹け上がりを実現するためエンジン内部の回転・往復部品の慣性重量を徹底的に低減。コンロッドの棹部には熱間鍛造に加えて冷間鍛造も実施して密度を高め、強度を高めることで形状をスリム化した「部分強化コンロッド」を投入。コンロッド単体の軽量化に加え、カウンターウエイトも軽くできるようになった。また、エンジンブロック、ピストン、VTECロッカーアームなどをアルミ製としてエンジン全体も軽量化したことによって軽快なハンドリング性能を生み出している。

 ストレートな配管を採用したマフラーでは、セダンとハッチバックで同様のパワートレーンを採用する「ステップワゴン」の採用品から吸気流量を約11%、排気流量を約28%増加させ、エンジントルクを全域で向上させつつ力強く爽快な走りを実現。2つのメインパイプと中央のセンターテールパイプを組み合わせた独自性の強いエキゾーストシステムを新採用したTYPE Rは、メインパイプで排気流量のアップによる高出力化を図りながら、サイレンサー内にレゾネーターを備えるセンターテールパイプを使い、低回転時では開口面積増加で音圧を高め、高回転時では負圧の効果で不快なこもり音を低減させる効果を発揮する。

セダンとハッチバックに搭載する直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴「VTECターボ」
セダンの「L15B」型エンジンは最高出力127kW(173PS)/5500rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/1700-5500rpmを発生する
ハッチバックの「L15C」型エンジンはトランスミッション別に出力が異なり、CVT車は最高出力134kW(182PS)/6000rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/1700-5500rpm、6速MT車は最高出力134kW(182PS)/5500rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/1900-5000rpmを発生
TYPE Rに搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴「VTECターボ」
TYPE Rの「K20C」型エンジンは最高出力235kW(320PS)/6500rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/2500-4500rpmを発生する
シビックシリーズのエンジン共通で、「電動ウェイストゲート」(左)、「ナトリウム封入エキゾーストバルブ」(右)を採用(写真はTYPE R)
「K20C」型エンジンではさまざまな軽量化技術を採用し、鋭い吹け上がりと軽快な運動性能を実現
「K20C」型エンジンで採用する「2ピース構造ウォータージャケット」。エキゾーストポートの上下で包み込むようウォータージャケットを配置することで接触面積を拡大。排出ガスの温度を約100℃下げて燃焼効率を高めている
ストレートな配管を採用するシビック ハッチバックのマフラー
マフラーエンドが3つある特徴的なTYPE Rのマフラー。センター部分は主に音質を担当し、ロングツーリングでの快適性も高める役割を持つ

 トランスミッションは、7速モード付きでパドルシフトを標準装備するCVTと6速MTを設定。CVTではホンダ独自の変速制御「G-Design Shift」を採用し、ターボラグを意識させない力強い加速フィーリングを実現。ターボトルクを受け止める大容量トルクコンバーターは、外周部と内周部の2カ所にスプリングを配置するツインダンパー式。低回転時のノイズや振動を吸収して静粛性を高めている。

 ハッチバックの6速MTでは、スムーズで気持ちのよい変速操作をを手に入れるため、シンクロナイザー機構の形状を最適化。ギヤイン時の荷重を低減し、シフトレバーが吸い込まれていくようなフィーリングを表現しているという。また、フライホイールにエンジン側、トランスミッション側の2つをスプリングで接続する「デュアルマスフライホイール」を採用。ターボエンジンの中低速域で発生するトルク変動を効果的に吸収し、静粛性の高い上質な走りを演出する。

 また、TYPE Rの6速MTでは軽量シングルマスフライホイールを採用してエンジンの吹け上がりをアシストし、ファイナルギヤをローレシオ化して全域での加速性能を向上。トランスミッションケース内にはヘリカルLSDを装備している。このほか、シフトダウン時にエンジン回転数を自動的に高め、ヒール&トゥ操作を不要にする「レブマッチシステム」を搭載。アクセルペダルのあおり不足、あおり過多による変速ショックを防ぎ、ブレーキペダルやステアリングの操作に集中できるようになる。

ハッチバックの6速MTは本革巻きのシフトレバーを採用
セダンとハッチバックに搭載される7速モード付きCVT
CVT車は全車パドルシフトを標準装備する
CVTの大容量トルクコンバーターはツインダンパーを採用
TYPE Rの6速MTはアルミ製シフトノブを標準装備
トランスミッションケースに水冷オイルクーラーを装着
「レブマッチシステム」の制御イメージ
シビック ハッチバック(6速MT)のインパネ。セダンとハッチバックの内装色はブラック

 車内空間でも走りのイメージを感じさせるデザインが与えられ、上質さとスポーティテイストを重視。運転席からインパネを目にしたときの印象が走りの感覚にも影響を与えるとの考えから、デザインをテスト車の走行と合わせて動的に検証。

 横方向で薄い骨格を使ったほか、メーターパネルを目立たせることでワイド感やスポーティさを印象付け、縦方向のセンターコンソールは力強さを感じさせる形状としている。さらにセンターコンソールはエアコンルーバーやカーナビのディスプレイのある上部から中央にあるアームレストまで連続させた「ハイデッキコンソール」となっており、フロントシートの適度な包まれ感を演出している。

 セダンとハッチバックのフロントシートは座面とサイドサポートを大きくしてサポート性を高めた新設計シートとなっており、一方でシートバックを薄く、肩口をナローに絞り込んだ形状としてリアシートの乗員の視界を広げるデザインを採用している。シート表皮にはソフトウィーブを採用し、本革シートをオプション設定。表皮のシートバックと座面の中央にアクセント素材を用いて上質感を演出した。

