“BMWのバックボーン”新型「3シリーズ」の国内発表会
4気筒ターボで効率とパワーを両立

クルーガー社長と新型3シリーズ

2012年1月30日開催



 ビー・エム・ダブリューは1月30日、東京 八重洲のBMW Group Studioにおいて、新型「3シリーズ」の発表会を開催した。新型3シリーズの詳細については関連記事を参照されたい。

 同社のローランド・クルーガー社長は3シリーズを「BMWブランドのバックボーンであり、このセグメントのベンチマーク。このセグメントは、30年以上前に我々が開発した」と紹介。「BMWブランドの核心部分であり、アスレチックなデザインを与えられ、パワフルでエフィシェント(効率的)なエンジンを搭載する」と紹介。

 また同社マーケティング・ディビジョン プロダクトマネジメントの岡田信之氏は「3シリーズは30年以上の歴史を持ち、コンパクトスポーツセダンというジャンルを確立したモデル。6世代目となる新型3シリーズにおいても、そのスポーツセダンとしての資質にさらに磨きをかけ、より一層魅力的なモデルとなっている」と製品の説明を始めた。

会場に展示されたのは赤い328i スポーツ・ライン

 

岡田氏

4気筒エンジンで効率とパワーを両立
 同日発売されるのは、180kW(245PS)/5,000rpm、350Nm(35.6kgm)/1,250-4,800rpmの直列4気筒DOHC 2リッター直噴ツインスクロールターボエンジンを搭載する「328i」のセダンのみ。従来の直列6気筒DOHC 2.5リッターエンジンを搭載する325iに代わるモデルだ。

 328iと同じく直列4気筒DOHC 2リッター直噴ツインスクロールターボだがよりデチューンされたエンジンを搭載するエントリーモデル「320i」セダンが第2四半期に、直列6気筒DOHC 3リッター直噴ツインスクロールターボとモーターを備えるハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド3」セダンが第4四半期に追加される。ツーリングやクーペのスケジュールは明らかにされていない。

 すべてのパワートレーンには可変バルブリフト機構「バルブトロニック」や吸排気可変バルブタイミング機構「ダブルVANOS」、筒内噴射、ブレーキエネルギー回生システム、アイドリングストップ機構、8速ATが装備される。

328iのエンジンルーム

 この結果、328iの10・15モード燃費は15.6km/L、JC08モードは15.2km/L。75%のエコカー減税対象となるほか、エコカー補助金の対象にもなるため、570万円のスタンダードモデルなら実質535万円で買えることになる。

 なお320iのエンジンは型式は328iと同じだが、燃料噴射系やターボチャージャーが異なる部品になっており、単なるチューニング違いではないとのことだ。

 また、BMWがこだわり続ける6気筒エンジンは、日本のラインアップではアクティブハイブリッド3のみとなる。「効率とパワーの両立という観点では4気筒になる」(岡田氏)というのがBMWの考えで、現時点では非ハイブリッドの6気筒モデル導入の予定はないと言う。

新型3シリーズのエクステリア。3本のプレスラインとルーフラインでスポーティーなキャラクターを演出する

デザイン・ラインを導入
 3シリーズのボディーサイズは、全長は先代より85mm伸びた4,625mm。ホイールベースは50mm長い2,810mm。トレッドが30mm拡大されている一方で、日本専用ドアハンドルの採用で全幅は1,800mmに留められている。

 また1シリーズで初めて導入された「デザイン・ライン」のコンセプトが、3シリーズにも用意される。これはエクステリアやインテリアのディテールをテーマに沿ってカスタマイズしたモデルで、1シリーズでは「スポーツ」と「スタイル」の2種類が用意されたが、3シリーズでは「スポーツ」「モダン」「ラグジュアリー」の3種類になる。パワートレーンやシャシーなどのメカニズムはどれも変わらない。

スポーツ・ラインモダン・ラインラグジュアリー・ライン

 「スポーツ」ラインは、「スポーツ競技、より高いパフォーマンスへのチャレンジ、気持ちを高めるエネルギッシュな世界観」をテーマとしており、キドニーグリルをブラックアウトして、ハイグロスブラックやマットシルバーのアクセントをエクステリアに装備。インテリアはブラック基調に赤いステッチをあしらい、赤いリングやスケールのメーターパネルなど、要所を赤で締める。

 「モダン」は「自然、共生、調和のとれた美しさ」をテーマに、「光沢を抑えたクロームを採用し、インテリアにはインストゥルメントパネルやメーターパネル、ステアリングホイールなどに明るい色を採用、コントラストの少ない調和のとれた空間を再現した」(岡田氏)。

 「ラグジュアリー」は「優雅さ、研ぎ澄まされた美しさ、クラシカルな味わい深さ」がテーマ。内外装のクロームのアクセントや、ウッドトリムのインテリアで「優雅な美しさを醸し出している」。

 なおデザイン・ラインのモデルはすべて225/45 R18タイヤと8J×18ホイールを履き、レザーシートをオプションで選べる。

 一方、デザイン・ラインではないスタンダードモデルはアンソラジットのクロスシートとウォールナットのウッドトリムを装備。内外装のアクセントが装備されず、タイヤは225/50 R17、ホイールは7.5J×17となる。

ドライビング・パフォーマンス・コントロールを標準装備
 サスペンションは新設計。BMWならではのスポーティーネスはそのままに、快適性を高めたと言う。

 また、「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」を標準で装備するようになった。

 これは、エンジンのレスポンス、ATのシフトスケジュール、パワーステアリングのアシスト量などを「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」「ECO PRO」の4モードに合わせて統合制御するもの。ECO PROモードは燃費志向のモードで、エアコンやシートヒーターの温度設置を制限することもできるほか、効率的な運転のためのアドバイスがディスプレイに表示される。

会場に展示されたのはスポーツライン。ブラックアウトしたキドニーグリル、バンパーエアインテークにハイグロスブラックとマットシルバーのアクセントなどを備える
スポーツラインのブラック基調のインテリア。赤いアクセントで引き締める
トランクルーム。4:2:4のトランクスルーを備えるランフラットタイヤ装着のため、ついにスペアタイヤのスペースもなくなった

(編集部:田中真一郎)
2012年 1月 30日