 メーターパネルは中央に7インチの大型液晶ディスプレイを採用し、左側に水温計、右側に燃料残量計を配置。中央の7インチ液晶では外周部分でタコメーターを表示し、内側上部に大きく数字で速度表示。中央下側はマルチインフォメーションディスプレイとなる。7インチ液晶の表示内容はドライバーの好みに応じて内容を変更できるようになっている。点灯色はセダンで上質感を表現するブルー、ハッチバックでスポーティさを感じさせるレッドとしている。

サポート性を高めつつ、リアシートの視界も確保する新設計シート。シートバックと座面の中央にアクセント素材を用いて上質感を演出
ハッチバックのリアシート
セダンのリアシート
メーターパネル中央の7インチ大型液晶ディスプレイ。中央下側のマルチインフォメーションディスプレイではターボの過給圧や瞬間燃費、航続可能距離などを表示できる
シビックシリーズ全車で電子制御パーキングブレーキを採用。坂道などでブレーキから足を離しても停車状態を維持する「オートブレーキホールド機能」も備えている
アームレストの下は大容量のコンソールボックスとなっている。リッドはヒンジ開閉とスライドの両方に対応
TYPE Rのインパネ。センターコンソールのナビは純正オプションで、基本はオーディオレスの8スピーカー(4スピーカー+4トゥイーター)

 TYPE Rのインテリアでは、基本的な形状をハッチバックと共有しつつ、インパネやステアリング、シートなどの加飾にレッドを使い、刺激的なコックピット空間として演出している。シートは先代モデルからコンセプトを継承しつつ、骨格にはハイテン材を使用して構造も変更し、10%軽量化。前後のスライド幅を拡大して乗員の体格に合わせやすくしたほか、座面形状の変更でリアシートに座った人の足先が入るようになっている。

 このほかにもカーボン調×アルマイト調のインパネ加飾、アルミ製シフトノブ、ステンレス製スポーツペダル、センターコンソールのシリアルナンバー入りアルミ製エンブレムなどによってスポーティテイストを強調している。

 さらに新型TYPE Rでは、センターコンソール左側のスイッチで「COMFORT」「SPORT」「+R」の3モードを変更できる「ドライブモード」を採用。モードの切り替えによってアダプティブダンパーシステム、パワーステアリング、スロットル開度、レブマッチシステムなどの制御が切り替わり、市街地での日常的な走行からサーキットでのタイムアタックまで幅広いシチュエーションを適切にカバーできる。

高剛性なハイテン材を使い、シート骨格の構造を刷新して約10%軽量化したTYPE R専用シート
シフトノブの後方にシリアルナンバー入りアルミ製エンブレムを装着
新アイテム「ドライブモード」のトグルスイッチ。エンジン始動時は「SPORT」が選択され、後方側に操作すると「COMFORT」、前方側に操作すると「+R」にモードチェンジする。「COMFORT」選択時に前方に動かす、または「+R」選択時に後方に動かすと「SPORT」になる
「ドライブモード」を変更するとメーター表示も変化。現在のモードは左上に表示される

 このほかに装備では、セダンとハッチバックにホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備(CVT車はレスオプションの選択も可能)。7月6日に発表された新型「グレイス」でホンダ車初搭載となった「オートハイビーム」に加え、「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」「渋滞追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)」「路外逸脱抑制機能」「LKAS(車線維持支援システム)」「標識認識機能」などによって安全で快適なドライブをアシストする。また、セダンのアルミホイールは、中空構造のレゾネーター(消音装置)を内蔵する「ノイズリデューシングアルミホイール」となっている。

セダンのトランク容量は519L。リアシートは6:4分割可倒式でトランクスルーが可能となっている
ハッチバックのラゲッジスペース容量は420L。リアシートは6:4分割可倒式で、フルラゲッジ状態では大型の荷物の収納にも対応する
巻き取り式のトノカバーを、前後ではなく左右に動かす世界初の装備となる「カーゴエリアカバー」。カバー巻き取り部はラゲッジスペースの左右どちらにも固定できる
グレードシビック セダンシビック ハッチバック(CVT)シビック ハッチバック(6速MT)シビック TYPE R
全長×全幅×全高[mm]4650×1800×14154520×1800×14354560×1875×1435
ホイールベース[mm]2700
前後トレッド[mm]1545/15651535/15551600/1595
最低地上高[mm]135125
室内長×室内幅×室内高[mm]1930×1525×11601910×1465×11601905×1465×1160
エンジン直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴ターボ「L15B」直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴ターボ「L15C」直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ「K20C」
最高出力127kW(173PS)/5500rpm134kW(182PS)/6000rpm134kW(182PS)/5500rpm235kW(320PS)/6500rpm
最大トルク220Nm(22.4kgm)/1700-5500rpm240Nm(24.5kgm)/1900-5000rpm400Nm(40.8kgm)/2500-4500rpm
トランスミッションCVT(7速モード付)6速MT
駆動方式2WD(FF)
JC08モード燃費[km/L]19.418.017.412.8
定員[名]54
重量[kg]1300135013201390
最小回転半径[m]5.35.55.9
ステアリング形式ラック&ピニオン(電動パワーステアリング仕様)
前/後サスペンションストラット式/マルチリンク式
主ブレーキ形式ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ215/55 R16 93V235/40 R18 95Y245/30 ZR20 90Y